第90話

リクエスト企画「鈴木の覚悟」後編
79
2021/06/01 11:24


後半戦です!
今度こそ…!?
リクエストのえちえちシーンは書けたのか!?

※苦手な方はお控えください(´ヮ`;)

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「という事があって、断られちゃった……」

「はあああ!?」

次の日、拓との出来事を和彩に電話で共有した私。

「で!?里奈はそれでなんて伝えたの?」

「いや…なんかそれ聞いたら何も反論出来なくなっちゃって、そっか……分かった。って言っちゃったんだよ」

「なるほどな……」

「男が拒否るとか相当じゃない?」

そう、余程の理由があるんだろうと納得して飲み込んでいたが、本当は拓から断られた事が凄くショックだったのだ。

でも和彩は言った。

「いや、でも般若は遊んだ事すらないって自分で言ってきたんでしょ?それが本当なんだとしたら、単に般若は初めてだからやり方もイマイチ分かってなかったり、覚悟が決められなかったりしただけなんじゃないのかな?避妊の用具が家に無かったからっていうのだって考えられるよ!」

「えぇ……?そういう事なのかな??」


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「で?拓馬、聞きたいことって何?」

後日、俺は恭平に会っていた。彼との飲みの場で俺は小さめの声でこう聞いた。



「なぁ、セックスってどうやるんだ?」




俺のストレートな質問に、彼は驚きの余り飛び上がり、テーブルの裏に膝をぶつけていた。

「いっった!!いってー!!」

「あぁ、大丈夫か!?」

「お前が急にそんな質問してくるからだよアホ!!!!」

と怒られてしまった。

恭平には今、付き合って1年になる彼女がいる。大学で出会った後輩なんだそうだ。
なのでそういう経験ももう済んでいるようなので、恭平からノウハウを聞こうと思ったのだ。

恭平は椅子に座り直し、ぶつけた方の膝をさすりながら改めて会話を始めた。

「てか何!?まだしてなかったの!?」

「まだも何も……俺にはそういう経験はない」

「お前ピュアだよなー」

恭平はそう言って、テーブルに肘をつきながら酒を飲む。

「する機会が無かったというか……俺自身、別にそういう欲も無かったからな」

「へぇ、じゃあお前1人でいる時も抜いたことねーの?里奈ちゃん思い出しながらとかさー」

「そ、それは……」

と恭平の質問にドギマギする俺。

「うん……あるのな。まぁ、さすがにあるか」

恭平は言った。

「拓馬はしたいと思ってるの?」

「そりゃあ……そう思ってるから聞いたんだよ。ただ、右も左も分からないままするより、粗方知識をつけてからじゃないと不安なんだ。彼女に幻滅される訳にはいかない。なぁ、教えてくれ」

俺は恭平に頭を下げた。

「分かった分かった。体験を元にお前に言えることは全部伝えてやるよ」

「すまん、助かる」

それから1時間ほどはずっと恭平とこの話を続けた。

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数日後の平日。今日は拓と外食。その時の帰りにとある物を渡した。

「はい!ハッピーバレンタイン!」

今日はバレンタインだ。拓は突然のことに唖然としていた。

「え……」

私の手渡した紙袋を優しく受け取り、

「ありがとう。これ、中身はなんだ?」

と聞いてくれたので、

「チョコマフィンだよ!チョコチップも入ってて良い感じに出来たんだよ!」

と答えた。

拓は温かく微笑んで、

「そうか。大事に頂くね」

と言ってくれた。

「うん!」

拓は紙袋に目を落とし、こう言った。

「彼女からバレンタインにこうして貰うのは初めてだから、なんか新鮮だ。思ってたよりも嬉しいもんだな」

「へへ、拓が喜んでくれたようで良かった」

すると彼は私の目を見てこんな事を聞いてきた。


「なぁ里奈」

「ん?」

「俺、カッコ悪くないか?」

「………え?」

彼がどうしてそんな事を言ったのかが分からなかった私だけど、それは次の言葉で理解出来た。

「お互い23で、この歳にもなって俺は恋愛経験もまるでなくて、里奈以外と付き合ったことすら無くて、ハグも、キスもそうだし、クリスマスだって、バレンタインだって、相手が泊まりに来ることだって、経験が無さすぎて、俺は何するのにも里奈が初めての相手なんだ。でも、里奈はそうじゃない。里奈の方が恋愛の経験は多いし、その分知識もある。だから最近、何も知識が無さすぎる自分にがっかりしているというか……情けないとさえ思ってるんだ。こんな俺、カッコ悪いと思わないか?」

もしかしたら拓のように恋愛経験が全くない男の人をカッコ悪いと思う女性はいるかもしれない。でも、私は違った。

「なんでカッコ悪いと思うの?」

「え?」

むしろ私は、それこそが拓らしいとさえ思っていた。
だからカッコ悪いだなんて、そんな事は1度も思ったことがない。逆に、そうやって恋愛経験が無くて、とても不器用な所が余計に愛おしいのだ。
なので私は拓にこう伝えた。

「だって、拓は拓でしょう?むしろその方が拓らしいし、なんなら嬉しいよ!だって、私が拓のいろんなことに一番乗り出来るって事でしょう?」

そう言って優しく笑いかけた。
すると眉間に皺を寄せていた拓はスっとほぐれたような顔になり、

「お前……」

と言ってフッと僅かに笑みを浮かべた。

「だから、不器用であろうと、私より経験が無くたって良いの。それが拓であって、私はそんな拓を好きになったんだから」

私はそう伝えながら拓の両手を取りギュッと握った。拓は数回軽く頷きこう言った。

「こんな俺で、そんなお前だからこそ、ここの恋愛が成立してるのかもな。なんか今言われて分かった気がするよ。ありがとう、里奈」

拓は優しい笑顔を浮かべてくれた。彼のそう言う顔を見るととてもホッとする。安堵した私は、

「うん!だって拓、この間言ってくれたじゃない!大事なのは女性の一般論じゃなくて、私の事を知ることだって。だから私達は、私達にしか出来ない恋愛をしてこうね」

と彼に伝えた。

「あぁ」

そう返事をしてくれた後、彼は私の頭を撫でてくれた。それからこんな事を言う。


「この間はごめんな」

「……え?」

「この間泊まりに来てくれた時の夜だよ。……し、したい……って言ってくれたのに、俺が拒否る形になって」


まさかの話題だった。確かにその時のことは気にはしてたけど、拓からこうして謝ってくるだなんて思ってもなかった。私は慌てて、

「い、いや!!私こそごめんね!!ほ、ほらー、あの時はさぁ!?ねぇ!?確か酔ってたじゃん?私。だから気にしないで!?ね!?」

と受け答えをした。すると拓は遮るようにして、



「違うんだ里奈。俺は……」





と声を出したものの、口篭らせてしまい、えっと……とアタフタしていた。

「拓……?」

私は眉をひそめ、彼の様子を伺った。

「いや……だから……あの時は俺も………あー、だからなぁ……つまり、俺も同じだったというか……」

「同じだった?」

拓はバッと私の肩を掴みこう言った。



「したかったって事だ!」




そんな拓に目を丸くした私。拓は腕の力を弱めて続けた。

「……恋愛経験が無いから……そういう事もした事無くて。それにあの日は俺ん家に何も用意も無かったんだ」


それを聞いて、私は和彩のこの言葉を思い出した。


「般若は遊んだ事すらないって自分で言ってきたんでしょ?それが本当なんだとしたら、単に般若は初めてだからやり方もイマイチ分かってなかったり、覚悟が決められなかったりしただけなんじゃないのかな?避妊の用具が家に無かったからっていうのだって考えられるよ!」


和彩、ナイス過ぎる。

和彩の言う通りだった。断られた私としては、私自身に何か問題があるんじゃないかって不安になっていたけど、そうじゃなかった。


「里奈が好きだから……そんな里奈に下手だと思われて、幻滅されたくなかった。俺の覚悟の問題なんだ。お前は何も悪くない」

あの時の拓の行動は、私の事が好きが故の対応だったんだね。


「私、拓に拒否されて不安だったの。正直に話してくれてありがとう。でも、私の行動で逆に拓にいろいろ考えさせる事になっちゃってたみたいで、ごめんね」

と言うと拓は首を横に振った。

「いや、そんな事はないよ。いずれはって俺も頭の片隅では思ってたことだったからな」

「そうなの……?」

「あぁ。俺も男だからな。里奈といつかとは思ってたんだが……なかなか肝が据わらなくてな。申し訳ない」

拓はそう言って私の肩から手を離し、頭を下げてきた。

「拓、良いの。ゆっくりで!別に私は拓と出来なくたって、拓が一緒に居てくれるだけで幸なんだから。それこそ、さっき言った通り、私達にしか出来ない恋愛をしていけば良いんだから!」

と笑顔で言うと拓は頭を上げてくれた。

「お互いのペースで一緒に歩んでいく。付き合うってそういうことだと思う。体だけの関係じゃないんだしさ!そんなのただのセフレになっちゃう!」


私がそう言うと彼は言った。


「……今なんて?」

「え?」


「………セ…セフレって何?」



あぁ、本当に彼は純粋な人だ。

私はそれにホッとしてなんだかクスっと笑えてきてしまった。

「なんで笑うんだ?俺はスフレしか知らん」

「スフレ!?スフレじゃないよ!!」

彼がスフレなんて言ってくるもんだから、余計に笑ってしまう。

「笑うなよ!説明してくれよ!」

「なんで拓まで笑ってんの!?」

「お前の顔みてたらつられた。さすが金目鯛」

「まだ金目鯛って言うの!?」

拓とこうして笑い合えること、そんな日々がずっと続いてくれれば文句なんてない!
拓の笑顔は私にとっての宝物だ。
この後私達は手を繋いで、再び駅まで歩き出した。






そういう事があって2週間後。2人の休みが重なり、私は珍しく今週は土日休み。2人で一緒にアウトレットにパークに足を運び、買い物を楽しんだ。途中カフェに寄った中で、メニューにあった“チーズスフレ”を見て、先に私が笑い出すと、拓に肩を叩かれたりもした。

「本当に頼むのかよ」

「私はチーズケーキ好きなの!」

なんて、和気藹々と楽しんで彼の家に帰ってきて、今日はこのまま拓の家にお泊まり。
ちなみに明日は午前中に家でまったりしつつ、昼から椎名教授と3人で外食する予定がある。

その日のお風呂上がり。
夕飯も食べてまったりしている時に、

「足疲れたー!」

と言いながらベッドに寝転ぶ私。

「足つぼ押してやろうか?」

と言って拓は頼んでもいないのに、勝手に足の裏を強く押してきた。

「い゛っった!!!!クソ!!何すんだクソ般若!!!!」

「あ゛!?」

すると拓は意地悪なので、再び強く足の裏を押してきた。

「痛い痛い痛い痛い痛い!!!!酷い!!いじめだこれは!!!!」

私は足を彼の手から引っこ抜き、もう片方の足で蹴りを入れる。

「てめー、やってくれんな」

とか言って2人でベッドの上でじゃれ合っていたら、気付けば良い雰囲気になっていた。

私達は微笑み合い、そっとキスをする。

拓は私を抱き寄せ、私の髪を撫でてきた。
私は勇気を出して、

「拓……したい……」

と言ってみた。

「……引かないって約束してくれるか?」

拓は吐息混じりの色っぽい声でそう言った。

「うん。引かない」

「あぁ。じゃあ……」

私が彼をリードしてあげたい。なので私はまず布団をかけて、思い切って彼の下半身に手を伸ばした。

「拓……触っていい……??」

「……どーぞ」


とっても緊張した。大本命の彼氏とこんな事するんだもん。最初は上から触りつつ、ズボンの中にやっとの思いで手を入れると、彼はちゃんと私に反応をしてくれていた。

「そのまま……触っててほしい」

と拓。私は優しく手を上下に動かした。


その後、部屋を暗くし時間をかけながらも私達は裸になり、布団の中で抱き合った。

「たーくん、温かい」

「お前も。温かい」

拓はそう言いながら、柔らかい笑顔を向けてくれた。

拓はその逞しい体に反して、手先はとても怯えていて、恐る恐る私の肌に手を伸ばしてきた。

「良いよ、触って」

なので私は彼の手を取り、私の肌に触れさせた。

「………柔らかっ」

その辺りを直で掴まれたこの状態じゃ、心臓の音がダイレクトに彼に伝わりそうだ。心も体も丸裸にされてる感じがとても恥ずかしい。

でも、彼になら全部見せても良いとさえ思えた。

本能的にか、彼は私の胸の膨らみの先端を咥え、まるで赤ちゃんのように甘えてきた。
ただ、加減が分からないみたいだ。

「いてっ……」

と私が言うと、彼はビクッとしてその動作をやめる。

「すまん……大丈夫か??」

「うん!へ、平気……」

「あぁ……なら良いけど……」

と言いつつも彼は気を落としてしまったので、私から優しく彼を抱きしめた。

「たーくん、落ち込まないで!私今、とっても幸せだよ」

「本当に?」

「うん」

凄く恥ずかしいけど、私は彼の手を取り、それを私の下半身まで運んだ。

「……えっ?」

「……あ、あのね??……女子ってね、こういうことしてる時はこうなるんだよ?……わ、私が今こうなってんのはその……相手がたーくんだからで………」

「……どういう事?」

私は赤面してそっぽを向いて

「たーくんに……反応してるって事……」

と伝えた。

自分で自分の体の状況を説明するなんて初めてだった。これ程恥ずかしいことはない。
でも、それを聞いて彼が理解をしてくれるのなら嬉しい。



あなただからこうなるんだよって。



拓は目をぱちくりさせた後、


「なんだろう。すげー嬉しい」


と言った。

「ここ、触っても良い?」

「うん……」

私は拓に濡れたその部分を優しく触ってもらい、時々声が盛れた。

声が漏れる度、それと同時にどんどん濡れていく。

私、こんなに彼の事を愛してるんだ。


暫くして、拓が慣れない手つきでゴムをはめ……


「場所分かる……?」

「いや、とりあえず探す」


と言いつつも全然上手くいかず。
なので体勢を変えて、私が拓の上に乗ってそのまま挿れてみることにした。

「ごめん里奈。そんな事まで」

「ううん」

私は拓のそれを持ち、少し苦戦したがゆっくりと中へ挿れていった。

「うっ……」

思いの外太くてちょっと痛い。

「おい、無理しない方が……」

でも、全てが挿った後、私が彼の上でゆっくり動いてみると、彼はとても気持ちよさそうな顔をした。ハア……と何度も荒目に息をしていた。

「拓……気持ちい?」

拓は脱力していたのか、首を縦に振ってレスポンスしてきた。

私は拓の手を握り、そのまま上下に跳ねた。

最初は痛かったけど、少しずつ形に慣れてきたのか、気持ち良く感じるようになった。


「あっ…あっ…」

私も声が漏れてしまう。恥ずかしいけど、そんな事すらどうでもよく感じてしまうくらいになった。

「拓……振って……?」

なんて、彼にオネダリをしてみたりして、私は彼と繋がれたこの幸せなひと時をしっかりと噛み締めた。

行為が終わった後も、彼は賢者タイムか?なんて思ったけど、拓はギュッと私のことを抱きしめてくれた。


「たーくん、大好き」

と言うと、拓は私のおでこにキスをして、

「俺もだよ」

と言ってくれた。




私達はそのまま抱き合いくっ付いたまま眠り、気付けば朝になっていた。

目が覚め、隣には裸のまま眠る拓の姿が。こういうシチュエーション、なんか大人って感じがする。

そろそろ起きて朝ごはんでも作ってあげようかなと思った私は、布団から出てキッチンへ向かおうとしたが、


その瞬間、拓に腕を引っ張られた。


「え……?」

そのままギュッとされて、

「行かないで里奈」

と言う。

彼、寝起き悪いはずなのに……。今は寝ぼけた状態の時によく見せる、甘えモードになっていた。

「拓?朝ごはんは?」

「まだ良いよ。里奈とこうしてたい」

と囁く彼の声とその優しい表情にドキドキする私。

「甘えん坊め」

私が彼を揶揄うようにしてそう言うと、

「嫌だった?」

なんて返してくるから、キュンとしてしまった。

「嫌じゃありません!」

時間はまだ8時手前。
もう少しだけ彼と一緒にこのまま寝ていよう。


私は彼に引っ付き、布団を綺麗にかけ直してもう一度眠りについた。




拓、この先もずっと一緒にいてね。





愛してる。






リクエスト編 fin

あのー、すみませんでした!!
童貞だった鈴木ではここまで描くのでやっとでした😭😭
男性の初めてを描くのがこんなに大変だとは……
一先ずは、不器用ながらも鈴木が里奈を愛し、2人なりのペースで一緒に歩んでいる姿をお見せする事が出来たなら嬉しいです❣️❣

リクエストはまだまだ受け付けてるので是非〜✨

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