第5話

志麻センの嫉妬⑤
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2019/12/03 07:24
志麻side



俺が悪かった。
俺がちゃんと怒らず普通に聞けばいいだけだった。
俺が早とちりで疑うことしかできない最低な人間だってことが露見した。
こんなんセンラに見られたくない…。
俺は…俺は…!!
結局俺の勘違いだったことがわかり、放心状態でしばらく俯いていた。

机にはポタポタと何かが零れた。
志麻
センラ
え、ちょ、志麻くん?!どないしたん?!
志麻くん悪ないで?
俺が勘違いさせたんがわるかってん!!
やから泣かんといてやぁ…
志麻くーん?聞こえてるー?おーい
無意識に涙が出てきていた。
センラが必死に慰めてくれてるのに、
どんだけ自分に泣くな泣くなと言い聞かせても涙が止まる気配はない。
どころか酷くなっているような…
志麻
…うっ…ぐすっ…せん、らぁ、…ごめっ…ひっく…ごめんなせんらぁ…ぐすっ…俺が、悪かった、から、どこも…ズッ…行かんとってよ…!!!!
センラ
…!!
え、なんで志麻くん離れられると思ったん?むしろ俺が嫌われる方やない?
志麻
ふぇ?なんでなん?
俺がなんの確信もなしに疑ったのが
どう見ても悪いやろ…?
センラ
ふーむ…。
わからへん。志麻くんは悪ないで?
でも俺の昼休憩にぜんっぜん返信してくれへんかったんは収録に嫉妬してまうわ。
志麻
そ、それは…
センラ
でもだからといって収録の邪魔はできんからしゃーないけど…もうちょっと労わってくれてもええのにー!ぶーぶー!
少し泣き止んだ俺に、なんとか和ませようと昼休憩のことを話すセンラ。
でもこれが逆効果だってことをこいつは知らない。
志麻
なぁセンラ、俺実はお前に嘘ついてることあんねん。
センラ
え、なに?
不思議そうに驚くセンラ。
まるで心当たりがないと言った顔だ。

数回深呼吸して気持ちを落ち着けてから
告白をする。







俺、実は____
志麻
収録が長引いたの嘘やねん。
そもそも収録は今日ないし…
幻滅した?こんなくだらん嘘つかんとあかんくらい俺はお前の行動に嫉妬してた。
重い?嫌いになった…?
数秒の沈黙の後センラが口にしたのは____

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