第62話

恋する少年 のお悩み その1の2
2,445
2024/03/29 23:00






放心すること5秒。


ジョングク
ジョングク
ホソクさん?


呼ばれてはっと我に返った。


ホソク
ホソク
あ、うん、うん、、ちゃんとしたキス…だよね、、?
ジョングク
ジョングク
ん、、
ホソク
ホソク
そっかそっか、、うん、えっとぉ…ごめんね? ちょっと状況がよくわかんないんだけど、、ちゃんとしてないキスはしてるってことなのかな?
ジョングク
ジョングク
あ、んと、ちゃんとしてないっていうかね、おまじないのちゅう はしてる。


ん? おまじないの…ちゅう?


つまりは、キスするおまじないってことだろうけど、それどっかで……



ふと彫刻のように整った顔が浮かんだけど、いやまさかと打ち消す。



ホソク
ホソク
えっとー、、ていうことは…おまじないのちゅうはしてるけど、ちゃんとしたキスはできてないってこと…かな?
ジョングク
ジョングク
ん、、口にキスしてもね、ひらいてくれなくなったんだ…それに、すぐに止められちゃうし…


しゅんと悲しげに下がる眉。


その可愛い表情と、やってることの大胆さがどうにも釣り合わない。

ホソク
ホソク
そ、そっか…。それは、そのー、どういう時にしてるの?


いや僕なに聞いてんだ?

ちょっとテンパってるかも、、
ジョングク
ジョングク
んとね、夜お布団に入ってから、寝る前にしてる。あ! 朝もだ!
ホソク
ホソク
寝る前と朝…


ふたたび浮かんださっきの顔。


いやまさか、、


でも、もう打ち消すことはできそうにない。


だってこの子が生活してるのはあるじの部屋。


しかも夜はおなじベッドで寝てるって言ってた。


てことはだよ?


おまじないのちゅうを寝る前と朝に受けるのが可能な相手なんて、、





うちの主しかいないじゃん…!!





マジかー、、そうきたかーー、、





……まあでも、あれだよね?


相手が既婚者の女性じゃなくてよかったよね?


うんうん、そうだそうだ。





ひとまず自身をそう納得させる。



ホソク
ホソク
えっとつまりジョングギは…その人とちゃんとしたキスがしたいわけね?
ジョングク
ジョングク
ん、、


ちゃんとしたキスって、つまりあれだよね?
口あけてくれないって言ってたし、ディープなのがしたいってことだよね?


ホソク
ホソク
あーそっかそっか、
なるほどねー、、、


はぁ、、こんなのどう答えたらいいんだよ…


きゅるんとした瞳が、期待をこめた視線を送ってくる。


う、、僕この子の目に弱いんだよなぁ、、


ともかくちゃんと考えて答えてあげないと。


まずあれだ、うちの主はこの子をどう思ってるのかってことだよ。


ジョングギは主にとって、特別な存在なのは確かだと思う。ただ一般的な目線で考えるなら、保護者としての立場で見てる可能性が高い。


でもそうなると、この子が口にキスしてくるのを、完全に拒んでなさそうなのが引っかかるんだよなぁ。


だってまったくその気がなかったら、僕ならすぐその行為を止めさせるもん。


そうしてないってことはだよ? 主もこの子への想いを秘めていて、でも立場的なこととかを考えて葛藤してる、、とか?



んー、さすがにそれは飛躍しすぎかな。


やっぱり今の段階じゃ何とも言えない…


ジョングク
ジョングク
ホソクさん…


なかなか答えを返さない僕に、ジョングギの瞳が不安げに潤んでる。


焦った僕はいよいよテンパっちゃって、ぱっと浮かんだことを口にしていた。

ホソク
ホソク
じゃ、じゃあさ、
教えてって言ってみれば?!
ジョングク
ジョングク
んぅ? 何を教えてって言うの? 
ホソク
ホソク
えっと、そうだな、、大人のキス教えてって言っみる…とか?
ジョングク
ジョングク
おとなのキス…教えてって?
ホソク
ホソク
うん、それならしてくれるかもって思ったんだけど、どうかな?


ディープキスしてだと直接的すぎるし、保護者の立場でもある主が拒否しちゃう可能性が強い。でも教えを乞う感じなら、もしかしたら…


ジョングク
ジョングク
わかった! 言ってみる! 
ジョングク
ジョングク
ありがとうホソクさん!



ぱぁぁ、と華やいだ笑顔。


好きな人とキスがしたい。


ジョングギの願望を、ただの欲望だと言ってしまえばそれまでのこと。


だけど僕に向けられた瞳は、この子の無垢さを表すように、どこまでも澄んでいる。


なんだかいけないことを教えてしまったような気もしてちょっと複雑だけど、うちの主とジョングギがうまくいくなら、それに越したことはない。




そう、僕はすでに…

この子の恋を応援してしまってた。




相手は今ひとつ心の読めないあの主だし、バンタングループの次期総帥って言われてる人だし、同性ってこともあるしで苦労はしちゃうかもしれない。


でも主と結ばれることでこの子が幸福を感じられるなら、僕ができることは何だってしてあげたい。


まだ一緒に過ごし始めてさほど経ってないけど、そう思うほどにはジョングギのことが大切になってた。



ホソク
ホソク
ジョングガ、がんばってね!
ジョングク
ジョングク
ん、!




頷いた兎ちゃんは頬をほのかに染めながら、恥ずかしそうに、だけどとても嬉しそうに笑った。


















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