ベットの横にある窓から
ひのひかりが差し込んでくる。
“コンコンッ”
そう言ってエプロン姿の千里が入ってきた。
急いで着替え、私は一階へと向かった。
箱のなかにあったのは
草花がモチーフにされている
小物やアクセサリー類。
手作りということもあってどれも違って素敵。
そういって千里は優しく微笑んだ。
不意の笑顔ほど心に来るものはないよな…。
どきっとするじゃん。
棚に飾り付けながら店を見渡してみると
本当に綺麗…。どこも、綺麗に掃除してあって
どの商品も素敵な物ばかり。
そういって千里が
おばあさんに白い箱を差し出した。
箱のなかには懐中時計に草花がモチーフの
飾りがついている、
お花がたくさんの草原が思い浮かぶ
素敵な商品が入っていた。
おじいさんのことが大好きなんだな…。
おばあさん、とっても幸せそう。
おばあさんは懐中時計を握りしめて
笑顔で帰っていった。
千里は照れながらも嬉しそうに言った。
道をいくら進んでも
おばあさんと再び出会うことはなかった。
おばあさんのことは不思議だけど。
離れたところで車が待ってたのかもだし。
仕事しないと、だよね。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。