無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

23
2021/06/14

第7話

Geppetto
最近、Uとラウンは仲良しだ。


ヒョンも仲間に入れて〜。

U
U
それでそれで!
ラウン
ラウン
わぁ〜ㅎㅎㅎ
楽しそう…。

WYATT
WYATT
何の話してるんだ?
U
U
あ、ヒョン聞いて!警備チームのヒョンたち、凄く面白いんですよㅋㅋㅋ
ラウン
ラウン
そうなんですよ〜。この間なんて、コーラと間違えて、めんつゆをコップに…。
U
U
でも教えてあげないんでしょ?ㅋㅋ
ラウン
ラウン
だって、入れてから飲むまでが早いんだもん。教える前に飲んじゃって…。
U
U
あははㅋㅋㅋ
WYATT
WYATT
へぇ〜、面白い人ばっかりだなぁ。
ラウン
ラウン
あ、さっきユーが、ヒョンの話してましたよ。
U
U
あっ!
WYATT
WYATT
????

俺の話を2人で???
WYATT
WYATT
何言ってたか、聞かせてもらおうか。
U
U
何も無いですよ。本当です。本当。
Uが何度も首を横に振る。怪しい。


WYATT
WYATT
何か言ってただろ!
U
U
無いですよ!悪いことじゃ無いです。
WYATT
WYATT
言ってんじゃねーか。

Uとチクチク争いあう。


ラウン
ラウン
ふふ、ほんと、お2人って仲良いですよね。
WYATT
WYATT
そうか?俺からすると、2人も仲良いぞ。
U
U
まぁ、同い年ですからね。
ラウン
ラウン
ね〜!
この2人といると、本当に平和だ。












WYATT
WYATT
ぅあ〜!終わったぁ〜。
WYATT
WYATT
はぁ。帰るか…。

仕事が終わり、帰る準備をする。

今日は台風が来ているため、外はかなり風が強い。窓が揺れ、音を立てている。

Uは、本部に呼ばれて書類を取りに行ったきり、帰って来ないので、先程連絡を入れた。

遅くなりそうだから、先に帰って欲しいとのこと。

手伝おうかと返事をしたが、大丈夫ですと断られてしまった。

WYATT
WYATT
U、遅くなりそうだな…。
でもまぁ、先に帰れと言われたし、帰ろうかな。

ヒョジニヒョン達、まだいるかな?
一緒に帰れるか聞きに行こう。


WYATT
WYATT
あ…。
ラウンだ。花壇のところにいる。

風が強いから、物が飛んだりしたら危ない。
きっと、あの一輪の花を見に来たのだろう。

WYATT
WYATT
ラウン!!
ラウン
ラウン
…あ、ジェヨニヒョン。
サラサラの前髪を、強風でバラバラにしながら、花壇にしゃがみ込んでいる。


WYATT
WYATT
こんなところにいたら危ないぞ!
もう帰るか、部室に戻るかした方が良い!
ラウン
ラウン
…ダメなんです。
WYATT
WYATT
ん?
ラウン
ラウン
…この子、ダメなんです。





何やら様子がおかしい。

WYATT
WYATT
仕方ないから周りを掘り返して、鉢に入れて持って行こう。
ラウン
ラウン
…ダメなんです…もう…。


何だか、胸騒ぎがする。

ラウン
ラウン
僕、もう…。
WYATT
WYATT
ラウン…?
U
U
ヒョン!ラウン!!

Uが、見たことないほど真剣な表情で立っている。


初めて見る、Uの、怖いくらい真剣な顔。


WYATT
WYATT
U、今から花を、
U
U
触れちゃいけないです!花に触らないで!!

Uが、手袋をして、花に近づく。

ラウン
ラウン
ダメ!やめて!!

花を引き抜こうとするUと、止めに入るラウンがぶつかり合う。

2人とも必死に花を掴もうとする。

WYATT
WYATT
やめろ!どうしたんだ!?
U
U
この花。この花が、警察の情報全て聴いてます!
U
U
機密情報が、外に漏れているんです!!


なんだって??





じゃあ、ラウンが…?

WYATT
WYATT
ラウン…!
ラウン
ラウン
ち、違うんです…僕…。
Uがラウンの制服の襟元を、鎖骨が見えるほど強く引っ張る。



剥き出しになるその肌には

バーコード。

WYATT
WYATT
…アンドロイド?


ラウンは


人間じゃ無い…??

ラウン
ラウン
やめて!やめてぇ…!

ラウンが、Uの手を払い除ける。


U
U
最近、アンドロイドによる殺人が多発している。それも、機密に守られている武器や能力を使って…。
U
U
僕たちは、警察だから。僕たちの中から殺人者や、それに加担する物がいれば。例えラウンでも…許されない。
WYATT
WYATT
U、一旦落ち着け!
ラウン
ラウン
違う!僕は知らない!


ラウンが大声を張り上げる。


WYATT
WYATT
ラウンも落ち着け!!
U
U
じゃあ何でその花を守るんだ!!
Uも大声をあげる。

ラウン
ラウン
僕…!


ラウンが、眉を下げ、切ない表情で告げる。


ラウン
ラウン
僕、この国で、生まれたんだ。僕とそっくりな子のコピーとして…。
ラウン
ラウン
でも、僕、出来損ないなんだ…。
アンドロイドなのに、気持ちがあるんだ。
ラウン
ラウン
心が無いのに、心があるみたいに、感情が生まれて、人を襲うことも怖くてできなくて…。


人を襲う…。

たしかに、ラウンがそんなこと、出来ると思えない。

ラウン
ラウン
僕たちアンドロイドは、感情が無いから、僕たちの意思と関係なく、生み出され、働かされて、壊れたら捨てられる…。
ラウン
ラウン
だから今、一部の、僕と同じく感情を持つアンドロイドは、人間の命に従わない。僕は臆病だけど、動物的本能を持つアンドロイドは、生き物を殺すことに抵抗がない。
ラウン
ラウン
この花は、機械なんだ。この花に埋め込まれたチップで、景色も、音も、気配も、何でも見れる。例え厳重に保管されたコンピューターの中のデータも、全部筒抜けなんだ。


Uの言った通りなのか…。


ラウン
ラウン
ごめんなさい…。
みんなを騙して、ごめんなさい…。
ラウンは、悲しい顔をしたが、涙は出なかった。

涙を、出せなかった。


U
U
ラウン。逃げて。僕が君と戦闘になって、廃棄したことにするから。

Uの目から一筋の光が、頬を伝って、顎先まで落ちた。


U
U
逃げて。お願い。逃げて…。


ラウンは、無言で花を引き抜く。

あの綺麗な白い花は、ラウンの手の中で、一瞬で枯れ果てて、花びらを全て地面に落とした。


その枯れた花を持ったまま、ラウンは、ずっとUを見ていた。

Uは、ラウンを見れなかった。





2人の視線は交わらないまま、ラウンが、走り出した。










俺たちは、その場に立ち尽くした。
話すことも、動くこともできず、その場にいると、とうとう雨が降ってきた。

風は更に激しさを増し、本格的に台風が近いことがわかる。


WYATT
WYATT
U。今日は帰るのは無理だ。
一緒に部室で泊まろう。


Uの肩を抱いた。小さな身体が、小刻みに震えていた。


U
U
僕…約束したのに…。
U
U
白い花…一緒に育てるって…言ったのに…。
WYATT
WYATT
Uのせいじゃないさ。花は機械だった。あのまま育ててたら、君に処罰が下るところだった。
WYATT
WYATT
市民の平和を守ったんだ。Uの悪いところはひとつもないさ。ラウンも、きっと大丈夫。
WYATT
WYATT
風邪引くから、早く部室に戻ろう。
2人で、雨に濡れながら、部室に戻る。

そこに、特殊部隊の先輩がいた。
WYATT
WYATT
お疲れ様です。
特殊部隊隊員
U、ラウンはどこだ?


…まずいか。


U
U
…戦闘になったので、処分しました。
特殊部隊隊員
捕まえろと言っただろう?残骸は?

残骸?

人間でないとわかったら、そんな言葉を使うのか?

U
U
…ありません。破損が酷く、所々粉々になった部分は、風で飛ばされました。持ってくるのが難しいと判断したため、廃棄車が片付けていると思います。
特殊部隊隊員
…お前は、あいつと仲が良かった。庇ったな?
U
U
…。
WYATT
WYATT
先輩。ラウンはもういません。花もちゃんと、Uが処分してます。花壇にもどこにも無いです。だから、
特殊部隊隊員
WYATT。お前も現場に居合わせたのか?なら、本当のことを言えるな?全ては市民のためだ。ラウンはどこだ?


俺は、ラウンも、Uも、護りたい。


護らなければならない。



WYATT
WYATT
…。
U
U
(ヒョン、知らないと言って)
小声でUが囁いたが、無視をする。

U一人に処罰が下るのは、あまりにも酷だ。

特殊部隊隊員
…2人とも、今から荷物をまとめて、警備チームに行け。
特殊部隊隊員
ちょうどラウンがいなくなった。
部室の机は6個。ぴったりだろう。
U
U
…はい。
Uは淡々と少ない荷物をまとめて、直ぐに部室を後にした。



子供の頃から夢だった特殊部隊。

ほんの数年で、離れることになるとは…。


WYATT
WYATT
…。

Uの忘れ物か。Uが通ったあとの床に、写真が落ちていた。

いつの間に撮ったのか。

笑顔のUとラウンのセルカだった。




ラウンの首筋に、バーコードが写っている。



Uは、知っていたのかもしれない。

でも、言わなかった。

アンドロイドが暴走している事件を知っていて、それでも、ラウンを信じていたのだろう。

だが、2人を繋いだ白い花が、2人を引き裂いた…。


ラウンは、Uが一緒に花を育ててくれると言った時、彼を利用しようと思っただろうか?

きっとラウンは純粋に、Uと花を育てたかったんだ。

はじめての同い年の友達と、あの白い花で巡り合った。
WYATT
WYATT
結末が、もう少し早ければ…。
2人が仲良くなる前に、ことが起こっていれば。

ここまで2人が、深く傷付かなくて済んだのに…。