健二郎side
俺の家に着いた
俺は無意識に、あなたを抱きしめていた。
なんやねん、あなた寝てるやんけ。
勇気出して言って損した気分やわ。
泣き疲れて寝るとかもう………。
よう頑張って我慢したな。
俺はそっとあなたを包み込むように
優しく優しく抱きしめた。
このまま俺のものにしたい。
けど、あなたには龍友しかおらん。
龍友にはあなたしかおらんのや。
そっとあなたを持ち上げて、
俺の寝室まで運んだ。
俗に言う、お姫様抱っこって言うやつや。
だめやぞ、我慢やぞ俺。
ベットに運んだあと、
俺はリビングに戻ろうとすると…
――どうやら、「あなた」という沼から
抜け出せそうにないな。――
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。