即答…まぁそうなんだけど…。
なんかなぁ…もやっと、こう……
千里は相変わらず無自覚でやばい/////けど。
ちょくちょく私だけ
話が噛み合ってない気がするのは
気のせいかな…。
こうしていると忘れるけど
私って記憶喪失でイコール行方不明で……
でもたまに、このまま千里といても良いかな…
って思う自分がいることが怖い…。
千里も私の家族を探してくれてるし、
私も週末は色々探したりしてるし……
見つかる…よね。
そういって千里が見せてきたのは
蝶々のネックレスだった。
下を向いた千里の顔を覗くと
顔が真っ赤になっていた。
千里といると不安な心もなくなって
本当に幸せ……。
このままでも良いかも…なんて、ね。
千里がまっすぐ私を見てそう言った。
まるで見透かしているかのように。
千里…におばあちゃんに町の人たち。
私は“違う”…って…
記憶喪失でわからないことだらけなのに
何か噛み合ってない気がする。
何なんだろ…
しばらくはここで千里と過ごせる。
でも、その先は?
私の記憶に家族は?
どうなるんだろ…どうするんだろ……。
家に帰って千里が声をかけてくれた。
2階の部屋に戻りベットに腰をかけた。
町の人たちと初めてよく喋ったけど
やっぱりなにか違和感を感じる…。
千里とだってたまに話が噛み合わないし…。
なんか、きゅうに寂しくなってきたな…
世界でたった一人…一人ぼっち、な気がする。
お風呂に入っている間も
ずっとなにか寂しさを感じる。
どうすれば良いのか分からない、もどかしさ。
寝る時間になっても一向に眠れない。
家族や記憶のことに町の人たちの
不思議な言葉のことが
頭のなかでぐるぐるとかけめぐる。
私は一階に下り、飲み物をつくり始めた。
千里の顔を見るとなんか安心する。
私は今、自分が考えてることを
千里に話始めた。
千里の言葉に安心したのか……
涙が溢れてきた。
私の手を引っ張って千里は部屋に向かっていく。
ベットで私を寝かせてくれて
千里はソファーで寝ていた。
私が眠るまでたくさんお話してくれて
記憶がなくなって初めて
安心して寝ることができた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。