昔ね、まだ個性というが日常的になっていない時
ある女の子がいる場所だけで晴れになるという噂が流れ始めてね
僕は色んな情報を元にその女の子に〝雨の日に〟会いに行ったんだよ
そしたら目を疑うような事があってね
その子の周り半径10mぐらいだったかな
雨が全く降ってなかったんだ
さっきも言ったようにこの時はまだ個性というのが日常的になっていなかったからその子はヒーローなんて目指さないままこの世をを去った
僕も天気を変える個性なんて聞いた事なかったから単なる偶然だろうと思っていた
でもね1度だけ見かけた事のある本にこう書いてある事を思い出したんだ
「天気を変えるものは世界をも変える」
僕はなんとかその本を探しだしそこに書いてある事とその女の子を重ね合わせ、分かったことが2つあった
1つ目は天気を変えることはかなりの消耗がある
そして2つ目は個性の発動時は必ず無意識的
僕は個性というのが当たり前になり
いずれヒーローという理想の仕事が現実になる日まで
ずっとこの女の子の一族を見ていたんだ
さぁ、ここまで話したら分かるかな
〝君はその女の子の子孫って事なんだよ〟
天三野あなた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。