あなたは俺の…
初恋の相手だ
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俺が小さい頃オールマイトに憧れ
個性が出始めた頃から
ヒーローになると決めた俺は個性を上手く操れるように内緒で毎朝特訓を始めた
バチバチバチ
BOOM!!BOOM!!
こん時だ
初めて個性暴走して手の中で抑えきれなくなったのは
助けを求めようにも周りには誰もいなかった
俺は爆風に飛ばされ
木に頭をぶつける寸前
あいつが来た
ガッチリ閉めていた目を開けると
見知らぬ女の子がすげぇ心配そうな顔で
俺に手のひらを向けていた
多分あいつの個性で俺は怪我をしなくて済んだ
ポツン、
ポツン ポツン
急に雨が降ってきた
そのおかげで
爆風で飛び散った火は消えたが
あなたは倒れた
何度も呼びかけるが応答がねぇから
俺は自分の家におぶさって運んだ
それから1ヶ月ぐらいは毎朝特訓してんのに
あなたは突然姿を消した
俺は毎朝同じ場所で待っていたがそれから現れることは無くなり
そのうち忘れていった
だから俺はあなたが転校して来て驚いた
なんで突然いなくなったのか
今までどうしてたのか
なんで個性を隠しているのか
聞きてぇ事が山ほどあったから俺はあなたの部屋に行った
『ガチャ』
1番に頭に浮かんだのが記憶が無くなってるんじゃないかって事だった
あなたはしばらく下を向いて考えていたが
予想はだいたい合ってると確信した
やっぱ記憶が無くなってる
俺の事を忘れているのも個性を言わねぇのも関係があんのか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!