第93話

この先もずっと
62
2021/06/09 09:12
こんばんはヽ(^*^)ノ

リクエスト頂いたお話では無いんですけど、
リクエストに繋がるお話を今回は載せます!

鈴木の喜んでいる姿だとか
鈴木がどんどん柔らかくなっていて
笑顔が増えているところとか
そんな変化にも着目して見て貰えたらと思います✨
第1話の鈴木とは大違い!?


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拓と付き合ってもう少しで1年。


そんなある日の拓と一緒にショッピングセンターへ買い物に出かけた時のこと。

今、私達は抽選券を持ってショッピングセンターの広場にある抽選会の特設会場にいた。1等を当てればハワイ行きのペア旅行券が当たるのだ。

「回せる回数は5回かぁ。ねぇ、どっちがやる?」

「うーん……俺はこういうので当たった試しが無いからなぁ」

「じゃあ私?でも、私も当たったことないよ?」

「おぉ、どうすっか……。まぁこんなの当たる確率なんてかなり低いだろうけどね」

拓は現実主義。確率が低い事は分かっているけど、それでも私は1等を狙いたかった。
拓とハワイ旅行、行ってみたいもん!

「それでも当てたい!」

そして私達の番が回ってきた。

「とりあえず私が回すね!」

と言って私が回すことに決めて、まずは2回抽選機を回したが……

今の所参加賞のティッシュのみ。

「拓…やって…!?」

「えぇ、俺!?」

拓に変わると……

「おめでとうございます!6等のハンズフリーポータブル扇風機ですね!」

いきなりティッシュ以外の物が出た。

「拓!そのままあと2回やって!!」

「は!?マジかよ」

次、拓が回すと…

「おめでとうございます!7等のお菓子の詰め合わせですね!」

私は8等しか出なかったのに。確実に彼の方が運があるようだ。

「拓、あと1回、頼むよ!!」

「プレッシャーじゃんか。やめてくれ」

金色が1等の玉のようだ。金……!来い!

私は必死にお祈りし、拓にパワーを送った。


でも……


残念。出た玉の色は赤だった。




「おめでとうございます!!2等の箱根旅行ペアチケットです!!」




………え?


今、なんて!?




そう。私は完全に見落としていたのだ。




1等がハワイ旅行で、2等が箱根旅行だったと言うことを。

しかも当たったのは箱根温泉の中でも絶景が楽しめると有名な旅館のペア宿泊券だったのだ。


拓は目を丸くしていた。


「やった!!やったよ拓!!箱根旅行当たったよ!!」


私は拓に勢いよく抱き着いた。


「な、なんかよく分かんないけど、旅行当たったって事だよな!?」

「そうだよ!ハワイじゃないけど、旅行券当たったんだよ!?凄いよ!!」

拓も拓で、だんだんと事の凄さを実感し始めたのか、満面の笑みを浮かべて、

「そっか、そうだよな!!旅行当たったんだよな!!やった!やったぞ里奈!!」

と言って私のことを抱き返してくれた。

歯を見せて笑うその爽やかな拓の笑顔がとても眩しい。


その後、広場のベンチに座ってジワジワと喜びを感じ、拓はもらった旅行券を見てはニコニコする。

「拓、来月夏季休暇で5日間好きなところ取れるから、来月行こうよ!」

「それなら、2人で夏季休暇合わせてそこで行こうか」

と、拓は嬉しそう。笑顔の拓がとっても可愛くてキュンとしてしまった私。

この笑顔、ずっと見ていたいな。


それに、来月29日は拓の誕生日。なので私は誕生日に被るように行きたいと伝えた。



そしてそれは見事に実現し……


拓と私は箱根旅行へ出発。現地へは特急電車で移動だ。2人して駅弁まで買って車内に乗り込んで、気合十分だ。

拓にとってはこれが、24歳になって1日目の出来事となる。

「拓、良い24歳のスタートが切れたね!」

「あぁ、そうだな」

と言って優しく笑う拓。

最近拓、本当によく笑うようになったな。


去年の春に4年ぶりに再会した時も、ただでさえ笑顔を見せるようになった事に驚いたというのに、今はその時以上にたくさん笑うようになった。高校2年生の拓が、24歳のこの拓を見たら目を疑っていただろうな。

これが恭平くんの言う、拓の本来の姿なんだろうか。

私は拓にこう声をかけた。


「拓、最近凄く笑うようになったよね」

拓は観光のパンフレットを眺めながら、ちょっと恥ずかしそうにこんなことを言ってくれた。

「隣に里奈がいるからじゃない?」


と。私は思わぬ拓の言葉に耳が赤くなった。

もう……大好き。


拓は私の方を見て、


「何?どうした?」


と優しく尋ねた。


「ううん。なんでもない」

「そっか」

拓は再度パンフレットに目を落としつつも、窓際に座る私の左手を、右手でスっと握ってくれた。

拓ってば。私をキュン死にさせるつもりなのか!?



それから現地に着き、ロープウェイで山を上がり大涌谷の観光をして、そこで黒い温泉卵を買って食べたり、花名所である庭園を回って綺麗に咲き誇る花をバックに一緒に写真を撮ったりもした。

休憩として、足湯を楽しめるカフェにも行き、私達は箱根旅行を盛大に楽しんでいた。

「里奈って足小さいよな。サイズいくつ?」

「23だよ!23.5とかでいける靴もあるんだけど、だいたいはブカブカでね」

「そうか。探すの大変そうだな」

そんな他愛のない話もしつつ、足湯カフェでまったり過ごした私達は、

いよいよ大人気旅館にチェックインする時間がやってきた。


案内された部屋に向かう私達。

「わぁ…!!」

そこは広々とした和室で、お座敷に床の間。それからフカフカのベッドが2つ。開放感たっぷりの空間だった。

そして何より……


「え!!」




なんとこの旅館、全客室に露天風呂が付いていたのだ。


つい驚いて窓を開けて外へ出て、露天風呂の真横に行く私。そこから楽しめる大自然の眺望と言ったらもう最高だった。

すると拓も外に出てきた。

「露天風呂付きの部屋に泊まるのなんて初めてだよ。まさか全部屋に付いてるとはな」

「ね!ビックリしたね!」


それは良いのだが……


この露天風呂に、誰がいつどのタイミングで入るの??







今夜、拓に誘われたりするのかな??



「一緒に入らないか?」




って。



拓のいつもの低くて甘いその声でそんな事言われたら…はい!!ってすぐ返事しちゃうだろうなぁ。





そんな事を考えていたら、一気に心臓の脈が速くなった。

未だに拓の裸をまじまじと見れない私が一緒に拓と露天風呂に浸かるなんて、実際問題恥ずかしすぎて無理な話なのだが、拓はどう出るだろうか……。

でも拓は、手すりに肘を置きリラックスした状態で外の景色を眺めてから、すぐに室内に戻って行った。

あれ……?特に何も言って来ない……??



その後私と拓は館内を探検しつつ、お土産コーナーで地酒を購入した。これで1杯やろうという話になった。

「ねぇ、果実酒もあるよ!」

「……そ、それは…」

以前、拓が果実酒くらいの糖度の高いお酒を入れた時に、酔いが早く回ってしまうことが判明した。そうすると拓は凄く甘えん坊になるのだ。拓はそれを恐れて、その日以来あんまり甘すぎるお酒を飲まなくなったのだ。

私は甘いのも飲みたいんだけどなぁ。

「拓、良いじゃん!今日はせっかくの旅行だし飲もうよ!」

と甘えてみると、

「あぁ……まぁ俺が量を調整すれば良い話なんだけどな…」

と言ってくれた。とはいえそんなに乗り気ではなさそう。

「大丈夫だよ。無理には飲ませないから。こっちの小さい方を買おうね」

「おう……」


部屋に戻り、私達はそれぞれ大浴場へと向かった。

この旅館が人気の理由の1つ!絶景露天風呂!

こんこんと涌き上がる湯とけむり、山と谷、空と温泉が一体となる素敵な空間。

湯船から望む箱根の絶景は本当に魅力あるもので、ずっと見入ってしまう。
夕日が沈むこの時間帯に入ったからこそ、とても幻想的だった。

空と温泉が一体となり、まるで空に浮いているようなとびきりの開放感に感動した私。拓もこの景色を堪能しているだろうか。


部屋に2人揃った時に露天風呂からの景色の話を振ってみた私。どうやら拓も絶景に感動していたようだ。

「カメラで撮りたいくらいだったよ」

「それ!私も思った!今日が晴れで本当に良かったよねー!」

そんな話をしつつ、19時には旅館内のダイニングレストランへ移動し、そこで海の幸から山の幸まで、たくさんの旬の食材を味わい堪能した私達。味もそうだが見た目のクオリティも最高で、ついつい見とれてしまう。ここでは記念にと何枚か写真も撮った。

「ねぇ!このお造りのアングル最高じゃない!?外の風景込みで良い感じに撮れてるでしょう!?」

なんて言って、拓に撮れた写真を見せて自慢したりもして、2人で楽しい時間を過ごした。


それから部屋に戻り、2人で一緒に買った地酒と果実酒を開けて飲もうという方向になった。

その時一瞬外の露天風呂が視界に入ってきた。

せっかくだからここのも入りたいけど……拓も入ったりするのかな??

私はなんとなく露天風呂の事を振ってみた。


「そ、そういえばお部屋の露天風呂の存在忘れてたねー」

「あぁ、そうだな。大浴場入ってすっかり抜けてたよ」

と呑気な様子の拓。次に彼がなんて返して来るのかを身構えてしまう私だったけど、拓はこう言った。

「もし入るなら酒飲む前の方が良いと思うよ。どうする?」

こ、これは…一緒に入る前提で言ってる??

それとも、私が単体で入るならって意味で言ってる??

あぁ、これはどっちなの!?と考えながら、

「そ…そうだね。お酒飲んだ後じゃクラクラしちゃいそうだもんね。でも、その間拓はどうするの?」

と聞いてみた。拓は言った。

「あぁ、俺の事は気にせずで良いよ。待ってるし、ゆっくり入ってくると良いさ」

にこやかにそう言ってくれた拓だけど、なんだろう。この安心と寂しいの間の感情は。

やだな。拓の裸をまじまじと見れないって思ってるくせに、私ったら拓から一緒に入ろうと声をかけて貰える事を、本当は頭の片隅で期待していたんだ。

拓がもし嫌じゃ無ければ、一緒に入りたい。


自分の気持ちに気付いた私は、


「ね…ねぇ……良かったら一緒に入らない?」

と誘ってみた。

拓は少し目を丸くしていたけど、その後に笑顔を見せてくれた。

「分かった。良いよ」



星の綺麗な夜空の下。私達2人は今、客室の露天風呂の中。

このまま溶けてしまうんじゃないかと思うくらい、心も体も暑い私。拓は目を閉じ鼻で息を吐き完全にリラックスしていた。

拓は特に緊張してなさそうだった。

相変わらずかっこいい体してるなぁ。

……もう。私ってばいつからこんなはしたないヤツになったんだろう。拓の体を意識し過ぎでしょう。ちょっと目をやっただけで恥ずかしくなってしまった私は即座に目を戻し、ギュッと閉じた。

そして、いつから拓はこんなに大人な余裕を醸し出せるようになったの!?

なので私も負けじと大人の余裕を見せようとした。でも突然、拓からしりとりを提案され、何故か対決する事になった。

「えー!?4文字縛り!?キツくない?」

「良いじゃんか。やってみようぜ。1分間出てこなかったら負けな」

「はいぃ!?」

しりとりの「り」から私から始め…

「り!?……えー?リウマチ…?しか出てこない…」

「賃貸」

拓はあっさり返してくる。

「はぁ!?い………イカ飯…」

「新橋」

「もう!早いから!し……品川」

「ワイルド」

暫くしりとりは続き……

「た!?た……ターザン…あ、ンだもんな…」

「ダメだ。今もう言ったからダメー」

結局私が負けてしまった。これは彼が強いの?それとも私が弱過ぎるだけ?

それにしても何故急にしりとりなんて提案してきたのだろう。聞いてみると、

「里奈が緊張してるっぽかったから」

と言ってきた。

「え!?」

拓は私の頭を撫でて、

「2人でこうして風呂に入るの、初めてだもんな」

と言った。そう。どうやら彼は初めて一緒にお風呂に入る事になったこの状況に緊張している私の心情を見抜き、私の緊張を解す為にしりとりの提案をしてくれたんだそうだ。

彼の優しさにキュンとした私は、

「ありがとう」

とお礼を伝えた。

「いいえ」

拓は続けた。

「家じゃこんな事出来ないからな。ほら、俺がただでさえデカくてスペース食うから、家で2人で入るなんて事したら窮屈になるだろ?」

「まぁ、そうかもしれないね」

そんな話をしていると、拓は私のことをギュッと抱きしめてくれた。


「里奈、3ヶ月に1回とか、半年に1回でも良いからこうして定期的に一緒に旅行したいな」

「え!!行きたい!!それめちゃくちゃ良い案!」

拓と私は、行くとしたらどこに行きたいかという話に花を咲かせ、暫くしてからお風呂から上がり、お部屋の座卓でしっぽりとお酒を飲み交わした。

少しだけ彼に果実酒を飲ませる私。拓は良い感じの酔い具合になった。

それから私は、カバンから拓に渡す誕生日プレゼントの入った袋を取り出した。

「拓、改めてお誕生日おめでとう!」

「お!ありがとう」

拓は満面の笑みを浮かべて嬉しそうにそれを受け取った。

「早速開けてみても良いか?」

「うん!見て見て!」

私があげたのは、黒のレザーのキーケース。拓はそれを見て笑みを零し、

「かっこいいな!いやぁ、ありがとう」

と喜んでくれた。拓の温かい笑顔に私もホッとした。

「里奈のおかげで、最高の24歳の誕生日になったよ。本当にありがとう」

「そんなそんな!だって、そもそもこの旅行を抽選会で当てたのは拓だし!」

「ううん。でも、誕生日に合わせて行こうって提案してくれたのは里奈じゃないか。この日に来れて良かったよ。それにこんなに立派なキーケースまで貰えて。旅行は明日まで続くけど、最高の誕生日になった」

私とこうして過ごせた事が心から嬉しかったのだろう。自惚れとかじゃなくて、本気の気持ちが彼からちゃんと伝わってきたのだ。

それから向かいに座る彼は前のめりになり、少し真剣な顔になって、


「なぁ……里奈。実は……このタイミングで里奈に、大事な話をしたかったんだ」

と言ってきた。


なんだろう。大事な話って。


突如私は不安な気持ちになった。







どうしよう。別れ話だったら。








……って、そんな訳ないよね。だって拓は誕生日である今日という日をこんなにも心から楽しんでくれて、プレゼントも喜んでくれた訳だ。そんな拓が急に別れ話なんて……



するはずない……よね??



私は息を飲み、彼の次の言葉を待った。さっきまで足を伸ばしていた私は、気付けば座椅子の上で正座をしていた。


「里奈とは、付き合ってもうすぐで1年になるよな」

「うん……」


それから拓は深呼吸をした後にこう言った。












「あのさ……付き合って1年経ったらさ……今のお互い住んでる部屋よりももう少し広い所を借りて、一緒に住まないか??」













「え……??」









「里奈が良ければ、俺は一緒に住みたい」





想像もしていなかったこの言葉に、私は嬉しさのあまり泣きそうになった。



「付き合って1年で同棲とか……早すぎるかもしれないけど……俺、この先もずっと里奈と一緒に居れたら良いと思ってる。もう、里奈以外の人は考えられない。重たい男だって思うかもしれないけど、俺はそれ程里奈の事を愛してるし、それだけ本気なんだ」


彼の言葉一つ一つに胸を打たれる私。とてもジーンとした。

そして彼は私に頭を下げてこう言った。













「改めて里奈…。俺と、結婚を前提に付き合ってもらえませんか?」













拓、私…誕生日じゃないのに、こんなに素敵な言葉をプレゼントしてもらえるなんて思ってなかったよ。私はその言葉にポロッと一筋涙が零れた。


「驚かせてごめんな。これは……大事な話だから、今すぐに返事はしなくて良い。里奈の中でちゃんと考えた上で結論を出して欲しい。だから、里奈の中での考えがまとまったら返事を聞かせてくれ」

と言ってくれる拓だったけど、私は体を座卓に乗り出してこう返した。

「拓…!!私も、拓と一緒に住みたい!!拓と、ずーーっと一緒にいたい!!」

私が即座にそんな返しをしてくると思っていなかったのか、拓は驚愕して目を見開いていた。

「待ってくれ里奈。それで本当に良いのか??里奈だって仕事をしてる訳なんだから、同棲する事で何か支障が出る事は無いかとか、俺と一緒に暮らす事でストレスにならないかとか、本当に俺と結婚を前提の付き合いをしてしまっても良いのかとか、ちゃんとよく考えてみてくれ。里奈に失敗はさせたくないんだ」

拓が私の事を考えてそう言ってくれている事は凄く分かる。でも、私の気持ちはもう決まっていた。

「失敗なんかじゃない!!」

私は自分の座椅子から離れ、拓の元へ移動しギュッと抱きしめた。


そしてこう伝えた。


「私は……ずーーっと前から拓の事が大好きで、ずっと拓を想ってた!!そんな相手と結ばれて今すっっごく幸せで、しかもそんな相手と結婚を前提にお付き合い出来るなんて本望だよ!!拓は私にとって、自分の家族にも友達にも親戚にも、誰に対しても胸を張って紹介できるような、自慢の彼氏なんだよ!!だから、私のこの選択はぜっったいに間違ってない!!!!」

「里奈……」

拓は私の事を恐る恐る抱き返し、私の肩に顔を乗せた。

「私は、拓と幸せになりたい。それに、結婚前から同棲って、凄く良い案だと思う!その方が、お互いの事をしっかりと分かりあった上で結婚出来そうじゃない??」

「本当に……嫌じゃないか?」

私は彼の顔を見てこう返した。

「嫌じゃない!!確かに同棲する中で、今まで相手の見えてなかった部分が見えてきて、自分にない価値観に触れて、喧嘩することだってたくさん出てくると思う。でも私、拓とならお互いの価値観を受け入れ合う事が出来ると思ってる。だって私達、高校の時は衝突してばっかりだったでしょう?それに比べたら全然だよ!」

拓はそれを聞いて笑みを零し、首を縦に振る。

「あぁ、それもそうかもしれないな」

拓は私の両肩を持ち、私の瞳を見つめて、


「じゃあ、本当に良いんだね?」


と尋ねてきた。なので私は笑顔でこう返した。


「うん!よろしくお願いします!!」



それを聞いた拓は、安心したように笑って


「あぁ。俺からも改めてよろしく」


と言った。




その後拓は、私に溢れんばかりの笑顔を向けてくれ、そのまま私の唇にそっとキスをしてくれた。








それからというもの、付き合って1年を迎えた後から、私達は同棲の準備を始めた。

物件探しをしつつ、私は改めて拓と一緒に椎名教授に挨拶をしに行った。

「そうか……吉田さんから“お義父さん”って呼ばれる日もそう遠くはないって事なのかな?」

「おい……気が早いよ」

と、拓は椎名教授の言葉に苦笑いしていた。



とっても緊張したけど、改めて拓に私の家族にも会ってもらい、結婚を前提で付き合っていく事を話した。

拓は何度か両親に会っていたのもあるので案外好印象。両親からは彼に迷惑掛けないようにねと念を押された。

「里奈が結婚を考える年になるなんてね……」

と、少しお父さんは寂しそうにしていたけど、私達のことを陰ながら応援すると言ってくれた。


そして数ヶ月。次の年の1月から同棲を開始した私達。場所は私達の職場の中間辺りで探したので、交通の便には特に問題無い。
周辺のホームセンターやインテリアショップに行って、足りない家具を見に行ったりもし、私達の部屋により生活感が足されていった。

そんな中、ある子に出会った。



「この子可愛いよ拓!!」



そう。それがロップイヤーのコロン。


「なんか、もち子ちゃん思い出すね!」

「あぁ」

拓も私も彼女に釘付け。拓自身も本当は一人暮らしを始めてからずっと飼おうか悩んでいたそうだ。基本的に拓は土日祝休みのシフトになっているが、日によっては夜遅くまでかかる日もあるし、愛護センターの動物達のお世話で夜勤のシフトになる事もあるそうで、飼うのを保留していたそうだ。

でも、1人で飼うのではなく私が居てくれるならと、拓は彼女をガラスケース越しに見てそう言ったのだ。

「2人で一緒に育てようね!」

「あぁ、そうしようか」


こうして無事に始まった同棲生活。

「ねぇ!トイレットペーパーもう無くなるじゃん!」

「あ、もうそんなに減ってたか??」

「減ってた!いつも気付くの私じゃん」

でももちろん、喧嘩はしょっちゅうする。

「里奈、出かけるのは良いけど、またホットカーペットの電源付けっぱなしだったぞ」

「ゲ!マジで!?」

「電気代高くなるだろ?気を付けろよ」

喧嘩が付き物である事は分かっていた。でも、それによってすれ違いが起こって、離れていくのは嫌だ。だからこそ、言いたいことをちゃんと伝える分、相手の意見を受け入れる事。それを人一倍意識した。

連ドラを一緒に見たり、バラエティを見たり、気付けば同じ芸人のファンになってたりと、同棲する内に拓との共通の趣味が増えていったりもした。

そうやって拓とはこの先も、たくさんの“楽しい”を共有し合って、笑顔でいっぱいの毎日にしていきたい。




線は点の集合体。


楽しい1日。それが点だとして、



それを毎日続けた先に、1本の色濃い線が出来上がる。


拓と私はその線を2人で一緒に更新して、




延々と続く線を作るんだ。





要するに私達は……





「拓と一緒にいるの楽しい!」


「あぁ、俺もだよ」



これからもずっと一緒にいるという事だ。







fin.

ご覧頂きありがとうございました!!

以前フォロワーさんから鈴木がめちゃくちゃ喜んでいる所をみたい!というリクエスト頂いていたので、そういうシーンも盛り込んで見ました💡(抽選会のシーン)

鈴木がとっても笑うようになりました( ´͈ ᵕ `͈ )♡°やっぱり人は笑顔が1番ですよね✨

そして里奈に一途なかっこいい男にすっかり成長しました。

愛する人の為に成長していけるのが里奈と鈴木のいい所であり、可愛い所です!🥰

さて、リクエストは二人の子供が見たい!って事でしたが、その前にまだやる事がありますよね……??✨✨💍*。


ということで、
次回はそんなお話をかけたらと思います‼️
頑張ります❗️❕💐‪‪𓂃 𓈒𓏸໒꒱

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