初めてあったはずなのに、
彼は何かを知っているような…
イタズラを考えている子どものような
無邪気な顔で私に笑いかけた。
まぁ、高校生なんだから…
まだまだ子供だよね。
なる
えっと…
千里くんの書きたいお話とか、
家のこととか自分のことでも
何でも良いからお話し、
してくれないかな?
これから一緒に小説、
頑張っていく仲間として
お互いのことを知ることは
大切なことだと思うの!
ちさと
了解です!なるさん!
なる
うーんと
何でも良いから
千里くんの思い出とか
そういうのを話してくれないかな?
次の物語に取り入れるのも良いし…
嫌だったら全然良いんだよ!
ちさと
嫌なわけないじゃないですか!
お話ししますよ、俺のこと。
なる
うん!じゃよろしくね。
ちさと
それじゃあ早速なんですが、
なるさんは
生まれ変わりとか…
前世の記憶を持ってるとか
そういうのって
実際あると思います?
もしくは信じます?
なる
そうだなぁー。
自分がそういう人ではないから
信じる!って、
100%言い切れ無いんだけど
私ではない誰かの真実なんて
分からないんだし
あってもおかしくはないかな、
とはおもってるよ。
小説に関わるものとしては
夢あるし、“個人的”にも
あってほしいかな…って。
ちさと
そうなんですか。
ちなみに俺それなんですよ。
前世の記憶が残って転生してる系。
信じます?
なる
っ!?
うっうん?
まぁとりあえず信じとくけど
冗談でした~っ!みたく
後でからかわないでね?
んで…その前世の記憶というのは?
ちさと
どれも、鮮明に覚えてる!って
訳じゃない…ですけど
前世の人が特に印象を受けたり、
忘れたくない、大切。って
思ってたらしき場面は
結構リアルに
覚えてるもんなんですよ。
なる
それは…結構すごいね。
ちさと
その前世っていうのがまぁ
ちょっとワケありの人で。
なる
ここまできたら気になるから
嘘だった!でも何でも良いから
話してもいいことなら
話して!?
ちさと
了解です!
ちさと
その人にはとっても大切な人がいて
でも前世の人は
若くして亡くなったんです。
ここまでならまぁあるかもしれない
話なんですけど
ここからワケありで…。
前世の人は天国ではない…
未練がある人々が一時的に来る、
天国の手前の世界にきたんです。
彼の未練は今話したことからするに
大切な彼女のことなんですけど
その、天国の手前の世界から
彼女のことをずっと
見守ってるんですよ。
なる
すごいね……。
前世の記憶があるっていうだけで
ただでさえ不思議な話なのに
その前世の記憶は天国の手前の世界の
記憶があるってこと?
これ…本当だったらかなりやばいね。
ちさと
本当ですって、笑
そんで前世の人もそろそろ
天国へ向かわないといけない
時間が訪れるんです。
んで…この辺からなぜか
ちょくちょく記憶がないんですけど
教会…?かどこかに願って
なんでか知らないんですけど
大切な彼女に再び会えたんですよ。
再び彼女と、会えた彼は
すごく幸せで嬉しかったんです。
残念ながら、
この美味しい展開のところが
とくに記憶が抜けてるんですよね~…
なる
それで…っ?
ちさと
ここから記憶がとんで
一番鮮明に覚えている
彼女と過ごす最後の時間のことです。
二人は教会で
結婚式みたいなことをするんですよ。
彼が彼女に指輪をはめるんです。
二人は幸せだけど
これから先、二度と会えない…
悲しくて悔しいですよね。
なる
嘘みたいな話だね……
ちさと
俺は前世の記憶があって…
そして、今まで好きな人とな
いたことないんですよ。
多分…前世の人が想っていた
女の人がずっと好きなんです。
俺の前世の人は
もうこの世界にはいませんが、
彼女はいるわけでしょ?
今までずっと探してたんですよ。俺。
なる
それは…ほんとに運命的な…。
ちさと
(ほんと…他人事だと思って…)
千里
俺が好きなのはあなたですよ。
ずっとあなただけが好きなんです。
なる
えっ!?
突然…どうしたの?
しかも…
私たち今初めて会って
千里
俺の話聞いてました?
なる
うん…?
千里
だったら俺が言ったとこの意味…
分かりますよね?
彼はイタズラが成功したかのように
また、笑った。
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