第52話

第16話 その3
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2021/05/14 15:25



「わぁ!キレイ!!」

「へへへ!どうせクリスマスに食事するならこういう所の方が良くねー?」

なんと健吾が、夜景を楽しめるカフェ&ダイニングのお店を予約しておいてくれたのだ。
なんて気が利く子なんだろう。女子の好みをよく分かっているじゃないか!

でも、私はこんな時でも鈴木くんの事が頭に出てきてしまった。

こんな素敵なお店で、鈴木くんと一緒に食事して「メリークリスマス」って笑顔で言われたいなっていう想像をしてしまったのだ。

そういえば窪塚くんがこの間ポロッとこんなことを言っていた。鈴木くん、バイトの後に先約がどーのって話だったよね。

まさかデートとかじゃ……ないよね??



まぁ、鈴木くんに限ってそんな事はないか。



鈴木くん、今誰とどこにいるんだろう。



鈴木くん、会いたい。


食事を終えた私達は、お店の入っていた建物の1階広場にクリスマスツリーがあるという事だったので、それを見に行った。

そのクリスマスツリーは大きく、真っ白で美しいビジュアルをしていた。

周りのイルミネーションと合わさってとても綺麗だ。それに、良い感じにチラホラと雪が降ってきた。だから余計に綺麗な情景となったのだ。

「めっちゃデカイねツリー!」

「ね。それに凄くキレイ!」

こんな素敵なツリー、鈴木くんにも見せてあげたいな。2人でこれを眺めて、




「里奈、キレイだね」





って声をかけてもらいたいな。


このツリーの下で、鈴木くんから


「好きだよ。里奈」


って言ってもらって、そのまま鈴木くんとキスがしたいな。


なんて、私はいつまでこんな妄想してるんだろう。いくら妄想したって、鈴木くんがここに現れる事なんて無いのに。





「里奈ちゃん?」




しまった、そんな考え事をしながら呆然としていたら、健吾に心配されてしまった。

「里奈ちゃん、大丈夫?」

「へっ?う、うん!大丈夫大丈夫!」

「…ほんと?なんか泣きそうな顔してない?」

「いやいやいやいや!してないよ!」

すると健吾は、

「もしかして、鈴木先輩のこと考えてた?」

と言う。さすが健吾だな。私の考えてることなんてすぐ分かっちゃうんだ。
健吾は私の事をこんなにも分かってくれるのに、鈴木くんはそうじゃないんだよなぁ……。なんでこうも違うんだろう。


目を閉じたら、勝手に涙が流れた。

私は首を縦に振り、

「鈴木くんにも……このツリーを見せたかったなって考えてただけだよ」

と言った。そしたら、まさかの出来事が起きた。









次の瞬間、私の視界は健吾でいっぱいになった。


















唇に感触が。










これが、私のファーストキスになった。









「ごめん、里奈ちゃん。俺、里奈ちゃんが好きだよ」







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すみません!キスの相手は
鈴木ではなく健吾というオチでした(٭°̧̧̧ω°̧̧̧٭)

健吾からキスをされた里奈は、
健吾の事を意識するようになるのかそれとも……!?

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