早めに帰国する理由を

メンバーに話せないまま

俺と会長とあなたの下の名前を乗せた車は

空港に到着しそうになっていた

メンバーに理由を話せなかった罪悪感と

あなたの下の名前の容態の心配で

俺の心は支配された

俺が浮かない顔をしていたからか

会長は少し心配そうに俺の顔を覗き込んだ

会長は何かを察したように

何にも触れず、もう一度説明してくれた

あなたの下の名前と一緒に帰国したいという

突然の申し出を快く受けてくださるだけでなく

俺が不自然にならないように

わざわざ公道に出てから空港に入り直してくれるという

配慮までしてくださった

しかし、会長への感謝の念に堪えない反面

メンバーに理由を正直に話すことができなかった

罪悪感がいつまで経っても拭えなかった

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