『 吸血鬼… !? 』
「 どうしてですか!? それに、 何故あなたの名前を… ! 」
「 !… 本当に吸血鬼なの… 、 ? 」
私たちが驚きの声をあげると、 ころんが顔を歪めた。
まるで、 そんなことを信じたくなかったかのように。
『 いえ… 吸血鬼じゃないですよ 』
「 そう… ですか、 ですよね。 疑ってすみませんでした、 」
莉犬さんは申し訳なさそうに言った。
「 では… 貴女が吸血鬼なんですね。 祐奈さん 」
「 「 !? 」 」
私の次に指を指したのはころんさんだった。
祐奈が吸血鬼だと疑う人は初めてだったし、 何故祐奈の名を知っているのか、 と
私の脳で謎が渦巻いていた。
「 っ なんでですか!? そもそも貴方たち、 吸血鬼が何か分かっているんですか!? 」
祐奈が早口でそう言うと、 莉犬さんは
「 もちろん、 吸血鬼が多くの脅威を人間にもたらしてきたことは知っています。 」
ですが、 と付け足すと
「 否定しないというなら、 それは肯定を示します。 … 本当に吸血鬼なのですか… ? 」
莉犬さんはどこか寂しげに言った。
「 っ、 … 」
私も祐奈も、どうしたらいいかわからずに黙ることしかできない。
そして私は、 ある決心をした。
『 言おう、 祐奈。 本当のこと、 全部 』
__正体を明かす決心を。
Memo :
祐奈はすぐに決断することができるが、
あなたは優柔不断らしい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。