同期のうち、店に顔を出せたのはあなた含めて8人だった。
皆そこそこ忙しいらしい。
同じ会社に勤めていても、部署が違えば殆ど顔を合わせない。
久しぶりの気が置けない同期での飲み会は楽しくて、あっという間に10時過ぎになっていた。
そろそろお開きにするか、と少し早いけど解散。
同じ駅に向かう3人と歩き出す。
昼間は暑いこの時期も、日が暮れれば多少マシになる。
それが言えたら苦労はしない。
駅までの近道。
いつも通っている、人通りの少ない路地を通る。
一本向こうの大通りは賑わっているが、ここはいつも殆ど人がいない。
その路地の角に、今日は人影。
どこかで見たことのある、懐かしい、人影。
少し猫背で、気怠げで。
________う、そ…………
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。