side|あなたの名字
樹「 あなた〜 、今日のご飯いらねえから 」
『 あ 、うん!わかった 』
樹「 じゃ 、行ってくる 」
『 行ってらっしゃい 』
私の彼氏 、田中樹くん
ここ2週間ぐらい、夜ご飯一緒に食べてない
1日もだよ?
結構やばいよね 苦笑
「 よーし 、私も仕事行きますか 」
そう呟いて 、家を出る
ちょうど 、駅の改札を抜けて電車を待っている時だった
「 恋歌ちゃんは可愛いよなほんと!
世界一の美女って言ってもいいんじゃね?笑 」
女「 そんなことないから!笑
も!樹くんったら~♡♡ 」
え 、?
今たしかに 、樹くんって言葉が聞こえた
え 、あの樹くん 、?
そう思い振り返ると …
樹「 ふは 笑 大好きだよ恋歌 」
女「 私もだよ樹くん 」
知らない女と、いちゃいちゃしてる樹くんがいた 。
え 、?
私の彼氏じゃなかったの 、?
なんで … ??
私はずっと好きだったんだよ?
色々なことが 、頭をよぎる
ねぇ 、樹くんはもう私になんか興味ないの?
だったら 、あなたの前から消えてもいいんだよね 。
忘れて貰えばいいんだよね 。
私は仕事が終わってからすぐに帰宅し 、あることをした
『 樹くん 、、さようなら 泣 』
ぽろぽろ涙をこぼしながら 。
最後の夜ご飯ぐらい 、一緒に食べたかった
あることとは 、夜ご飯を作ること 。
最後に 、手紙を書いた 。
樹くんへ
最後の夜ご飯です 。
味わって食べてください 。
もう 、私はあなたの前から消えます 。
あなたの頭の片隅からも消えます 。
もう会いません 。
さようなら 。
樹くんのことが大好きなあなたより
『 美味しく食べてね 。』
そう呟いて 、家を出た 。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。