第22話

22
412
2022/05/22 09:18




あなた「蛍もシャワー浴びたら?」


月島「いや、いい。服ないし」


あなた「私ので良ければ貸すけど」


月島「キミの服が僕のサイズに合うと思ってんの?」


あなた「確かに!」





そんなことを言いながら、また歌を口ずさむあなた





これは、ほんとに機嫌がいい時



すぐ気付けるくらいには僕はあなたと仲良いと思っていいのか、それとも今日のあなたが気が緩んで下手なのかは分からないけど





あなた「あ、そうだ、ベランダで花火一緒にしようよ」


月島「どんだけ花火やりたいワケ...てか花火も濡れたデショ」


あなた「なんかね、線香花火だけ個包装で無事だった!」





あなたは決まりね!といってベランダに小さな水を張ったバケツを出して用意を始め、僕にベランダにしゃがむよう指示した





月島「ベランダ狭いんだけど」



あなた「蛍が大きすぎるんじゃん?」





しゃがんでいるとはいえ、190を超えた男には1Rのベランダは窮屈すぎる



そんな僕を見て笑いながら、チャッカマン〜と少し無理やりにごきげんな声を響かせたあなたに、僕はサッと血の気が引いたのが自分でも分かった





月島「あなた!待って!僕が持って来るから!」



慌ててベランダから部屋に戻ろうとするも、時既に遅し



コンビニ袋の中身を見たままあなたが固まって立ち尽くしていた





こんなことになるとは思っていなかった数時間前の浮かれた僕を殴りたい



てか、今すぐ穴があったら入りたいし、なんならベランダから飛び降りたいし、もはやこのまま走って逃げ出したい





チャッカマンが入ったコンビニ袋の中には



一応ね、一応、と思いながら憐れにも期待しまくった僕が買った



避妊具が入っていたから









プリ小説オーディオドラマ