医者「娘さんは恐らく、記憶喪失になってる可能性があります」
あなた母「え?治りますか?」
医者「治るも何も...彼氏さんの事だけを忘れていらしたんですよね?」
あなた母「はい、私のことは覚えてました」
医者「恐らく、事故に遭う前彼氏さんの事を考えていたのでしょう。」
医者「その衝撃で頭を強く打ち、大事な人の事を忘れてしまった。」
あなた母「治す方法は...」
医者「毎日顔を合わせるようにすれば治る可能性もあるかもしれません」
あなた母「分かりました。」
医者「後ほど病室まで検査しに来ますね。」
あなた母「はい、ありがとうございます」
あなた母「失礼しました」
あなた母「那須くん、ちょっといいからしら」
あなた母「あなたはね、1部だけの記憶喪失になっているの。事故に遭う前にね那須くんのことを考えてたかもしれないの。それで...」
あなた母「それじゃあダメなの」
あなた母「治すには...毎日顔を合わせるの。そしたら思い出す可能性があるはず」
あなた母「え?」
あなた母「そうだけど、思い出して欲しくないの?」
あなた母「わかったわ...気をつけて帰ってね」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!