『チョーカー?』
「そう、あなたが付けてるその首飾りはチョーカーって言うらしいよ」
『初めて知った…』
「それはいつから付けてるの?」
『12歳の頃からずっと』
「誰かに貰ったの?」
『リヴァイに貰ったのよ』
「いいなー彼氏持ちは!幸せで!」
『大きな声で言わないで』
「あはは、ごめんごめん!」
『…拾ってもらってからずっと一緒にいたからね,喧嘩の時も寝る時も掃除も立体機動装置使う時も…』
「一生のパートナーって感じだね」
『…うん』
「モブリットに資料届けなきゃ…んじゃね、あなた!」
『えぇ。』
・
・
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図書館
『えっと…21番は…』
「これですか?」
『あら,エレン』
「どうぞ」
『ありがとう。ごめんなさいね,私身長小さいから…』
「そんなことないですよ、小さいと立体機動装置も格闘術もすばしっこくなるから懐とか入りやすいんじゃないですか?」
『褒めてるのか,ついてるのか…でもまぁそんな所ね』
「今まであなたさんと格闘術相手してきて1度も勝ってなくて…ミカサを吹っ飛ばした時はビックリしましたよ!」
『はは…でもミカサの相手はすごく難しかったよ』
「あなたさんに勝つにはまずミカサに勝たないと!」
『その意気よ』
「なんかコツありますか?」
『そうだなー…じゃあ1発殴りかかってみて』
「え?」
『ほら』
「じゃあ…行きます!」
『…』
「オラッ!」
『ッ!』
「わっ!」
ドサッ
「いてててて!」
『殴り掛かる時に腕を伸ばすでしょ?その腕を基準に手を脇で挟むようにして手を腕の下から入れて手を返し掴んで、後ろから反対側の肩を掴んで自分に背を向かせて足をかける!』
「一瞬ですごい技術…」
『次の対人格闘術の時にでも参考にして?』
「はい!ありがとうございます!」
『ふふっ、元気ね』
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・
「今日の午前中の訓練は対人格闘術だ、2人1組のペアを作れ」
「「「はい!」」」
「ミカサ、組もう!」
「分かった」
「(あなたさんから教えて貰った格闘術…これでミカサに今日こそ勝つ!)」
「行くよ」
「あぁ!」
『あれ?サシャ相手いないの?』
「はい」
『じゃあ私とやる?』
「はい!」
『リヴァイ、準備できたよ!』
「それじゃあ,初め!」
「痛!」
『だ、大丈夫!?』
「は、はい…」
『ごめんなさい,私力の加減が下手なのよ…』
「少し勉強させてください!」
『え,えぇ』
「行くよ!」
「あぁ、来い!」
まずは自分の腰から上に殴りかかってくるのを待つ…
「…!」
「来た!」
「?」
腕を挟んで下から手を入れる!
「なっ」
掴んで反対側の肩を…そして背中を向けさせて!
足をかける!
「ヴッ」
「オラァァ!」
ダンッ!
「!?」
『!』
「エ、エレンがミカサに…」
「勝ったぁぁぁぁぁ!?」
「よし!」
「びっくりした…」
「大丈夫か?ほら手」
「ありがとう…」
「どうした?あいつ」
『ふふっ』
「あ?」
『ううん、なんでもないよ』
「では行きます!」
『教えた通りゆっくりでいいからね!』
「はい!」
『私が殴り掛かると…!』
「こうして…こうだ!」
ドサッ!
「サシャまでぇ!?」
「あなたさん、エレンとサシャに何したんですか!?」
『私の基本使ってる格闘術を教えたのよ』
「力もさほどいりませんし、簡単な格闘術ですよ!」
「確かにテクニックだけで力を全然入れなかった」
『私は力は自信あるけど体が小さい方でしょ?だからテクニックだけの格闘術を考えてるんだ』
「すごく勉強になります!」
「確かにあなたの格闘術は綺麗だ、俺もあまり…」
「勝ったことないんだよね!」
「ハンジさん!」
「ね、リヴァイ!」
「チッ…」
「そうなんですか?」
「うん!リヴァイは格闘術であなたに勝ったことないんだよ!」
「おい、クソメガネ…それ以上言うと削ぐぞ」
「やぁ怖い怖い笑」
「…。」
「すいません」
「でもチビ…人類最強でもやっぱりあなたさんには勝てない事もあるんだ」
「今なんて言った?」
『ストップ!』
「あ?」
『それ以上キレないで!』
「チッ…」
『ふぅ…』
「「「(あなたさんは本当にリヴァイ兵長にとって勝てない人なんだな…)」」」
・
・
・
「リヴァイ、あなた、夕ご飯行こう!」
『えぇ』
「…。」
「そういやリヴァイって他にあなたに勝てない事ってあったっけ?」
『え?』
「あ?」
「立体機動装置はリヴァイの方が上だし、巨人の数も上でしょ?他にあるっけ?」
『うーん…』
「あるか?」
「ないと思うが?」
「ミケもエルヴィンもどこから湧いてきたんだよ笑」
『あ』
「あるの!?」
『いや、争うような事なのかどうか…』
「あー…そういう事か…」
「え?何?何!?」
『そのー…正しく今…』
「今?」
「飯食ってるだけじゃねぇか?」
「あ、もしかして早食い競走とか?」
「違ぇ」
「では…酒の強さでは無いか?」
「なるほど!」
『…あってる…』
「普通に飲んでたからな、あなたはすげぇ強い」
「酒の強さねぇ…ま、確かに勝てないね」
「明日休みか…じゃあ飲む」
『私も』
「また運ぶのかな?」
「またかよ…」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!