第4話

〜再開の春〜 河川敷
150
2019/06/06 12:10
ーー 次の日 ーー
病院の先生
…これで退院ですけど、取り敢えず学校では安静にして体育など体を動かすことはその日の様子で判断してくださいね?
お母さん
お母さん
わかりました。ありがとうございます先生
姫花
姫花
ありがとうございますっ!


私はあわてて頭を下げると先生に優しい顔でこう言われた
病院の先生
姫花ちゃんはほんとに明るくなったよね
姫花
姫花
そっ…そうですか??



私は誤魔化すように目を逸らした


病院の先生
やっぱ明るかったり前向きに考えてる方が治りがよかったりするからね
病院の先生
幼い頃塞ぎ込んでた姫花ちゃんを知ってるからね、先生ほんと嬉しいよ^^*
姫花
姫花
そっ…そうですか…ありがとうございますっ♪




帰りの車で私は考えていた








確かにあの頃とは違う…私は変われた








友達とも普通に話せるようになったし、笑えるし笑顔だって今は増えてる気がする…










ー どうして? ー









そんなの翼のおかげに決まってんじゃん…








わかってる、私の中で翼の存在は大きすぎた








その分信用はできるけど、いつまた会えるか分からない…










ー 翼 ー











ー あいたいよ ー











ーー ツッッ!… ーー


姫花
姫花
ん?



耳を済ませると河川敷のグラウンドからから草野球の人達が野球をしている声が聞こえる


姫花
姫花
お母さん!車止めて?
お母さん
お母さん
どうしたの?
姫花
姫花
いや…久々に近くで野球見たくて…
姫花
姫花
(別に翼のことが頭をよぎったからじゃない…でも…)



そんな私の胸の内を察したのかお母さんが車を止める


お母さん
お母さん
ふふっ…
姫花
姫花
何よ…



お母さんはどこか嬉しそうだ


お母さん
お母さん
なんでもないわ
お母さん
お母さん
まぁでも近くだと危ないからそこの芝生で座ってみたら??



お母さんはファールゾーンの、それもかなり後ろの芝生を指さした
補足
※ファールゾーン
打っても意味の無い場所、ここに打った場合はカウントとしてはストライクになるがアウトにはならない



それはフラグなのでは?と思いながらも私はその芝生に座って草野球を見ることにした
姫花
姫花
(やっぱり少し遠いとはいえ、病室で見るのとは違うな…)



試合はまだ2回の表





私はのびのびと試合を観戦していた





4回裏




赤色のユニフォームを着たチームのバッターがもう少しでホームランに届きそうな豪快なバッティングを見せる


姫花
姫花
(すごい…そういえば翼も凄い球を飛ばすスラッガーだったなぁ…)
















気づけば私は翼との過去の記憶を辿っていた。

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