第9話

12
2021/10/16 05:50



『 吸血鬼… !? 』
「 どうしてですか!? それに、 何故あなたの名前を… ! 」
「 !… 本当に吸血鬼なの… 、 ? 」
私たちが驚きの声をあげると、 ころんが顔を歪めた。
まるで、 そんなことを信じたくなかったかのように。
『 いえ… 吸血鬼じゃないですよ 』
「 そう… ですか、 ですよね。 疑ってすみませんでした、 」
莉犬さんは申し訳なさそうに言った。
「 では… 貴女が吸血鬼なんですね。 祐奈さん 」
「 「  !?  」 」
私の次に指を指したのはころんさんだった。
祐奈が吸血鬼だと疑う人は初めてだったし、 何故祐奈の名を知っているのか、 と

私の脳で謎が渦巻いていた。
「 っ なんでですか!? そもそも貴方たち、 吸血鬼が何か分かっているんですか!? 」
祐奈が早口でそう言うと、 莉犬さんは
「 もちろん、 吸血鬼が多くの脅威を人間にもたらしてきたことは知っています。 」
ですが、 と付け足すと
「 否定しないというなら、 それは肯定を示します。 … 本当に吸血鬼なのですか… ? 」
莉犬さんはどこか寂しげに言った。
「 っ、 … 」
私も祐奈も、どうしたらいいかわからずに黙ることしかできない。
そして私は、 ある決心をした。


『 言おう、 祐奈。 本当のこと、 全部 』


__正体を明かす決心を。


Memo :
祐奈はすぐに決断することができるが、


あなたは優柔不断らしい。


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