捕まってから数日後。

事情聴取、と題した拷問が始まった。

殴られ蹴られ...

なのになぜか拷問をする側が悲しい顔をする。

...吐く気は、ない。

もし言ってしまったら..この人達が危険に...

...やはり私は情を売ってしまったのだろうか。

そしてまた蹴られる。

ゾムの蹴りはとてつもなく痛い。でも...

そう煽れば本気で蹴ってくる。

あばら骨、今何本折れてるんだろうか。

カハッ、と言葉の代わりに血を吐けば、なぜか心配そうな顔をするゾム。

痛みに堪えながらゾムを見る。

やっぱり...

そう言って今度はナイフを持ったショッピ君が現れる。

今度はナイフか。

ゾムよりショッピ君の方が弱いらしい...

でも、やっぱり素手とナイフじゃまったく違うわけで。

ドクドクと腕を伝った血は服を赤く染めていく。

リストカットしたかのように切られた腕を見ながら、ジワジワと続く痛みに耐え続ける。

それでも私が吐かないと分かると、地味な脅しをしてきたり、反対の腕も切られたり...

いよいよ貧血で意識が朦朧としてきた時だった。

そう言って寸止めで首もとにナイフを突き立ててくるショッピ君。

でもね、ショッピ君。

君は私を分かっていない。

ショッピ君は私を見くびってるよ。

始めて動揺を見せたショッピ君に、淡々と私は語る。

頬を何かが伝う。

そこで意識はまた切れた。

＿＿＿＿＿

痛む体を起き上がらせ、回りを見る。

...牢屋、か。

いつの間にか手当てされた体を眺めながらボーッとする。

なぜ私は敵の幹部に過去を語るようなことをしたのだろう。

...血迷っていたのか。それともーー



〈ﾋﾞｰｰｯ!ﾋﾞｰｰｯ!ﾋﾞｰｰｯ!〉

突然サイレンが鳴り響く。

牢屋の外からたくさんの声が聞こえてくる。

ーーまさか




〈a国が攻めこんできた 総員、戦闘に備えよ〉