天人を倒した後、鏡花が先頭に立ち、銀時の着物の裾を軽く引っ張った。
鏡花は裾を掴んだまま静かに銀時を見上げた。顔は無表情だが、強く真っ直ぐな眼差しを向けられ、銀時が「はぁー……」と溜め息をついた。
女の子を助けに行く為、鏡花が先に走って銀時達を女の子がいる部屋に案内する。
廊下は真っ白で無機質。まるで某ゾンビ映画に出てきそうな廊下だ。
年の近い女の子が来て嬉しかったのか、走りながら神楽が話しかける。
鏡花は正面を見て黙り込むが、顔色を変えずに「人助けをする仕事をやっている」と答えた。
まだ幼い少女だというのに、芯の通った強い子だとすぐに分かり、狡噛達や阿伏兎達は感心していた。
そう答える槙島は楽しそうであり、不思議と何処か嬉しそうでもあった。その様子はまるで、漸く仲間に入れて貰えた無邪気な子供のようにも見えた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。