第61話

恋する少年 のお悩み その1の1
2,681
2024/03/24 09:36







僕が自分の過去や心情を吐露した後、ジョングギも自分の生い立ちなんかを話してくれた。


その話に僕はまた泣いて、泣く僕を見て赤目の兎ちゃんもまた泣いちゃって。


おかげでまる1日瞼の腫れがおさまらなくてジンさんたちに何度も笑われたけど、それを機に僕とジョングギの距離はぐっと近づいた。


ちなみに、兎ちゃんの瞼は半日も経たないうちに元に戻ってたんだよね。


なんで? 若さの違い?
言っとくけど僕だってまだ20代だからね?


まあともかく、ジョングギと分かり合えただろうあの日から1週間が経って、僕たちの仲はさらに深まったように思う。


その証拠に、怖がり兎ちゃんは僕を前にしても緊張や警戒を見せなくなったし、可愛い笑顔も惜しみなく見せてくれるようになった。





そんなジョングギと食堂から出られるテラスで、いま午後のティータイムを楽しんでるところ。


ティータイムと言っても、ジョングギが握ってるのはバナナウユのボトルなんだけどね。


背中をまるめて、ストローをがじがじと噛んでるジョングギを、ほんとに兎みたいだなぁって頬を緩めて眺めてたら、きゅるんとした瞳が僕を見上げた。


ジョングク
ジョングク
…ねぇホソクさん、、
ホソク
ホソク
んー?
ジョングク
ジョングク
ホソクさんは、きらきらの世界…見たことある?
ホソク
ホソク
え、きらきら?
ジョングク
ジョングク
あ、えと、つまりね? んと、、ひとを好きになったこと、ある?


お? もしかしてこれは、恋の相談…!?


僕はわくわくとした心地で頷いた。


ホソク
ホソク
うん、あるよ。


きらり、ジョングギの瞳が輝く。

ジョングク
ジョングク
よかった! あのね、相談したいことがあるんだけど、いい?
ホソク
ホソク
もちろんだよ。僕でよければ、いくらでも相談にのるよ。
ジョングク
ジョングク
ホソクさん、ありがと!
ホソク
ホソク
どういたしまして。でもそっかぁ。相談があるってことは、ジョングギは好きな子がいるってことだよね?



ぽぽぽ、って音がつきそうな勢いで、赤く染まっていく白い頬。

ジョングク
ジョングク
ん、、

林檎みたいになりながら頷くジョングギが可愛すぎて、こねくり回したくなっちゃう。

ホソク
ホソク
へぇー! 同い年?
ジョングク
ジョングク
んーん、
ホソク
ホソク
じゃあ年上だ?
ジョングク
ジョングク
ん、
ホソク
ホソク
ふふっ、年上かぁ。じゃあその人とのことで相談ってことだよね?
ジョングク
ジョングク
ん、、あのね? えと……
ホソク
ホソク
ふふっ、なになに? あれかな? 告白したいけどなかなか伝えられないとか?
ジョングク
ジョングク
んうん。んとね、好きっていうのは、もう伝えてる…
ホソク
ホソク
え゛っ、


意外すぎて変な声が出ちゃった。


いやだってさ、こんなに赤くなるくらい恥ずかしがってる子なんだよ? 好きすら言えないんだろうなぁって普通は思うじゃん!


ホソク
ホソク
そ、そっか。
想いはもう伝えてるんだ?
ジョングク
ジョングク
ん、


頷く顔はまだ真っ赤。


きっと純粋だからこそ、真っ直ぐな言動に繋がってるんだろうな。


ホソク
ホソク
じゃあ、想いを伝えた相手は、なんて返してくれたの?
ジョングク
ジョングク
うれしいって言ってくれた。


うれしい、か。

正直、微妙な返事だよね。


だって相手も想ってくれてたら、私も好き、とかの返事をくれるだろうし。


嬉しいって返すのは、好きって言葉に恋愛感情が含まれてると気づいてないか、あるいは恋愛感情を抱いてない相手に対しての、無難でずるい返事って可能性が高いと思う。


なんて、恥ずかしそうにはにかんでるジョングギにはとても言えないけど。


ホソク
ホソク
そっか。ねえ、ジョングギの想い人は、どんな人なの?
ジョングク
ジョングク
えとね、すごくやさしくて、きれいでね、かっこいいの!


きれいでかっこいいか。
クールビューティー系女子かな?

ホソク
ホソク
素敵な人そうだね。
ホソク
ホソク
あ、でも好きな子いるなら、いま淋しいでしょ?


ここに来てからまだ外出してないから、その子に会えてないはずだもんね。

ジョングク
ジョングク
んぅ? どうして?
ホソク
ホソク
だって会えてないでしょ?
ジョングク
ジョングク
んーん、毎日会ってるよ?
ホソク
ホソク
へ?  毎日?!
ジョングク
ジョングク
うん!


毎日会ってるって、つまり相手もここにいるってことだよね?!


え、でも待って…



ここで住み込みをしてる使用人はほぼ男で、女性も数人いるけど、30代後半から60代しかいない。

前は若い子もいたんだけど、みんなうちのあるじに恋しちゃって仕事にならなくなっちゃうんだよね。

だから主に近づけないようにすると、辞めちゃったり問題起こしたりが続いて、若い子は雇わないようになったって経緯があるわけ。



ということはだよ? 相手はかなりの年上女性ってことになるよね? それだけじゃなく、ここにいる女性みんな既婚者なんだけど、、、



ジョングガ…あなたその歳でなんて複雑な恋しちゃってるのよ、、


ホソク
ホソク
…そ、そっか。
それで…相談したいことって?

可愛い恋してんのかと思ったけど、これは心して話を聞いてあげなきゃだな、、

ジョングク
ジョングク
ん、あのね…、その、、


少しおさまってた頬の染まりが、またどんどん濃くなっていく。


ジョングク
ジョングク
…どうしたらちゃんとしたキス、してもらえるかな?


ホソク
ホソク
、、、、、




うん、聞き間違いだよね?




ホソク
ホソク
あ、ごめん、ちょっと聞き取れなかったから、もう1回言ってくれる?




身を乗り出し、しっかり耳を傾ける。



ジョングク
ジョングク
んとね? どうしたらちゃんとしたキス、してくれるようになるかな?




ホソク
ホソク
、、、、、







聞き間違いじゃなかったーーーっ!!













プリ小説オーディオドラマ