冬馬said
翌日。美乃から昨日の告白の返事は1ヶ月待って欲しいと告げられた。
「絶対返事するから待ってて!クリスマス前には返事する!」
と言われた。
俺は返事してくれるならと思い
「わかった」
と返事をした。
そして1ヶ月後。今日はクリスマスイブだ。
美乃からいつもの公園に来て欲しいと連絡があった。
「冬馬。来てくれてありがとう。」
手袋も無しで真っ白な息を吐かせている美乃。絶対寒いと思って俺は
「ああ。寒くないか?いつものカフェ行こうぜ」
相づちを打ってカフェにいくことを提案したんだ。
そしてカフェについていつも通りのメニューを頼む。
美乃は話を切り出した。
「冬馬。告白の返事するね。」
「ああ。」
俺は時計を見ながら頷く。
あと3分ちょっと
「私ね、この1ヶ月冬馬と過ごして分かった。
冬馬の優しさに再度惚れ直しました。
こんな私でよかったら」
「···」
黙って再度時計を見る。
「幼馴染み以上恋人未満から
格上げしてくれませんか?
よろしくお願いします!」
そう言う美乃に対して俺は時計を見た。
「3···2···1」
すると近くの教会の鐘が鳴り響いた。
俺はボソッと
「winter bells···」
そう言って
「こんな俺だけど、ありがとう!よろしくな!」
そう返事をしてニカッと笑った。
「うん!」
美乃も笑顔で頷いてくれた。
ようやく長年の想いが実りました!
晴れて幼馴染み卒業だな!
これからもよろしくな!
終
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。