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2021/07/22

第1話

裏切り
彼女は、私の親友だった。

喧嘩なんて一切せず、お互いに笑い合って、
将来について話し合って、
一緒に学校へ向かう親友。

彼女は、私の親友だった。

そう、親友『だった』のだ。

今では、そんな面影は一切ない。





紅い光が差し込む教室で、
私は行く宛のない視線を誘導するかのように、
自分の消しゴムに絵を描く。

私が好きなアニメのキャラクターだ。

絵が得意なわけでもなければ、
特別好きなわけでもない。

ただ、現実から目を背けるために、
私はひたすら消しゴムを汚す。

何度も、何度も、何度も…。

私は、同じ絵を描いている。

所謂、現実逃避だ。

他人から見たら、ただのヤバいやつだろう。

だが、仕方がないじゃないか。

親友だと思っていた人に、裏切られたのだから……。

『裏切られた』と一言で言っても伝わらないだろう。

彼女は……あいつは、私の彼氏を奪った。

3ヶ月前から付き合っていた彼氏。

勉強ができて、スポーツもできて、
顔もそこそこ整っている。

欠点という欠点がない、最高の彼氏だった。

そんな彼に、あいつは言い寄った。

どこまで進んだのかはわからない。
知らない。知りたくもない。

あの時言ってくれた「好き」は、
嘘だったのだろうか。

嘘じゃない。

あの時の「好き」は、間違いなく本心だ。

悪いのは、あいつだ。

彼と仲良くなるためだけに私に近づいてきたあいつ。

私から彼を奪っていったあいつ。

全部全部あいつが悪い。

あいつがいなければ、私たちは幸せなままだった。

そんなことを思っても何にもならない。

そんなことわかっている。

でも、思ってしまう。

もしも彼が、私にもう一度「好き」って
言ってくれたら。

もしも私が、もっと魅力的な女だったら。

もしもあいつが、この世に生まれなかったら。

そんなことを、考えてしまう。