グイッ
圭介がチラ、とこっちを見てくる
……大丈夫だよ、圭介
もう慣れてるからさ
それでも涙は出ちゃって
声必死に抑えて
足震えて
何が慣れてるだ
何が大丈夫だ
全部全部
嘘じゃんか
パシッ
場地さんが私の手を掴み、千冬達に泣いてるのがバレないように前に出てくれている
そう言われて場地さんに姫抱きされる
……え?姫抱き?
恥ずかしいし、何よりこれじゃあ泣いてるのがバレてしまう
……と、思ったが圭介が私の髪で上手く見えないようにしているらしく
2人に泣いているのがバレていない
ニカッと笑う圭介
そして私を姫抱きしたまま学校に走りだした
圭介が足を止めて私と向かい合わせになるように下ろす
右頬を手で触れて来る
くすぐったい
私と圭介の目が合った
綺麗な茶色い目が私をじっと見つめる
やばい
圭介
ストップ
…こ、このままじゃ
…キス、しちゃう
……圭介って、少し意地悪なのかもしれない
ありがとうございます……!
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。