それから二ヶ月後
季節も春になって、暖かくなってきた
そして予定日まで近くなってきた
お腹もまた大きくなってきて
相変わらず元気に動いてるよ笑
今日は涼太仕事休みだって
だからふたりでティータイム笑
またあなたのお腹を蹴ったらしい
その時、涼太の携帯が鳴った
数分後…
そして慌ただしく涼太は仕事に向かった
暇になった私は奈々に連絡した
「今から会える~?」って聞いたら
「会ってくれるのー?」ってw
それで家にきてもらうことになった
ガチャンッ
それから結局亜嵐くんも来ることに笑
でも亜嵐くんが来るまでの間、
なんかお腹に違和感を覚えた
痛いようなー、痛くないようなー、
微弱陣痛?
まだわかんないから、奈々に言えなかった
そして私は飲み物を冷蔵庫に取りに行った
その時、
バンッ!
何かが床に落ちる音が聞こえた
痛い…
まって、ほんとに痛い…
お腹が痛いっ、…これって陣痛?
そこに奈々と亜嵐くんが駆けつけた
私が痛みに悶えてると
太ももの間に生温い何かが伝った
ふと下を見ると
今までに経験したことのない痛みに私は目に涙を浮かばせるほど悶えた
自分で間隔測ってるけど、五分くらい
亜嵐くんが私を支えながら、
奈々は私が事前に用意してた出産バッグとか貴重品を持ってくれた
タクシーに乗り込んだ
それでも痛みは増していく
亜嵐くんが背中をさすってくれながら
奈々も手を握ってくれてる
それから10分くらいで病院に着いた
看護師さんが待っててくれて
私は車椅子に乗った
検査してみたけど、
まだ子宮口が4センチしか開いてないみたいで
まだ分娩室には行けないから
病室でずっと痛みに絶えた
そこに電話を終わらせた亜嵐くんが来た
励ましも今は痛みの方が勝ってる
亜嵐くんはバレないようにマスクしてるけど
絶対にバレそう、笑
そんなこと思ってる場合じゃない
それから20分くらいして、涼太も駆けつけた
涼太は黙って私の腰に近い場所をさすってくれた
それから一時間半くらいして、子宮口が開いてきたから分娩室に移動した
涼太は分娩室には入らず、外の椅子で待っててもらうことにした
でも奈々だけちはそばにいてもらうことにした
分娩室に入っても
すぐに生まれるわけじゃないから
そこからまた何時間も痛みに絶えながら、がんばった
それからやっと看護師さんに言われて
出産がスタートしたけど
もう半端なく痛くて、めちゃくちゃ叫んだ
汗も出るし、お腹痛いし、
弱音だらけだけど
みんなついてるから、必死でいきんだ
そして、ラスト一回
軽くって言われても痛いし、そんな…💦
とにかく歯をくいしばっていきんだ
すると…
「おぎゃー!おぎゃー!」
産声が聞こえた
泣き声が聞こえた瞬間、私はほっとして涙を流した
白いタオルにくるまれた我が子を見て、これは天使だってそう思うくらい可愛かった
周りはもう日が沈んで暗くなってるけど
4/29 23:42 2520gの女の子を出産した
それから色々な処置をして
私は病室へと戻ることになった
その前に涼太と我が子を会わせたい
そして涼太が私のところへ来た
亜嵐くんもいた
みんな泣いてる笑
そして看護師さん腕から涼太へ
また涙が溢れた
汗かいて、髪も濡れてるのに
そんなこと気にせず、
涼太は私の手を握って、頭を撫でた
名前は 美音(みおん)
ふたりで考えた
美しい音って書くけど
やっぱり音に包まれながら、音を奏でながら
みんなを癒して、幸せしてほしい
美しい音を奏でて、笑顔にさせてほしい
そういう意味を込めて名付けた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!