第13話

チーム2 犬猿の仲
527
2020/04/04 06:48
チーム2の面々が廊下を走っていると、銀時が横の廊下から来た誰かにぶつかる。
坂田銀時
坂田銀時
ってて……なんだァ?
???
ってぇーなぁ。誰だァ?
尻餅をつきながらも顔を上げて誰がぶつかって来たのかを確認する。しかし、銀時とその男は互いの顔を見た事に後悔した。
坂田銀時
坂田銀時
げっ……!?お、おめーは……!
土方十四郎
土方十四郎
ああー!!万事屋!
神楽
神楽
ぬあっ!?何でお前も居るアルか!?
沖田総悟
沖田総悟
そりゃあこっちの台詞だチャイナ娘
志村新八
志村新八
真選組の皆さん!
近藤勲
近藤勲
おおー。まさかこんな所で会うとはな
真選組局長の近藤勲が豪快に笑うが、銀時や土方、神楽や沖田は眉間にシワを寄せて火花を散らしていた。
そんな彼等を鏡花と狡噛達はただ黙って見ている。
藤間幸三郎
藤間幸三郎
にしても、彼等の知り合いとはよく遭遇するね
槙島聖護
槙島聖護
アイマスクを着けたあの少年……何だか声が君と少し似ている
藤間幸三郎
藤間幸三郎
そうかな?
槙島と藤間がそんな会話をしている隣で、霜月が細目で土方を凝視しながら口を開いた。
霜月美佳
霜月美佳
あの黒髪の男性、何処と無く見た目とか雰囲気が貴方に似てるわね
狡噛慎也
狡噛慎也
あー……自分で言うのもなんだが、俺も思った
ただ見ている狡噛達の目の前では、万事屋と真選組の三人が今にも喧嘩を始めそうな勢いで辛辣な言葉を連発している。
土方十四郎
土方十四郎
つか、てめぇ!廊下は走んなって教わんなかったか!?あやうく頭打つとこだったじゃねぇか!前見て歩けってんだ銀パ!
坂田銀時
坂田銀時
お前が言えねーだろ!おめーらも走ってただろ!お巡りさんがそんな事言っていいわけ!?そっちこそ前見て歩けよ!これで怪我でもしたら慰謝料請求すっからな!?
志村新八
志村新八
ちょっ……ぎ、銀さん……!
神楽
神楽
お前来るならこっちじゃなくて別ルート行けヨ!私等は今忙しいアル!お前等に構ってる暇はないネ!このままUターンして命尽きるまで一生迷ってるヨロシ!くそサディストお巡りがっ!
沖田総悟
沖田総悟
あぁ?こっちだって会いたくて来たわけじゃねぇよ馬鹿チャイナ。そこに居るアホな副長がこっちだっつーから着いてきたらこのザマだ。本当どうしてくれんだよ土方死ね
土方十四郎
土方十四郎
おいいいい!?総悟!?
お前どっちの味方なの!?
なんとも言えない中身のない口喧嘩に霜月達は呆れつつも、それが可笑しくて思わず笑ってしまう。
けれど、こんな事をしている暇はないと鏡花が間に入り、銀時達の顔を一人ずつ見た。
泉鏡花
泉鏡花
貴方達が仲が良いのは分かった。
でも、早く女の子を助けに行かないと。
坂田銀時
坂田銀時
鏡花ちゃんんん?俺達の何処をどう見たら仲が良いって思うのおおお?
土方十四郎
土方十四郎
そうだ!誰がこんな奴と……!つか、誰だよ此奴ら!
沖田総悟
沖田総悟
さっき神様とか言うーやつが“別世界の住人もいる”って言ってたろ。話聞けよ土方。
無表情で冷たく当たってくる沖田に対し、「そりゃあ悪ぃな。聞いてなくて。取り敢えず一発殴らせろ」と土方が拳を作る。
けれど、そんな事をしている間に霜月達の後ろから新手の天人達が武装して走って来た。
鹿矛囲桐斗
鹿矛囲桐斗
どうやら立ち止まっている暇はないみたいだ
阿伏兎
阿伏兎
このままじゃあ追いつかれちまうぜ。早く走るぞ
鹿矛囲と阿伏兎に言われ、土方は「ちっ。天人か」と舌打ちし、銀時達と一緒に走り出した。だがしかし、走っていても彼等の口喧嘩が止むことは無い。
神楽
神楽
何でついてくんだヨ!他いけませんぐみ!
沖田総悟
沖田総悟
“しんせんぐみ”だ。馬鹿。
てめぇ等が他のルート行けやぁいいだろ。
つか、そうじゃねぇ。嫌でも旦那達と共に行動しないといけねぇんだ。ちったァ我慢しろ。バズーカでぶちのめして塵にすんぞ。そしたらてめぇと一緒に行動する必要がなくならァ
志村新八
志村新八
一番我慢するのはあんだあああああ!!
今どっからバズーカ出したよ!
どこからともなくバズーカを出し、沖田がそれを神楽に向ける。
神楽も黙っている事は出来ないわけで、沖田を躓かせようと足を引っ掛け始めた。
神楽
神楽
オラァ!てめぇは転んどけぇぇぇぇ!
沖田総悟
沖田総悟
てめっ!何すんだこの短足チャイナ
近藤勲
近藤勲
おい!やめないかお前達!
ここで前を走る誰かが止まれば、後ろで走ってる彼等とぶつかってしまうだろ!
近藤が止めに入り、沖田達は黙る。
しかし次の瞬間、銀時と神楽の目が怪しく光った。そして────────
坂田銀時
坂田銀時
だったら……
神楽
神楽
てめぇがあいつらを……
坂田銀時
坂田銀時
巻き添えにして止めてこい!
神楽
神楽
逝ってこいやゴリラがあああ!
近藤勲
近藤勲
ぐおぉあっ……!?
銀時と神楽が同時に近藤の顔面を足蹴にし、その勢いで近藤が宙に浮かび上がり、天人達のいる方へと投げ出される。
近藤の言っていた通り、銀時達の作戦通り、天人達は巻き添えをくらってドミノ倒しのように次々と倒れて行った。
志村新八
志村新八
何してんだあんたらあぁぁぁぁあ!?
土方十四郎
土方十四郎
てめぇらうちの局長に何してくれてんじゃああああ!?巫山戯んなよ!?
坂田銀時
坂田銀時
まぁいいじゃねぇか。ああやって人の為に貢献出来たんだからよ。体張って止めてくれるたァな。良い局長じゃねぇか
神楽
神楽
そうそう。流石ヨ。お巡りさんなだけあって大したゴリラネあいつは。あのゴリラの死は無駄にしないネ
土方十四郎
土方十四郎
何言ってんの!?てめぇらが蹴飛ばしたんだろうが!!つか、お巡りさんなのかゴリラなのかどっちだよ!大体、近藤さんはこんな事で死んだりしねぇ!多分!
銀時と神楽の潔い裏切り行為を目の当たりにした狡噛達は唖然とし、色々とツッコミたかったが、言いたいのを堪えて何も言わないことにした。

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