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2021/08/29

第10話

We Must Love
ラウン
ラウン
こっち!
ラウンに言われるがまま、真っ白な部屋を出る。

廊下も真っ白、廊下の先の白いドアを開けると、その先にあるホールも真っ白。

どこもかしこも、真っ白なお屋敷。



俺たちは、21時にWM地区の大型倉庫に集まった。

そこで待っていると、ちょうど21時になった瞬間、閃光に包まれ、あまりの眩しさに目を閉じた。

次に目を開けると、あの部屋の中にいて、暴走するUとラウンがいたのだ。


ほこりなんてこれっぽっちも無いその空間に、俺たちの警戒心は未だ解けない。

ラウン
ラウン
ここです!
ラウンが、ホールの正面ではなく、別の部屋に繋がっているであろうドアを指さす。

ラウン
ラウン
この部屋の鏡から、好きな場所に行けます。
行きましょう!
目を輝かせ、まるで自分の宝物を無邪気に教えてくれる子供のよう。

J-US
J-US
わかった!行こう!
MK
MK
入りまーす。
E-TION
E-TION
お邪魔しまーす。
U
U
ごめんくださーい。

ヒョジニヒョンから一言。

ヒョジン
ヒョジン
チャンユン…U…お前ら、ミンギュンに似てきてね…?



部屋に入ると、その部屋は物置のように狭く、ここだけ造りが木だ。

そこの奥に、2mほどの鏡であろう物に、白い布がかけられている。
ラウン
ラウン
これです!
WYATT
WYATT
よし!じゃあこれで行こう!


その時であった。


??
だぁれ?


聞き覚えのある声だった。



ラウン
ラウン
そんな…。


振り向くと、そこにいたのは、シワ一つ無いような、上下真っ白な服を着た

ラウンだった。



ラウン
ラウン
僕…
真っ白な服を着たラウンが、一歩アンドロイドのラウンに近付くと、俺たちの知るラウンのその身体から光が溢れる。

まるでその光を吸収するように、アンドロイドのラウンから、真っ白な服のラウンへ、光が移動する。


ラウンの腕から順に、徐々に光の粒となって、消えていく。











アンドロイドのラウンの頬を
涙が伝う。




その瞬間、時間が止まる。






俺たちの知るラウンも、俺たちも、止まる。






唯一、この状況で動ける人間が、こちらに歩み寄ってくる。




ラウン
ラウン
あなたは確か、心臓を持っていた方ですね。
お久しぶりです。
スンジュンに、話しかけているようだ。
ラウン
ラウン
あなたは、生きていたんですね。良かった。
今度は、ヒョジニヒョンに話しかける。


俺らは動けないので、返事をすることもできない。

ラウン
ラウン
みなさん、こんにちは。
僕は、ミンソクと言います。
ラウンではないのか。

ラウン
ラウン
窓の外をご覧になさいましたか?
ここは地球でない場所なのですが。

見た。
青い空間に、魚が泳いでいた。

ここが、地球じゃないのはわかるが、じゃあここは何処なのか…。

ラウン
ラウン
お答えします。ここは
ラウン
ラウン
僕が作った世界です。



なんだ?
架空空間か?


ラウン
ラウン
正確に言うと、ここは宇宙のどこでも無い。
僕は、自由を司る神なのです。
ラウン
ラウン
僕は、全てのものに、平等に自由を与えるのが仕事です。アンドロイドから、自由を求められたため、彼らに許可を与えました。
ラウン
ラウン
ですが…申し訳ございません。まさか、自由のために、人間に乱暴をしているとは思っていませんでした。心臓を抜かれて絶命しているあなたを見て、ただ事ではないことは、すぐにわかりました。

心臓を抜かれた…?

ヒョジニヒョンに言っているのか…?


ラウン
ラウン
ですので、僕は自分のアンドロイドを作り、この子に偵察をさせていたのです。この子は、僕に見られていることを知らずに、特殊能力を持つ君たちを、知らず知らずのうちに、ここに集めた。自分の分身ではありますが、なかなかに優秀ですね。

特殊能力…。

俺たちに、そんな力が…?

それは、俺もなのか?

ラウン
ラウン
残念ではありますが、あなた達をここに集めるのが仕事なので、ラウンは…僕が時をまた動かせば、もう消えます。任務を全うした、ということです。



やはり、ラウンは…



このまま…。





ラウン
ラウン
でも、安心してください。僕は、時間を移動することも自由に出来るので、あなた達に日常が戻ることを、確認致します。必ず良くなるよう、力を尽くします。
ラウン
ラウン
そして、皆さんがラウンのためにしてくれたこと、全て。その記憶は、僕が責任を持って引き継ぎます。僕の中で、ラウンは生き続けます。






時が、動き出す。


ラウンの両腕は完全に消えていて、そこから広がるように、上半身、頭と下半身も、全て光の粒になって、全てミンソクの中に入っていく。





完全に、ラウンは消えてしまった。



U
U
ラウン…。




全員が口を閉ざした。


一瞬、時空が歪むような感覚がした。


ミンソクが時を止めたのかもしれない。

倦怠感に重くなった体を、膝に手をついて支える。

その場の全員が、よろめいた。
ヒョジン
ヒョジン
うっ…。
J-US
J-US
っつ…。
E-TION
E-TION
いっつ、頭が…。

耳鳴りがしている。

立っているのがやっとだ。



前を見ると、

ミンソクが、目を大きく見開いて、驚愕の表情を浮かべている。


MK
MK
っ…どうしたの…?
ラウン
ラウン
…。

黙ったままだ。

E-TION
E-TION
…どうした?
ラウン
ラウン
まさか、あなた達の、能力って…。

どうしたんだ。

WYATT
WYATT
能力?
ラウン
ラウン
あなたは、炎を纏う稲光。
スンジュンを見て言う。

J-US
J-US
そうなの?
ヒョジン
ヒョジン
…炎か。心当たり、ある。
J-US
J-US
知ってんの??
ラウン
ラウン
あなたは、瞬間移動。
E-TION
E-TION
たしかに、ヒョジンの瞬間移動、見たな。
次々に当てていく。
ラウン
ラウン
あなたは、情報収集能力。
相手の身体と精神の状態がわかるはず。
MK
MK
あ!たしかに、最近みんなの元気度合いがわかる気がする…。
WYATT
WYATT
何だそれ…今の俺はどう?
MK
MK
うーん、緊張?でもみんな緊張状態だよ?
ラウン
ラウン
あなたは、集中力の向上と、透明化。
J-US
J-US
まじか!すげぇ!
E-TION
E-TION
俺、透明になれんの!?
ラウン
ラウン
厳密に言うと、ステルス能力でしょうか。周りの目に触れずに行動ができるので、ほぼ透明化能力として分類できるのかもしれません。
ヒョジン
ヒョジン
はぁ〜、どれも凄いなぁ。
ラウン
ラウン
あなたは…バーサク。危険が迫ると、自身の最大限の力が発揮される。
U
U
暴走ってことだよね…。
WYATT
WYATT
一番強いなぁ。
J-US
J-US
マンネだけどねぇ。
ヒョジン
ヒョジン
WYATTは見てないな。
確かに、自分でも心当たりがない、


ラウン
ラウン
あなたは、ナビゲートと、テレパシーです。一瞬でも視界に映った物や景色を、瞬時に覚える能力もあります。
WYATT
WYATT
俺にそんな能力が…?
MK
MK
すごぉい!見てみたい〜。
U
U
…で。なぜ急に、僕たちの能力がわかったの?

確かに、そこは疑問だ。


ラウン
ラウン
…僕、君たちと、大昔に会った。
ヒョジン
ヒョジン
え?
J-US
J-US
ごめん、覚えが無いんだけど…。
どういうことだろう。

ラウン
ラウン
厳密に言うと、君たちの祖先に会った、かな。僕、その時のことを思い出すと、悲しくなってしまうから、魔法で記憶を消したけど…。
ラウン
ラウン
君たちが無事でいれるか、さっき、君たちの未来を見に行ったんだ。それで、君たちの過去が凄く大昔にあることに気付いて、覗いちゃったんだ。
ミンソクは、涙を流して言った。
ラウン
ラウン
懐かしかった。僕は、みんなと学校に通ってた。普通の男の子だった。けどある日、選ばれた。僕は家族と、みんなと、離れなきゃいけなくなった。
ラウン
ラウン
思い出したよ。みんなが僕を探してくれたこと。僕が黙って、みんなの前から消えたこと。

ミンソクが、更に体を震わせる。


ラウン
ラウン
僕、自分が作ったこの世界で、ずっと一人で、自由を創造してきた。みんなと離れ離れになってから、何百年、何千年…。
ラウン
ラウン
楽しいのか、悲しいのか、苦しいのかもわからずに…。

ラウンが泣き出してから、時空がおかしい。


辺りに、黒いモヤが出現する。

J-US
J-US
ミンソク。大丈夫か?
みんなで駆け寄るが、ラウンは今にも崩れそうだ。

ラウン
ラウン
僕は…。
その瞬間、床が無くなって、真っ黒な闇が、下に広がる。


U
U
何!?
MK
MK
ひっ!!
E-TION
E-TION
落ちるぅ…!!
真っ暗な闇に、6人で落ちていく。


上を見上げると、ミンソクはその場におり、透明な床に立っているようだった。

下から見上げると、ミンソクの頬を伝った涙が、俺の頬に落ちてきた。


その涙があたたかく、まるでミンソクの心の暖かさをうつしたようで。

目の前の悲しみの表情を浮かべる青年を見て、胸が張り裂けそうだった。

WYATT
WYATT
ミンソギ!!!

手を伸ばしたが、届くはずもなく。


ただ、彼を見つめた。








ここが、何処かわからない。


頭の中に、一つの場面が浮かぶ。



ヒョジン
ミンソク!!!

前を走る、ヒョジニヒョン、チャンユニヒョン、スンジュナ、ミンギュニ、ユウト。

みんな、同じ青い制服のような物を着ている。
ここは学校なのだろうか。



廊下の角を曲がると、真っ白なローブに身を包んだ、ミンソクがいた。

彼は、振り向くと同時に、腕に着けた機械の画面をタップした。



振り向いたミンソクが、ハッとした表情になった。
手を伸ばしたが、ヒョジニヒョンとミンソクの指が触れる寸前で、ミンソクは消えた。









何故か自分は、それを、そのシーンを、知っている気がした。

何故、忘れていたのかもわからないけど。



あの時、いつも通り、登校して。

いつも通り、1日が始まるのだと思っていた。


ホームルームが始まる時間になっても、ミンソクは来ない。

先生が入ってきて、一言。


「ミンソクは、選ばれました。明日からは、このクラスは6人です。」







また、場面が戻る。


また、走る。

ヒョジニヒョンが、手を伸ばす。

届かない。

ミンソクが、消える。

ヒョジニヒョンが、膝をつく。




また、場面が戻る。

また、走る。

また、ミンソクに手を伸ばす。

また、届かない。




何度も繰り返す。



未来は、変わらないのか。






真っ暗闇に呑まれる。

ふと、一瞬、本当に、0.001秒くらい。



ミンソクの記憶なのか。

パッパッと、切り替わるように、ビジョンが見える。

俺たちが、笑いながら、廊下を走る。


夕暮れの公園で、みんなで遊んだ。


授業中、先生の目を盗んで、手紙を回した。


ミンソクのお姉さんが、選ばれて、天女になった。


その時、ミンソク以上に、MKが泣いた。


ヒョジニヒョンと、スンジュンが大喧嘩をした。

数日後、所々絆創膏を貼った二人が、仲直りをしていたこと。


Uの大好物のパンを、チャンユニヒョンが食べてしまい、「チャンドル」とあだ名がついたこと。


ミンソクが体調不良になった時、俺が担ぎ上げて、保健室まで送ったこと。

WYATT
WYATT
大丈夫か?
ラウン
ラウン
はぁ…はぁ…。
WYATT
WYATT
熱いか?待ってろ、もうすぐで着くから。


覚えている。

背中で感じるミンソクの体温が、とても熱かった。
ラウン
ラウン
ヒョン…ありがとう…。





全て、ミンソクの記憶だ。


ビジョンが終わる。


しかし、やはり同じように、0.001秒ほどの間隔で点滅するように、空間が見える。



この空間に、みんながいる。

みんな、起きてはいるが、一瞬すぎるビジョンが見れていないらしく、ただそこにいる状態だ。

点滅が終わり、もう、ただ真っ暗闇な空間に、6人がバラバラに存在している。



俺たちは、ここで一生、こうしているしかないのか…。



声を出すが、自分でも聞こえない。

息を吐いても、声が出ない。



俺は、ミンソクの言葉を思い出す。


WYATT
WYATT
俺の能力は、テレパシー…。


届くかわからないが、頭の中でみんなに、一人一人に声をかける。

WYATT
WYATT
ヒョジニヒョン。俺を信じて。そのまま前に進んで。そこで、手を前に伸ばして。



手を前にして待っていると、程なくして、手が触れる。



ヒョンだ。


こうして、俺は全員の場所が頭にインプットされているため、続いてみんなを集める。


WYATT
WYATT
チャンユニヒョン、右に45°ほど動いて。そしたら、前に進んで俺とヒョジニヒョンが、手を伸ばしてるから、安心して。
WYATT
WYATT
スンジュナ。左に90°回って。そのまま前に進んで。俺とヒョジニヒョンとチャンユニヒョンで、手を伸ばしているから。大丈夫。
WYATT
WYATT
ミンギュナ。右に90°と30°回って。ちょうど時計が4時を差すところくらい。大丈夫。ヒョジニヒョンも、チャンユニヒョンも、スンジュンも、俺もいるから。
WYATT
WYATT
ユウト。後ろを向いて。そのまま、真っ直ぐ真っ直ぐ歩いて。ヒョジニヒョンも、チャンユニヒョンも、スンジュンも、ミンギュンも、みんないるから。手を広げて待ってるから。
最後のUが、俺の胸にぶつかる。

きゅっと抱きついてきたから、愛おしくて抱きしめた。



そして




最後に




WYATT
WYATT
みんな。上だ。みんなで上に行こう。
階段を上がるように、足を上げる。

一歩一歩、近付いていく。



彼は、涙を流しながら、気を失うようにそこに浮いていた。





宇宙に一人、放り出されたように。




ヒョジン
ヒョジン
ミンソギ!俺らがいる!大丈夫だ!!


ヒョジニヒョンの大きな声が、真横で発せられる。


E-TION
E-TION
ミンソギ!!今行く!!
J-US
J-US
ミンソギ〜!待ってろ〜!!
WYATT
WYATT
ミンソギ!手を伸ばせ!!
MK
MK
ミンソギ〜!!俺らがいるよ!
いつでも一緒だよ!!
U
U
もう一度笑ってぇ!!!






















ビジョンが流れ込む。



みんなで授業を抜け出して、屋上で写真を撮りあった。

先生に凄く怒られた。







みんなスポーツが苦手だからと、実技祭で観客席から一度も降りなかった。

ヒョジニヒョンが唯一、下に降りたがったが、みんなで阻止した。

動いてないのにドリンクとフルーツをたくさん食べて、他クラスから無銭飲食と言われた。




次の年、各クラスで必ず1競技参加が義務付けられ、みんなで演舞することに決定した。

他にも演舞をするクラスがあったが、俺たちは演舞とは程遠い、「ダンス」を披露した。

声を一つに揃えて踊り、歓声の中、踊った。











気付いたら、警備チームの部室で倒れていた。

みんな同時に起きる。

J-US
J-US
あれ…。
U
U
良かった…戻れたんですね…。
MK
MK
あぁ〜怖かったぁ…。

お互いの無事を確認する。


が、その時。








ガシャーン!!!

ヒョジン
ヒョジン
なんだ!?


外に出ると、車の衝突事故が発生していた。


そして、異様なことに


E-TION
E-TION
信号が…全部青だ…。
WYATT
WYATT
時計も、狂っている…。
MK
MK
あぁ!プロジェクターもおかしいよ!


空中の大きなプロジェクターに、ニュース速報が流れている。

が、ニュース速報は画面が正常に映らず、音声はピーーーーという音だけが流れている。

U
U
機械が無いと、僕たちは生活がままならないのかもしれませんね…。
U
U
機械を説得しないと、この惨状は解決しない。


ヒョジニヒョンのアンドロイドが、ビルとビルの間を移動して、遠くへ行くのが見えた。


ヒョジン
ヒョジン
最終決戦だな…。


この都市を救う。


絶対に、俺たちで。