入場門に彼が行ってしまったから再び開いた隣。
それを狙っていたかのように走って隣に座ってきたのが
ハナちゃん。
あからさまにミンギュのことが好きな子。
知ってる。この子、すごい怖い子。
.
そのあと、自分たちが出る競技があって、
たくさん応援もして、
友達ともいっぱい話したけど、
はちまきのことが気掛かりで、
ほとんど頭に入ってこなかった。
それで結局時間がすぎてしまって。
はちまき交換。
ハナちゃんの方を見ると、ミンギュくんと話してる。
もうなんでもよくなってきた。
はちまきをほどいて無理やり握らせた。
なんだ、幸せじゃん。
いいや、いい友達がいるだけでもう満足。
友達から出されたはちまきを受け取ろうとすると、
急に
振り返ると、肩で息をしている彼。
急に手を引いて走り出した。
とりあえず必死に足を動かして、
止まった場所は体育館裏。
肩で息をしながら彼の顔を見ると、少し赤くなっていて、
私と同じで肩で息をしていた。
急に大きく深呼吸をして、
自分の前に差し出されるはちまき。
急すぎて、頭が追い付いていない。
黙りこんでしまったから、否定と思ったのか、
手を引っ込めようとされた
次の瞬間、目を開けると彼の腕の中にいた。
すごい幸せ。
抱きしめられた手から抜け出そうとおもうと、
腕の力が力がもっと強くなった。
幸せ。
ずっとこのままがいいけど、時間は進むわけだから、
「5分後から閉会式を始めます。生徒の皆さんは____」
辺りはだんだん暗くなり始めていて、
月も薄くでてきていた。
ロマンチック。
そのあと私たちはたくさん抱き締めて
優しくキスをした。
ありがとう。
大好き。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。