いよいよデビューまで5日を切った
今は宿舎に居るけど、正直不安でしか無い...
会ってから顔もあげてないRubiと
ずっと小声でぬいぐるみと話しているRate
私達は、テレビに出ない
それを社長さんから聞かされた時は、凄くホッとした
対人関係に弱い私にとっては嬉しい位
それは他の2人もそうなのかも知れない
Rateが声を出した
初めて話すんじゃないかな
多分、「オンニ達と私は似てると思う」って言いたいんだと思う
韓国語が拙いし、外国の子みたいな顔してるし、
韓国人じゃないんだろうね…
しばらく沈黙が続いた
Rubiが2言以上話した...
心を開こうとしてくれてるのかな?
言って直ぐに目線をRateに送ったRubiの顔は若干怯えてる様に見えた
人が嫌いなのかな...?私達が怖いのかな...?
見られたRateも小刻みに震えている
2人が私の方を見ている
顔を逸らしても目線が刺さるようで怖い
人と話すのはかなり久し振りだからか、私の元からの性格か…
言わないと、って思ってるけど声が出ない
足が震える
ううん、言いたい
これから上手くやっていけそうな気がするから…
言えた…
ホッと息を吐き出すと、Rubiに笑われた
笑う、と言っても嘲笑うような感じだけど
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それからしばらく質問をし合って、答えての繰り返しだった
Rubiは口数が少ないけど、何となく言いたい事が伝わって来る
顔にも出ないし、そもそも顔をあげないから表情からは何も読み取れないけど
Rateはひたすらに可愛かった
内気なのか、質問すると頬を赤らめて、ぬいぐるみをぎゅっと抱き締めて顔を少し隠すのが癖らしい
まだ会って数日なのに、こんなに心を開いて分かり合える事は中々無いと思う
いつか誰かが言っていた、「奇跡」とか「運命」とかって言うのかもしれない
そんな事があるとは信じてなかったけど…
あるのかも、ね
RubiもRateも、これを感じてくれてるかな?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!