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2021/07/06

第3話

2
夕方とはこの時間のことを言うのだろうか、オレンジ色の空が山の向こうから覗いているのを私たち5人はベランダで並んで眺めた。

「いやぁ今日の試合ギリギリだったわ」

「あぁ、彼方めっちゃミスるからだいぶ点取られてたよね」

緋色は軽く伸びをして、気持ちよさそうに笑った。

ショートで軽い髪の毛が風に当たりなびく度にチラチラと茶色くみえるのはきっと、空がオレンジだからではない。


「まぁそれよりも私は静花が彼方と同じチームに分けられたことの方が印象的だったけどね」

そう言って茶化すように笑うのは田端杏たばたあん。今となっては珍しいお下げで存在感を残している。

「「早く告りなよ」」

2人で揃ってそう発したのは赤坂海と空あかさかうみ  そら。この学校で唯一の双子姉妹だった。

ちなみに、2人の見分けかたのポイントは髪型。海はロングヘアで前髪はパッツン、空はミディアムヘアで、耳の上の髪をオレンジ色のピンで留めている。こちらも前髪はパッツン。

緋色と私以外はみんなクラスはバラバラだけれども、如月中学校に入学してからはずっと仲がいい。

この4人がいなければ今の私はない。


「後体育でバレーボールやるの2回だから楽しみなよ」

「はいはい」

相変わらずお姉さん気質の緋色にはだいぶ救われている。彼方のことが好きになってから、何があっても1番に緋色に相談したくなるのはそのせいだろう。


どうせ無理なのにな、心の中で沈みかけた想いを口に吐き出す度に手を差し伸べてくれる緋色の存在があるからか、彼方へ対する想いは一層深まっていく。

彼方は2次元にしか興味がなく、3次元で振り向かせるのは不可能に近い。

だから諦めたくなってしまう私は正常だと思いたい。でもここまで深くなった想いから目を逸らすのはどうやっても無理だ。

まわりのみんなにも、精神的に支えてもらってここまできたのだから後は思い切って告白するだけ。


「告白しようかな」


その言葉は息をするのと同じくらい簡単に出てきた。

「「頑張れ静花」」

海と空がまた同時に言った。

「おーえんするよ」

杏もまた言う。


絶対成功させたい、と言うよりもみんなの期待に応えたいと言う想いの方が強かったのはきっとこんな空を見上げているからだろう。



私の髪の毛もまた、風になびいた。