第6話

〜再開の春〜 過去の記憶②
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2019/06/18 12:49
 それは唐突だった…
翼(小学生)
翼(小学生)
ごめん…俺、引っ越すことになったんだ…






それは忘れもしない、小学6年生になりたての春のことだった。




翼はその日も学校終わりに野球のクラブに励んでいた。






その帰り道に唐突に聞かされた話だった。






私はてっきり翼の冗談だと思っていた。


姫花(小学生)
姫花(小学生)
え…?翼……?何言ってるの??
翼(小学生)
翼(小学生)
ごめん…




翼はただ謝るだけだった。




姫花(小学生)
姫花(小学生)
なんで…え?嘘でしょ?
翼(小学生)
翼(小学生)
ごめん…言い出すタイミングがなかなか掴めなくて




謝るだけだった…





姫花(小学生)
姫花(小学生)
嘘でしょ?ねぇ!嘘よね?
翼(小学生)
翼(小学生)
ごめん…もう後3日しかないんだ…




なんで??ねぇなんで??








私はおかしくなりそうだった。この時の辛さは今でも胸に残っている。



姫花(小学生)
姫花(小学生)
つっっ…!!




私は泣き出しながらわけもわからず走り出していた。




翼(小学生)
翼(小学生)
ごめん、ごめんな…姫花







それから2日が経ち、残り1日となった。






ご飯は喉を通らないし、学校も休んだ、お母さんは心配してくれるけど言葉すら耳に入らない…






翼の家から何度も電話がかかったし、翼も会いに来たらしいが、もう知らない。






私は閉じこもっていた。







それでも翼は…私に会いに来た。







翼がいなくなる最後の日。







翼は私の部屋の前まで来て言った




翼(小学生)
翼(小学生)
ほんとに唐突でごめん。でも必ず帰ってくるから…
姫花(小学生)
姫花(小学生)
そんなのわかんないよ!信じられない!




私は何もかもわからなくなっていた。


翼(小学生)
翼(小学生)
開けてくれるかな?少し話がしたいんだ。



5分後泣くのが少しだけ治まると私はドアを開けた。


翼(小学生)
翼(小学生)
ありがとう



そう言って翼は私の傍に来ると私の体を抱きしめた。



姫花(小学生)
姫花(小学生)
翼……??



私の枯れていた心が満たされていく気がした。


翼(小学生)
翼(小学生)
必ず戻ってくる、姫花は俺が絶対に幸せにしてやるから。
姫花(小学生)
姫花(小学生)
え…それって…
翼(小学生)
翼(小学生)
べっ…!!別にプロポーズとかじゃねぇ!




焦った翼は少し慌てている。可愛い。



翼(小学生)
翼(小学生)
ともかく戻ってくるのは本当だ、信用できないか??





信用…できないわけないよ…







今まで私を支えてきたのは君なんだよ??
姫花(小学生)
姫花(小学生)
わかった…待ってる。
翼(小学生)
翼(小学生)
おうよ!















翼はそうやってあの日も笑って見せた。














ずっと待ってるんだよ??










そろそろ現れてくれてもいいよね?

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