そんなロボロを見て、嫌な予感を感じる。
ロボロが恐る恐る差し出してきたのはーー
コーヒーのような液体で濡らされた書類だった。
俯きながら話すロボロの目の下には隈が出来ていて。
そんなロボロを見ながら、にっこり笑って
そう話した...
ものの。
内心は私も焦っている。
時刻は5時を過ぎていた。
ロボロが渡してきた量を見ると、乾かしてから終わらすのは無理だろう。
...これは私の失敗だ。
強気な私をみて諦めたのか、ロボロは部屋に戻っていった。
...ギリギリ間に合うと思う、なんて嘘だ。
あー、終わったと思いながら、濡れた書類をドライヤーで乾かす。
乾かし方が他に無いのだ。
っていうかこれ...コーヒーっぽいからシミ残るんじゃ...?
ーー終わった。1から作り直すしか...
_________
深く頭を下げる私に、慌てながらフォローしてくれようとするコネシマ。
オスマンもあわあわしながら必死にフォローしてくれている。
時刻はすでに6時40分。
1から作り直そうとしたものの、やはり時間が足りなかった。
...あえてロボロのことは言わなかった。
こっそり、ロボロの部屋を見る。
まだ寝ているらしいロボロの部屋からは、落ち着いた空気が流れている。
そんなやり取りをしていると...
ガチャ、と音をたててロボロの部屋の扉が開く。
眠そうに出てきたロボロは私をみて驚いた顔をした。
かと思うと、私の側にいるコネシマとオスマンを見て察したかのように駆け寄ってきた。
そう言うと突然土下座したロボロにその場にいた皆が驚く。
もちろん私もだ。
いつの間にか「めぅ」が取れたオスマンに驚きつつ、一人焦る。
ロボロがこれから何を言うのかが分かるからだ。
全てを語ったロボロを前に、オスマンが?を頭に浮かべる。
バッ、と全員の視線が私に向けられる。
ショッピ君が驚いたような声をあげる。
動揺しながらもコクッと頷く。
な、何が凄いのだろうか。
そんな会話をしていると、ロボロがいなくなっていることに気づく。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!