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2021/07/27

第2話

幸せ
「わたしね!今すっごく幸せなんだ!」

『それはいいことね。どうして?』

「だって、     がいないんだもん!」










そこで、私の夢は終わった。

嫌な夢だ。

もう、二度と見たくない。

先程の夢を忘れるため、他のことを考える。

今日も蝉がうるさい。

……いなくなればいいのに。

一階から、お母さんの声が聞こえてきた。

『ご飯よー』って、言われなくても行くのに。

朝から騒々しい。

私は静かな時間が幸せなのに、
どうしてみんなうるさくするんだろう。

蝉の鳴く声、お母さんが私を呼ぶ声、
お隣さんの赤ちゃんが泣き叫ぶ声。

全てが騒がしくて、邪魔。

私以外に生き物がいなければ、静かになるのに。

私は1人でも生きていける。

私はそういう風に出来ている。

心も体も、他の人を欲してない。

私には、必要ない。



今日の朝ごはんはパン。

正直、パンは嫌いだ。

パサパサとした食感が口に合わない。

かと言って、お米が好きかと
聞かれたらそうでもないが。

パンを食べ終わり、
入れ物の袋を捨て、自室に戻る。

やることなんてない。

学校は休みだし、スマホは持っていない。

本も読み飽きた。

「……勉強するか」

そう呟いて、机に向かう。

勉強は好きだ。

知らないことを知れるし、テストでいい点数を
取った時は達成感があって気持ちいい。

私は黙々とペンを走らせる。

30分、1時間、2時間と、時間はどんどん過ぎていく。

一通り終わって、キリが良くなった。

時計を見ると、勉強を始めて
4時間が経とうとしていた。

疲れを癒すため、私はベッドに潜り込む。

すぐさま睡魔が来て、
私の意識は闇の中へと消えてゆく。










『あなたは、幸せ?』

「……え?」

声がした。

……ありえない。

私は仮眠をとったはず。

それに、風景がおかしい。

まるで宇宙空間にいるかのような風景だ。

だったら、これは夢?

でも、私の意識はちゃんとある。

考えることもできる。

私が戸惑っていると、
目の前の……女の子だろうか。
小学生ほどの小さな子が話しかけてきた。

『あなたは、幸せ?』

「……えっと、……幸せ……じゃない」

『どうして?』

こてっと首を傾けて、
女の子は不思議そうに見つめてくる。

「どうしてって……わからない」

『わからないのに、幸せじゃないの?』

「……うん」

数秒の沈黙。

その沈黙を破ったのは、私ではない。

『意味がわからない』

「……え?」

雰囲気が急に変わった。

先程までの可愛らしい少女からは
考えられない声音と、
大人でも怖がってしまいそうな顔。

なんなの?この子は。

『あなた、前言ってたじゃん。幸せって。
 わたしはあなたに幸せになって欲しかった。
 なのに幸せじゃないってどういうこと?』

……声が出ない。

怖くて足がすくむ。

体が震える。

そんな時、女の子の顔が変わった。

いい顔ではない。

そして、何かを思い付いたかのように、
私に告げる。

『そうだ、あなたのお  さ も消しちゃう?
 そうしたら幸せでしょ?』