海斗
なんで振った相手に手紙なんて書くの?…10年前のことだよ。
太一は、太一らしくない小さい声で言った。
太一
…お前は勘違いしてる。
太一
…昴はお前のことが大好きだった!!
海斗
…どういう、こと?
太一
昴は病気だったんだよ。
“昴は病気だった”
海斗
…え?
頭の中をその言葉が回る。
何度も何度もこだまする。
太一
生まれつき心臓が悪くて、それでも頑張ってたんだよ。
太一
だけど、高校生の時…ちょうど海斗と付き合ってしばらく経ったくらいに…
太一
発作が起きて入院した。 そしたら医者からもう長くないって…!
海斗
…どうして
海斗
…どうして、昴は教えてくれなかったんだ? 手紙があるってことは昴は生きてるんだよな!?
太一は俯いたまま何も言わない。
…嘘だ、嘘だと言ってくれ
太一
…昴は高校三年生の時に死んだ。
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第8話 太一と昴
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