前の話
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「まじ消えてくんない?」
毎日毎日言われるこの言葉。
私は、突発性難聴という病気になった。
耳鳴りがし、急に片耳が聞こえなくなったり…。
毎日が恐怖だった。
しかも、その病気になってから、私はいじめられるようになった。
耳元で大声を出されて耳鳴りがひどくなったりした。
もう、嫌だ…。
そんなある日。
一人の転校生が来た。
「…重岡大毅です…!よろしゅうお願いします。」
優しそうな男子が来たな~。
まあ、どっちみちいじめられるんだけどね。
先「あっ。畑山の隣に座って。」
私、……?のとなり。
みんなが、ざわざわと悪口を言っている。
あ。やばい。耳鳴りしてきた。
「俺、重岡。よろしく」
「私は、畑山です。…よろしく」
最初から笑顔がない。
また、敵が増えたな。
そう思ってた。
一時間目。 理科
いっつも一人で移動してる。
重岡くんは女子から人気みたい。
でも……
「重岡く~ん!はなそーよー!」
「ごめん。無理」
そういうと、私のところに来る。
「畑山さん!一緒にいかへん?」
「えっ。あ、うん…」
「畑山さん元気ないなあ?」
「そう……?」
「そやでw」
「私、突発性難聴なの…。」
「とっぱつせーなんちょう?」
「耳の病気。だから、元気ないの。」
「…ならさ、俺の秘密もばらしてやるわ。」
「えっ?秘密って……?」
「放課後言っちゃるw」
重岡くんの秘密…。
なんだろう。
理科なんて集中していなかったし、うずうずしてた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!