第3話

〜再開の春〜 退院前日の日
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2019/06/04 20:35
…!!





プルルルルル…!!






私は自分のスマートフォンの着信音で起きた






親友の茜ちゃんからだ…







時間はもう10時を回っていた。



茜
姫花!出るの遅いよ〜心配したんだからね?
姫花
姫花
ごめん〜寝てたわ…
 

私は寝ぼけた頭で親友と話す

茜
まぁでもなんともないなら良かった、姫花はほんとになんかありそうで怖いからさ
姫花
姫花
なんかって何よ…
茜
ん〜そりゃあ姫花は病弱なんだから、体調崩してたりとかしたら大変でしょ?


私は寝ぼけた意識を少しずつ取り戻す

姫花
姫花
相変わらずの心配症だね〜でもありがと、大丈夫だよ
茜
そっか良かったぁ〜
茜
ってかほんとに姫花変わったよね
姫花
姫花
急に何よ…
茜
昔はもっと無反応だったのに、やっぱり彼の影響?



彼…


翼は私が小学生4年生の頃にあった男の子だ



姫花
姫花
ほんとに急だね……😅
姫花
姫花
別にそんなんじゃないけど、でも確かにあいつには感謝してる
茜
そかそか😁
茜
あ!それより明日退院なんでしょ?おめでと!
姫花
姫花
ありがと〜



…ガラガラガラ



姫花
姫花
あ、お母さん来たからきるね〜また学校で!
茜
うん!姫花ちゃんに会えるの楽しみにしてるね!
姫花
姫花
うん、私も!



そして通話を切る





明日から久々の学校…楽しみだ…


お母さん
お母さん
あら姫花、茜ちゃんから??
姫花
姫花
そーそー、明日退院だからおめでとうってわざわざかけてくれたんだよ〜
お母さん
お母さん
相変わらず優しい子ね〜、ほんと茜ちゃんにはママもお世話になりっぱなしだわぁ〜




そーやって私はお母さんとたわいもない会話を楽しんだ







30分も話すとお母さんは休日にも関わらず、仕事の打ち合わせがあると帰っていった







日頃からお母さんには病弱で病院通いなのもあり、しかもそれを女手一つで育てて貰っているのだから、迷惑をかけてると思う…







お父さんは幼い頃に私を交通事故から庇って死んでしまった…






そう思うと私はお母さんから何もかも奪ってしまっている気がする







でもその度にお母さんは優しい笑顔で

お母さん
お母さん
大丈夫だよ、姫花が私の一番の宝物だから!


と言ってくれる。






お母さんの明るい性格を知っている私は嘘では無いと思うが、どことなく申し訳ない気持ちになってしまう





そんなことを考えているとふと近くの河川敷のグラウンドから





ーーカァンッツ!ーー






と聞き慣れた音がした





河川敷のグラウンドでしてる草野球だ。






私はこれを病室の窓から眺めるのが入院している時の日課だった







理由はやはり翼のせいである。




姫花
姫花
あいつもまだ野球続けてんのかなぁ…




そーやって草野球を見つつ、午後は趣味の読書に当てているとあっという間に日が落ちた。



姫花
姫花
(明後日から学校♪楽しみだなぁ)
姫花
姫花
(昔の私ならこう思うことは無かったんだろうな…)
姫花
姫花
(やっぱり私…自分を変えてくれた翼のこと待ってるんだ)
姫花
姫花
(あの約束からもう4年が経とうとしてるのにね笑)






そんなことを考えつつ、何か起こりそうな予感を胸に秘めては早々に眠りにつくのだった…

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