第140話

139.居なくならないで
2,321
2021/10/21 06:00
灰谷 竜胆
…あなたの泣き顔、久しぶりに見た
どんな時でもあなたは泣かなかった


今思えば心配をかけさせないために泣かなかったのかもしれない
灰谷 蘭
俺も〜、1、2年ぐらい前に俺の怪我心配して泣いてたよなぁ……
灰谷 竜胆
本当、2人とも骨折とか勘弁して欲しかった
灰谷 蘭
今思えばあなたって結構強かったのな
灰谷 竜胆
…まぁ、兄ちゃん怪我させるぐらいだし
今は俺らより弱いけど
灰谷 蘭
……あの心配してくれる顔も、暫く見れねぇのか
灰谷 竜胆
暫くって言っても数年だし大丈夫でしょ
灰谷 蘭
まぁな〜…あー、早く会って抱き締めてぇ…慰めてぇ……
灰谷 竜胆
…兄ちゃん、重症だね
俺もだけどな






























灰谷 蘭
……竜胆、あれあなたじゃない?
灰谷 竜胆
え?…迎えに来てくれたんだ
ネンショーの前をウロウロしているあなた
数年前よりももっと可愛くなってる
灰谷 蘭
約束覚えてっかな〜
…兄ちゃんって、呼んでくれるのか
白羽 あなた
…ら、らん…兄ちゃん……りんどー……兄ちゃん…おか、え…り……
灰谷 蘭
……は?
顔を赤くさせて“らん兄ちゃん”と“りんどー兄ちゃん”と呼んでくるあなた
…兄ちゃん、呆然としてるなぁ……
灰谷 竜胆
…あなた、ただいま
白羽 あなた
…遅い、ずっと待ってた
灰谷 蘭
…ん、ごめん
白羽 あなた
…もう、居なくならないで
ギュゥッと俺と兄ちゃんに抱き着いてきた
灰谷 竜胆
……いなくならねーよ
灰谷 蘭
俺らはずーっとあなたと一緒に居るからな
そうやって3人で抱き合って家に帰った































NEXT.

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