第19話

18 信用
3,185
2020/03/12 10:53
すいません!なんか繋げにくくなってしまったので、前話を少し変えさせてもらいました!(by作者)

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ぺいんと
ほとんど、嘘です
...首を伝う冷や汗。

さらに下がる室内の温度。

まずい。このままじゃ、私だけじゃなくてこの人達まで...!!
グルッペン
どういうことだか...全部、聞かせてもらうで?
ぺいんと
はい
そう言ってぺいんとが話始めたのは、あった出来事の『全て』だった。
私を連れ去ったこと。

抵抗され、骨折させてしまったこと。

一部を抜粋していたが、本当のほとんどを語った。
グルッペン
ほう...
グルッペン
これに関してどうなんや、夜桜。
夜桜
...っ...本当、です...
ここで否定しても...余計にぺいんと達が疑われるだけ。

暖かいはずの場所が、とてつもなく冷たく感じる。
グルッペン
...ゾム。
ゾム
...なんや
グルッペン
ぺいんとを拷問部屋に連れていけ
夜桜
...!?
死神
ぇ...
拷問部屋。

とても冷たい声で放たれたその言葉。

日常組幹部達とらっだぁのほうを見ると、みんなが動揺していた。

...なのに、ぺいんとは...
ぺいんと
...
覚悟を決めたような顔をして、こちらを振り返ったぺいんと。

...もしかして、最初からこれもわかってて...?
ゾム
...了解。
ゾム
おい、立てや
ゾムに腕を引っ張られ、立ち上がらせられるぺいんと。
トラゾー
ぺいんとっ...!!
クロノア
嘘...でしょ...?
死神
ぺいんとさんっ!!
らっだぁ
ぺいんと...!!!
みんなが名前を呼ぶ中、ただ唖然と座り込む私。

...また、私は『あの時』のように...

無力なのか...?
夜桜
...待ってくださいっっっ!!!
ぺいんと
!?
ショッピ
うわっ...
ちょ...!
今までにないような大声で叫ぶ。

驚いたのか、思わず振り向く幹部達。
夜桜
その人を傷つけるなら...
夜桜
わた、しを代わりに殺してください
声が震えかける。

あれ...身代わりになるのって、こんな勇気がいるんだったっけ...?

震える手で、太股に手を伸ばす。
ぺいんと
ぁ...
察してしまったのか、ぺいんとがこっちに手をのばして阻止しようとした。

...でも、ゾムに捕まった状態で、手が届くことはなく。

...日常国で解放された後。

元々持っていた持ち物を返された私。

つまり...
夜桜
...私を殺さないのなら...
隠し持っているナイフを手で握り、
夜桜
私から死にます
首元に当てた。
生暖かい血が首を伝う。

...切れ味いいな、このナイフ。

そう思いながらも首スレスレに近づける。
グルッペン
...死にたいなら死ねばいい
そんな時放たれた言葉は予想外の言葉だった。
グルッペン
死んでもこいつを解放はせんからな
夜桜
...
...やっぱりこの人には敵わない。

私が死んだって何も変わらないのか...

なら...一か八か。
夜桜
...黒魔術、使えるんですよね?
そう言ってみても、一切動揺を見せないグルッペン。

でも...バレバレだ。

回りを見れば、動揺を隠しきれていない幹部が何人かいた。
夜桜
私、今までそんなこと聞いたことすらなかったんですけど
グルッペン
...
夜桜
...弱味となる黒魔術のこと。もしも私が他の国にバラしたら、結構やばいですもんね
グルッペン
...っ
...今度こそ動揺が隠しきれていないグルッペン。

黒魔術を使える国と、使えない国があるらしい。

もし使えるということがバレたら、使いかたによっては強味にも弱味にもなる。
夜桜
『信用している』、のに話さないってことはそれほど信用できてないっていうことですよね
...あ、やばい。

自分から言っておいて悲しくなりそう。

本当はここで話をとめるはずが、感情に突き動かされて口は止まらない。
夜桜
...信用してるって言われて嬉しかった私こそバカなのかもしれませんね
ナイフを首元から離し、持ち方を変えてゾムに飛びかかる。
ゾム
うおっ!?
柄の部分をぶつけようとしたが、思っていた通りに避けられる。

咄嗟に離してしまったのか、突き飛ばされるようにしてゾムから解放されるぺいんと。
夜桜
ぺいんとさんっ、立って!!
夜桜
みなさんもこっちです!!
手を引きぺいんとを立ち上がらせ、大声で死神、トラゾー、クロノア、らっだぁに呼び掛けながら部屋を飛び出す。
死神
は、はいっ
トラゾー
クロノアさんっ、早く!!
クロノア
う、うん
らっだぁ
置いてかないで!?
後ろから着いてくる日常国幹部とら運営国王。
夜桜
ぺいんとさん、しばらく日常国でお世話になりますね
ぺいんと
へっ?
私に引っ張られながら情けない声で返すぺいんと。
死神達も近くで走って追いかけてきていた。

だが、そのさらに後ろには凄い勢いで迫ってくる我々だ国幹部達。

...特にゾム
ゾム
まぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇ
死神
ギィヤァァァァァァ!!!
...流石ともいえるフェイントでゾムから逃げる死神。

トラゾー
ちょっ、クロノアさん!どこ走ってるんですか!!
その声の方向を見れば、走って逃げるトラゾーに、壁を走るクロノア...って
夜桜
えぇぇえぇぇえぇっ!?
夜桜
クロノアさん、どうなってるんですかそれぇぇ!!
クロノア
ん?壁走ってるだけだけど...
いや、そんな普通な顔で言えることじゃないそれ!!
死神
って、らっだぁさぁん!?
らっだぁ
ん?
またまた声の方向を向けば...
夜桜
ちょ、何してるんですか!?
まさかのマフラーに運ばれてる!?

え、なにこれ怖い
夜桜
それ...首絞まんないんですか?
らっだぁ
んー、感覚によっては首に巻くタケ○プターみたいな感じだよー?
夜桜
タケ○プター!?
なんなんだこの人達...

そんな会話をしていれば、ゾムが幹部達にも目をくれずに私に向かって走ってきていた。
ゾム
オラオラオラオラァッ!!
夜桜
ひっ...
鬼のような形相で迫るゾム。

しまった...このままじゃ追い付かれ...!
らっだぁ
そこまで~
するとゾムの体を赤マフラーが縛り付ける。

...!
夜桜
らっだぁさん...!
らっだぁ
マフラーと俺は一心同体♥️
ぐるぐる巻きにされたゾムが倒れる。
ゾム
クソッ...!
悔しそうに呟くその一言はすぐに後ろに遠ざかっていった。
でも...
夜桜
こんなときまで...黒魔術、使う気ないみたいですね
ぺいんと
...!
...あぁ、悲しいな。

信用って聞いたとき、どれだけ嬉しかったか...

ぺいんとの顔を見て、そう思う。

後ろを振り返ってみると、もう我々だ国幹部達に捕まりかけているみんな。

...こうなったら。
トラゾー
!夜桜さん!?
ぺいんとを引っ張っていた手を離し、後ろに戻る。
ぺいんと
えっ
夜桜
みなさん!!早く行ってくださいっ!!
らっだぁ
え、何して...
驚いたのは我々だ国幹部も同じなようで。

後ろに戻る私を見て動きが止まりかけたようだった。
夜桜
私がなんとかしますから!!早く行ってください!!
死神
だ、ダメだよそんなの...!
夜桜
...っ、うるさいっ!!
死神
ビクッ...
夜桜
早く行け!!
夜桜
まだ私は我々だ国のメイドなんだよ!!
夜桜
...また、必ず会えますから
夜桜
だから早く!!
クロノア
...死神君、行こう
死神
そんな...
そして私は...

日常国の人達を後ろに、向かってきていた幹部達にぶつかっていった。
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作者
...ん?ちょっとまて
なになに~?
作者
これ...我々だ悪者になってね?
ぺいんと
うっ...
作者
と、とりあえず次回なんとか巻き戻せるかな...

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