チーム二は銀時と阿伏兎中心に、襲いかかってきた天人を次々と倒していた。
藤間と鹿矛囲、そして霜月は下がり、ある程度格闘術が使え、闘える狡噛や槙島、グソンは何とかその場を切り抜ける。
前線で戦っている阿伏兎や銀時、そして、神楽や新八は派手に敵を倒していた。
砕けた壁のうちの、大きな破片を両手で持ち、神楽が背後にいる敵に向かって投げる。
それを見た狡噛達や鹿矛囲達は目を見開いていた。
槙島が珍しく真顔で吃驚している一方で、グソンは苦笑いしていた。
人間離れした戦い方を目にした霜月は腰を抜かし、立てなくなっていた。
そんな時、反対側の廊下からもエイリアンの様な天人が現れる。
霜月達が歩いている廊下は一方通行。なので挟み撃ちにされてしまう。
阿伏兎達が壁を破壊して隣の廊下へ移動しようとするが、新しく現れた天人達が何故か次々と小さな悲鳴を上げ、倒れて行く。
誰かが天人達を斬り裂いているのだ。
狡噛が霜月を庇うように立ち、警戒する。
倒れた天人達の中をゆっくり歩く一つの小さな人影が見えた。
塵や煙で視界が遮られている中、漸くその人影の正体を確認する事が出来た。
小さな人影の正体が分かり、銀時達や狡噛達は「なっ……!?」と小さく驚きの声を上げた。
静かな声でそう言ったのは、片手に白鞘を手にし、赤い着物を着た小柄で無表情な一人の少女だったのだ。
少女が自身の名前を言い、槙島が「君は……」と口にした瞬間、少女はいつの間にか正面におり、槙島の首元には白鞘の刃。
「ぐぁっ」という声が聞こえ、槙島が振り向くと、背後には天人がおり、首を斬られてバタッと倒れた。
気配なく、静かに近付き、敵を仕留めた少女。その様子に、その場にいた皆が呆然とし、廊下が静かになった。
沈黙を破るように少女が無表情のまま平然と言うと、阿伏兎達は「あ、あぁ……宜しく」と、引きつった笑みを浮かべた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!