第16話

チーム4 剣士
506
2020/04/05 02:14
チーム3がまだ平和そうにしている一方で、チーム4は怪人に追われて逃げていた。
真戸暁
真戸暁
何なんだアレは。喰種では無さそうだが
亜門鋼太朗
亜門鋼太朗
別世界から来た化物か?とにかく、今は安全な場所に逃げるぞ
亜門が真戸の手を取り、共に走る後ろ姿を見て、閻魔大王や征陸は二人の関係性を察したのか「おー」と小さく声を上げた。
征陸智己
征陸智己
妬けるねぇ。俺も昔を思い出すぜ
閻魔大王
閻魔大王
いやぁ、若いっていいねぇ。
見ていて懐かしさを覚えるよ〜。
不死川実弥
不死川実弥
アンタ等随分と呑気じゃねぇか。
んな事言ってる場合かよ。
キング
キング
(何でよりによって怪人が……!無理無理!俺には何も出来ないぞ!?)
追ってきている怪人は、鎧を纏った巨大蜘蛛の頭上から上半身を出して「そら逃げろ逃げろー!」と笑っている。下半身が蜘蛛なのか、それともただ単に下半身が蜘蛛の中に埋もれているだけなのかは分からない。
蜘蛛は六本足で壁を走っており、蜘蛛の糸を口から勢いよく出すが、その糸がついた地面はシュウウウと音を出し、溶けている。
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
あの糸に触れると溶けるのか。
本体は恐らくあの人型だろう。
閻魔大王
閻魔大王
えぇえ!?これ、ワシが一番当たりやすい的にならない!?
征陸智己
征陸智己
ドミネーターがありゃあ、倒せるかもしれねぇんだがな……
皆が走っている中、不死川が足を止めて刀に手を添える。風の呼吸を使おうとして刀を抜こうとした時、巨大蜘蛛の後ろから刀の刃のようなものが、人型の頭を貫いた。
亜門鋼太朗
亜門鋼太朗
何だ……?
次の瞬間巨大蜘蛛は真っ二つに斬れ、灰となって消える。灰が舞う中、一つの影が薄らと見えた。
???
漸く合流出来た。無事か?
声からして男だ。
男はカツン、カツンとこちらに向かって歩いてくる。
末広鉄腸
末広鉄腸
お初目にかかる。俺は末広鉄腸と言う者だ。
行動を共にしたいのだが、構わないか?
灰の中から現れたのは特殊制圧作戦群・甲分隊「猟犬」が一人、末広鉄腸だった。
真戸暁
真戸暁
もしかして、味方、か?
閻魔大王
閻魔大王
そういえば、仲間を探して合流しないといけないんだよね?
不死川実弥
不死川実弥
仲間探したァめんどくせぇが、自分から来てくれるとはな。探す手間が省けた。
鉄腸が合流し、悲鳴嶼が巨大蜘蛛を倒してくれた礼を言う。
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
助けて頂き感謝する。
だが、先程のは一体どうやったのだ……?
刀の刃が伸びたように見えたのだが。
末広鉄腸
末広鉄腸
ああ。それは俺の異能力『雪中梅』だ
征陸智己
征陸智己
異能力だぁ?
征陸が片眉を上げ、鉄腸を見る。
鉄腸は平然とした顔で異能力について説明し、その場にいた亜門達は「そんな事が出来るのか」と目を見開いた。
キング
キング
(た、助かった……)
キングが安心して胸を撫で下ろすと、不死川が「おい、新手だ!」と声を上げる。 
次にやって来たのは、“異能”を使う“鬼”だった。
鬼を見た不死川と悲鳴嶼の目付きは怪人を目にした時とはまた違い、更に鋭くなっていた。
不死川実弥
不死川実弥
アンタ等は下がってろ。
あの鬼共は俺達の敵だ。
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
次は、我々が倒そう

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