影山said
菅原「影山~戻っておいで~!」
菅原さんの声が聞こえた。
ドアが開いて、やっぱり菅原さんだった。
菅原「あれ?影山一人?」
何を言ってるんだ?一人?青木さんが居る。
青木さんのほうを向くと、誰も居なかった。
さっきまで青木さんが座っていた場所に、青木さんは居なかった。
辺りを見回したが、何処にも青木さんの姿はなかった。
影山「......なんで?」
菅原「どうした?一人なのか?」
影山「あー、ウッス今日は一人でした、すぐ行くんで先行ってて下さい。」
青木さんのことを言うものどうかと思ったので、菅原さんに先行ってて貰った。
菅原さんが出ていった後、勉強道具を片付けていたら、ガタンと物音がした。
恐る恐る振り返ってみると、青木さんが隠れるようにしていた。
影山「.....何やってんスカ?」
青木「ほっ本を、探しててっ、」
いつもとは違うような気がした。
慌ててるような感じで。
影山「そっすか、じゃあ、俺呼ばれたんで、行きますね。」
青木「う、うん!復習忘れたらダメだよ.....」
影山「ういっす。」
少し様子がおかしいような気がしたけど、俺は図書室を後にした。
菅原「影山!遅いぞ!」
影山「すんません!」
急いで整列して、下校した。
そういや、青木さんの家ってどこら辺なのかな。
テクテクと歩いていると、小さな公園で、誰かの話し声が聞こえた。
少し声が大きかったので、気になって見てみた。
暗くて見えずれぇ、
あれって、
見覚えがある。今日だって見た。
なんで、
青木さん
と、
薄暗い電気の下で、目を細めて見てみる。
菅原さん?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!