「待て,出るなイェーガー!」
「変装ごっこは,もう終わりだ!」
「⁉︎」
「二度とその名前で呼ぶなよ,馬鹿野郎!」
「団長,俺も行きます」
「装備は第四班から受け取れ」
「了解!」
「威勢が良いのは良いが,死なねぇ工夫は忘れるなよ」
「はい。」
『ジャン!』
「!」
『っ!』
あなたさんが俺に,信煙弾を投げた。
「信煙弾…?」
『………"頼んだわよ"。』
「…はい!」
「お前がやったのか…エルヴィン?」
「そうだ」
「お前らも…なんとも思わなかったのか!?」
「…あぁ」
『やれと言われたらやるわよ。』
女型の巨人…アニが街中で巨人化し、暴れている
私とリヴァイは一緒に戦えるぐらいまで足や肩が回復していない
だから今はエルヴィンに着いている
「こんな事をして!何人死ぬと思う!」
バンッッッ!!!
「…。」
「な、一体何が!?」
「あなた」
『えぇ』
「エルヴィン!今すぐ中止しろ!」
「しない」
「何故だ!?」
『ナイル』
「!」
『まずさっきの光はエレンが巨人化したのね。そしてどうやって中止するのか教えて欲しい。この状況を』
「だから中止とは女型もエレンも止めろと!」
「任せても大丈夫か?」
「説得力があるからな、あいつは」
『巨人化した憲兵団の新兵、アニ・レオンハートを止めるにはエレンしかいない。止めるにも中止なんか出来ない』
「住民が死ぬ事だって有り得る…」
『その覚悟だってある、それも仕方の無い事よ』
「仕方の無い事だと…!?」
『えぇ、貴方は知らないの?』
「何をだ?」
『この世はどんな世界なのか』
「…。」
『この世は残酷なのよ。仕方無い』
「黙れ!」
カチャ
「!」
『…』
「お前の言っている事が本当に正しいのなら…これも正しいと…!?」
『さぁ?』
「おのれ…!」
「やめろ」
「邪魔をするな、リヴァイ!あなたは我々人類に喧嘩を売っている!」
「俺も共感している、それにこれは調査兵団自体が決めた事だ。お前も知っているだろう?調査兵団は悪魔になる覚悟がある奴が入る、そしてエルヴィンはこれを実行した」
「…エルヴィン、お前は心が痛まないのか?」
「痛いさ、だがこれは次の人類の希望になる事を信じている」
「………全員銃を下ろせ、やつには手錠を」
「リヴァイ、君は動くな。無駄死には嫌いだろう?」
「あぁ、嫌いだ。するのもさせるのもな」
「馬車で待機だ、あなた君もリヴァイと一緒にいてくれ」
『分かったわ。』
「また指示を出す」
・
・
・
『痛む理由も見つからないわね…。』
「…お前が女型と似ている所があるのは俺も何となく分かる、その分お前が俺の知らない"何か"を持っている」
『?…』
「俺達は姓を覚えていない、お前は生まれた所を覚えていない」
『私は親も覚えていない』
「2人でずっと生きてきた、お互いの事はだいたい分かる。でもアニ・レオンハートとお前が似ている所があると思った時からお前に何かがあると思った。俺の知らない何かが…」
『…全然分からないわ』
コンコンッ
「リヴァイ兵長、あなた副兵士長、失礼します」
『はい』
「エルヴィン団長から"立体機動装置を2人に渡してくれ"と言われましたので」
「エレンは?」
「女型の巨人と対戦中、ハンジ分隊長らも無事です」
『分かったわ,ありがとう』
「では!」
『足動く?』
「まァ歩ける所までは大丈夫だ、だが着地の時に痛む。ガスは節約出来ない」
『私は左側を自由に使えない、大事には至らないようにするわ』
「行くぞ」
・
・
・
「チッ,平地が続くな」
『中央だもの。王様の住む場所だし』
「広い割には,奴らがどこに居るか分からねぇな」
『……だから,ジャンに渡したでしょ?』
「…成る程な。」
「マズいな…。」
「…そういえば…!」
「何?」
「ハンジさん,信煙弾を一発撃ってもいいですか?」
「え?まぁ,良いけど…」
「ありがとうございます」
バンッッッ‼︎‼︎‼︎
「『!』」
「あそこか。」
『良くやったわよ,ジャン。よーし,突っ走るぞー!』
「こら,待て。」
・
・
・
「エレン!」
「フッ!」
シャキン
「大事な証人を食うんじゃねぇよ、馬鹿野郎」
「リヴァイ!」
『待たせたわね、ハンジ!』
「あなた!」
「あなた!」
『分かってる!』
アニ…
このまま固まったまんまなんて、許さないわよ!
肩の痛みなんて関係ない
アニ、起きて!
『ウワァァァァァァァ‼︎‼︎‼︎』
カキンッ_キィィィン…
「あなた!大丈夫!?」
『ごめんねハンジ…』
「何が?」
『1本突き刺さっちゃった、刃』
「あんた怪我してる方を刺しちゃうって…」
『怒ってたのよね…私。アニは結構好きだった…。なのに…』
「あなた」
『…。』
「もう今更変えられない」
『そうね』
「…ん?」
『何、ハンジ?』
「あなたの足…」
『なにこれ…!?』
「「⁉︎」」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。