海斗くんへ
最初に、謝らせて。
海斗くんに嘘をついてしまってごめんなさい。
もう長くないってわかった時、真っ先に海斗くんの顔が浮かんだんだ。
悲しい…いや、こういう時は 哀しい かな。
哀しくて、辛かった。
もっと一緒にいたかったし、もっと一緒にいろんなところに行きたかった。
海斗くんといろんな景色を見たかった。
初めて会ったあの日から、どんどん君のことを好きになった。
悩んだの。
海斗くんが支えてくれたら、幸せだったかもしれない。 でもそれ以上にあなたのことが大切だったの。
この手紙を読んでるってことは
私のせいで悩んだり迷ったりしてるってことだよね。 本当にごめんね。
今から書くのは私の本心だよ。
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…そこで1枚目は終わっていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。