第4話

チーム2 因縁だらけのチーム?
765
2020/04/03 16:07
創造世界の大迷宮へと送られた面々は、天の声により、状況説明をされ、自分達の置かれた状況、これからどう行動するべきかを理解した。
勿論、こんな馬鹿げた神様の暇潰しに巻き込まれ、大半は文句を言っていた。
また、“PSYCHO-PASS”の世界から来た者達は、この世界で何があろうと、何をしようと、色相が濁ることが無いので心配はいらないという説明もあり、数名はひとまず安心した。
霜月美佳
霜月美佳
色相が濁らないのは良いとして、何なのいきなり!ありえないでしょ!?こんな馬鹿げた非現実的な出来事!しかもよりによって……凶悪犯罪者に死人も一緒だなんて!
最初に言葉を発したのは“チーム2”の霜月美佳課長。彼女はPSYCHO-PASSの世界の住人。
そして、彼女の前には彼女の仕事場である公安局刑事課の監視官や執行官に追われてドミネーターで裁かれたはずの、嘗ての凶悪犯罪者達が立っていた。中には彼女の知らない男性も居る。
槙島聖護
槙島聖護
まさか、再びこんな形で再会するとはね。僕は君に殺されたはずだと言うのに。そうだろう?狡噛慎也
狡噛慎也
狡噛慎也
……はぁ……。驚く暇も無さそうだ。殺した相手が目の前に居るってのは変な気分だな。二度と会うことは無い筈だったってのに
元監視官であり元執行官だった現・外務省の狡噛慎也が片手で頭を抱えながら深い溜息をついた。
そんな彼の隣で腕を組み、立っているのは嘗て狡噛が追っていた凶悪犯罪者、槙島聖護。彼は“免罪体質者”と呼ばれる者で、ドミネーターでは裁けなかった故、狡噛がリボルバーで槙島を射殺し、その後狡噛が逃亡した過去がある。
因みに、殺し、殺された関係なのはこの二人だけでは無い。
遠くを見つめる槙島の前に一人の人物が立つ。
藤間幸三郎
藤間幸三郎
そういえば、僕も最後の最後で君に殺されてしまったね。聖護君。
声を掛けてきた男性を見るや否や、槙島は皮肉めいた笑顔を薄らと浮かべた。
槙島聖護
槙島聖護
……確かに。殺した筈の相手が目の前に居るのは変な気分だね。僕が言えないが……君は幽霊か何かかな?藤間幸三郎
チェ・グソン
チェ・グソン
まぁまぁ。知らない人も居るが……こうして再び見知った連中にも会えたんだから、俺はこの状況中々悪くないと思いますよ?槙島の旦那
もう一人、別の男性の声が聞こえて槙島は一瞬だけ目を見開くが、先程の皮肉めいた笑顔とは違い、柔らかい笑みを見せた。
槙島聖護
槙島聖護
チェ・グソン。久しぶりだね
チェ・グソン
チェ・グソン
えぇ。お久しぶりです
チェ・グソンと呼ばれた男もまた、フッと軽く笑い、槙島の隣に立った。

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