第56話

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2022/06/06 17:43
ハンジ達がライナーの捕獲を行っている頃…




『…』

「此のまま,我々の居場所がバレないと良いんですけどね…」

『場所は分からないと思うわ。ただ,奴らは必ず私とエレンを狙ってくる。気を付けて』

「はい。」







私達の居場所からハンジ達の場所までは

かなり距離があって,良く見る事は出来ないけど

ハンジ達が鎧の巨人を雷槍が使って倒した。





「報告です!鎧の巨人をハンジ班とリヴァイ班が捕らえました!」

「本当か⁉︎」

「嗚呼!だが死んだ訳ではない。今は次に備えている最中だ」

「了解。」

『………成る程。ありがとう』

「いえ!失礼します!」







「…まだ死んでいない」

『えぇ。まだよ』

「…」










「まだだそ!迂廻して次に備えろ‼︎」






ガクッ






「ウアァァァァァァアアァァァ‼︎‼︎‼︎」








「⁉︎」

「⁉︎」

「何がッ⁉︎」










「副兵士長!」

『…っ⁉︎』









ライナーが,叫んだ?









「…一体何が…?」

『………来る。』

「え?」



『全員!伏せて‼︎』



「え⁉︎」

『早く伏せて!何かに捕まって‼︎』












超大型巨人

ベルトルト・フーバーが現れた。

きっと彼らの作戦はライナーの叫びを合図に

ベルトルトが巨人になり,シガンシナ区辺りを吹き飛ばすつもりだった

なのに,ベルトルトはそれをしなかった。

どうして…?














「何にせよ,我々の目標が目の前に現れたんだ。好都合と言っても良いだろう。」

「…」

「鎧の巨人を倒しに行くぞ!」

「はっ!」




「…ジャン」

「はい!」

「これを。」

「これは…」

「嗚呼。もし君達に何かあったら,それを打つんだ」

「……分かりました。」






ハンジさんがジャンに渡したのは

見た事がない色の信煙弾だった。

茶色の,信煙弾








「どうして茶色なんだ?」

「こんな色,あったなんて教えてもらってませんよね」

「…信煙弾は,簡単に色を作れる訳じゃねぇよ。」

「「?」」

「これはきっと手作りだ」

「成る程!」

「ハンジさんとあなたさんが作った,二人だけが通じる信煙弾…。」






「…」

「待ってください!」

「アルミン?」

「これが最後の交渉のチャンスなんです!」








「ベルトルト!そこで止まれ‼︎」













『……大丈夫?』




「あ,はい…」

『ベルトルトが巨人化しない…』

「これで,いつするか分からなくなりましたね…」














「アルミン!」

「!」

「追わないで!」

「…っ」

「彼がいつ巨人化するか分からない…」

「それが,ベルトルトにその気はないらしいよ…今巨人化したら爆風でライナーを自分で仕留める事になるから…」

「…それなんだけど…彼には何か考えがあるように見えた。」

「え…?」

「私には…別人の様に見えた…。」

「…」

「て言うか,あれが本当にベルトルトなの?」









「上に上がった⁉︎」

「しかしライナーはすぐ近くですよ⁉︎」

「一旦離れろ‼︎」












『…っ!』

「副兵士長,大丈夫ですか⁉︎」

『また硬質化が…!』





私の顔に,また硬質化が張り巡らされた。

二回目で薄々気づいて来た。

顔に現れる硬質化は,"九つの巨人"の誰かが巨人化する前に現れるんだと





「副兵士長⁉︎」





その直後だった。






ベルトルトが,巨人化した。






「「「うわぁぁぁあアアァァア⁉︎⁉︎」」」



『!』




私達は,超大型巨人の爆風によって

壁の外側へ飛ばされた。







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