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第9話

7話
ゆきむらくんと2人で並んで歩いていると空気が重くて,
なかなか話題を見つけられない。


…ゆきむらくんのことは嫌いじゃないし、むしろ好きなのに。

彼は時々,ふっと自分の世界に入りこんで

まるで何も見えていないかのような昏い瞳をする。


それはまるで夜のように暗く,深く吸い込まれそうで。

なにより,とても綺麗なのだ。



まだ出会って数日だというのに彼はなぜか

ずっと傍にいるような感覚になる。

不思議な魅力を持つ彼を時には怖く感じることもあるけれど
あの瞳を見るとそんな思いは綺麗さっぱり消え去ってしまう。
隣を歩く彼の顔をそっと見上げると


恐ろしく美しい,昏い瞳をしていて。


そんな時のゆきむらくんは何だかとても__
あなた

綺麗…

ゆきむら。
ん,どうしたの?
ゆきむらくんと唐突に目があい,思わず視線を泳がせながら俯く。
あなた

え,やだ…。
また口に出てた??

ゆきむら。
うん。なにが綺麗なの??
あなた

ゆきむらくん,すっごく儚げで綺麗だなーって…

考えていたことを口に出すと,彼は驚いたように固まった。
男の子に『綺麗』だなんて失礼だったかも,と

固まってしまったゆきむらくんに慌てて声をかけた。
あなた

ご,ごめん。男の子なのに『綺麗』って失礼だよね…

ゆきむら。
…ううん。嬉しいよ,でも
ゆきむら。
綺麗なのはあなたさんだよ??
そう言って優しく微笑んでくれた。
あなた

…~ツ!!
そういうとこずるい。

あなた

私は綺麗じゃないよッ
全くモテないし…。

ゆきむら。
嘘だ,あなたさんこんなに可愛いのに??
あなた

…ゆきむらくんモテるでしょ?

ゆきむら。
そんなことないよ?
あなた

だってこんなに優しくて綺麗でかっこいいのに。
女の子だったら好きになっちゃうでしょ,

ゆきむら。
褒めすぎだよ,
ゆきむら。
女の子は好きになるってことは,
…あなたさんも好きになってくれた?
あなた

なにそれ。私は好きだよッ

ゆきむら。
ほんとに!?
よかった,そっか…
うん。ありがとうッ
なんてあまりにも嬉しそうに言ってくれるものだから
意味もないのに思わず照れてしまう。
あなた

…っていっても言われなれてるだろうけど。

ゆきむら。
言われたことはなくはない,けど
ゆきむら。
…僕好きな子から言われたんじゃなかったら
嬉しくないし喜べないよ,
なんて,

少し拗ねたようにまっすぐ顔を合わせてくる。
……これじゃあまるで。

好きだって言ってくれてるみたいじゃないか。



きっとゆきむらくんの「好き」は友達に言うものだから,

だからダメだ。


期待しても,また同じことになるだけなのだから__。
なんだか気まずくなって,逃げるように帰ってしまった。



ゆきむらくんの気持ちに,いまだ気づかないままに。