まさか翼がまたすぐそこの家だなんて…
私は何故か拗ねていた…
確かに翼は約束通り帰ってきた…
でも、遅い…
なんて私のわがままだってわかってるけど…
嬉しさと今までの寂しさが混合してわかんないよ…
あんなことして…翼怒ってるかな??
その日、私はなかなか寝付けずにいた
1日で色々ありすぎなのよ…
気づくと私は翼のことを考えていた
時刻は1時を回っていた
そこでようやく考えつかれた私は眠りにつくことができた
翌朝、久々の学校に心が弾む
確かに翼のことはまだもやもやしてるし頭が追いついてないけど
今日は久々の学校を楽しまないとね!
この時の私は完全に忘れていた、翼が隣の家だということを
家が隣だということは…
…も同じだということに
お母さんに車で送ってもらって学校に来ると茜ちゃんが校門のところで待っていた
やっぱり茜ちゃんと話すのは楽しいな、私の1番の親友だからなぁ…
呼び捨てなんて翼だけだったからなんか緊張するなぁ…
でもこっちの方が私も親友って感じしていいかも…♪
そう言うと茜は笑顔で微笑んだ
この時もまだ私は気づいていなかった
その後、茜とたわいもない話をして朝のHRで先生の話を聞いたり懐かしの友達や同級生と話したりした
先生が手をパン!パン!と叩き、皆の視線を集める
男の子…
転校生…
まさか………
ここでやっと私は思い出した
同級生が思い思いの感想を言い合っている間に私はいつの間にか立ち上がっていた
みんなの視線が翼から私に集まる
私は、やっぱり翼に会いたかったんだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。