第87話

後書き+本当の最終回!?
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2021/06/16 09:11
後書きからの最終回



いやぁ……最終回迎えましたよ。

寂しいもんですね……

















すみません、







このお話、里奈が高校卒業するまでのお話って最初に言っちゃってたんであれで閉めたんですけど……









高校生としての里奈のお話は前回で終了。











里奈のその後のお話、どうぞご覧下さい!!!←ええええええ(((٩(๏Д⊙`)۶)))ぎゃーーー


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最終話 「私の特別な人」




クッキングスタジオチェーンの社員になってから早2年。専門学校を卒業した私は、今年の春で社会人3年目の生活を迎えた。現在は一人暮らし中だ。

今日はとあるショッピングセンターの中にある、クッキングスタジオの方へ今日は応援に入っていた。今日は土曜日だけどクッキングスタジオに土日休みは関係ない。
でも、料理の仕事は楽しいので、体力的な疲れは来るけども、精神的には全然苦ではない。

そして仕事を終え、せっかくショッピングセンターの中にいるので少し買い物をしてから家に帰ろうと思っていた私。明日から2連休だ。
少しして、施設内にある子供のアスレチック広場の横を素通りした。

その時に、凄くいい感じの爽やかな好青年を見かけた。

子供を高い高いしていて、とっても良い人そうなパパだなって感じながら微笑ましく眺めていた。





まさか、




その人物が鈴木くんだったなんて。






あれ、どう見ても鈴木くんだよね?


私は1度柱に隠れては、もう一度ゆっくり顔を出した。

うん、あの身長にあの細くて小さい目に、あのガタイの良さ。

間違いない。鈴木くんだ。

鈴木くんとは卒業して以来、タイミングが合わずに会えていなかった私。高校生の時に彼の事が凄く好きだったけど、高校時代にそれは失恋に終わっていた。

高校を卒業してからは、2人程とお付き合いをしてみたりもしたが、1人は合コンで出会った見た目ごなしのだらしない男で、もう1人はマッチングアプリで出会った年上。その人は仕事で立て込んで、同じプロジェクトにいる女の人に浮気をされて終了。恋愛面は全然上手くいっていなかった。

失恋する度に、鈴木くんの事を思い出したりもしてたっけ。






何だかんだで鈴木くんとの恋愛が、1番ときめいたし、何より楽しかったから。







じゃなくて!!!待って?そんな鈴木くんに子供がいる!!!!

鈴木くんはアスレチックから出てきたその子と手を繋ぎ、そのまま通路を歩いて行った。柄にもなく私はつい尾行してしまった。

鈴木くんがパパになっていたなんてショックだったけど、なんか早すぎやしません!?

このまま着いて行けば、その先に奥さんでもいるんじゃないかと思って追いかけて行ったのだ。22歳で子持ち?多分あの子は3歳くらい。とんだギャルと結婚でもしたのか!?めちゃくちゃ化粧けばいのかな?めちゃくちゃ金髪で派手なのかな?鈴木くん、そういう人が好きだったの……!?
…って、なんて私はみっともない奴なんだろうか。


「ママー!」



しかし、私の予想は違っていて




「あれって確か……」





母親の招待はけばい人でも金髪でも無ければ、諒子さんだったのだ。

諒子さん、ご結婚されたのか。

って事は、鈴木くんのお子さんって事じゃないんだな。あぁ、良かった……って、何安心してるんだよ。

兎にも角にも、鈴木くんが元気そうで良かった。鈴木くん、すっかり笑顔も増えて大人っぽくなったな。やっぱり彼はいつ見てもかっこいい。

今日はかつて大好きだった人を拝めてちょっと幸せ気分。鈴木くん、元気でやるんだよ。なんて思いながら浮かれて歩いていたら、

「わ!すみません!」

「あぁ、いえ……」

「コラ、お姉ちゃんに謝んなさい!」

「ごめんなさい!」

別の子供に突撃された。


そうだ私。いろんな意味で、ちゃんと前を見て歩け!




それから少しして、買い物をしていると、






「吉田?」







誰かが私の名字を呟いた。


声のした方を向くと、そこには“さっきの好青年”が。


「す、鈴木くん!!」

「あぁ、やっぱりお前か。久しぶり」

と言って、あの鈴木くんが私に向かってはにかんだのだ。

「わっっ!!びっくりした!!鈴木くん!!久しぶりだね!!」

「すまん、似てる奴がいるなって思ってつい声掛けてしまって。元気にしてたか?」

「あぁ、うん!元気だったよ!鈴木くんも元気そうだね」

「あぁ。見ての通りな」

待って待って待って!?だいぶ感じ変わってません!?高校時代のクールな感じは残りつつも、なんか笑顔が自然で余計にかっこいいんですけど!!!私は良い意味でパワーアップしていた鈴木くんに驚いてしまった。

「鈴木くん……感じ変わったね」

「……あぁ、そうか?大学時代にいろいろとインターンシップにも行ったりしてたし、結構扱かれたからかもな」

鈴木くん本人は高校生の時とそこまで大きな変化はないと話すけど、4年ぶりに会う私にとっては、ちょっとの変化所ではなかった。

「吉田、よくここ来るのか?」

「あぁ……いや、今日はちょっと仕事で……」

「仕事??」

「うん。今、クッキングスタジオのスタッフの仕事してて、今日は応援でこっちに」

「あぁ、なるほど。それでか」

ちなみに鈴木くんは今、動物愛護センターのスタッフとして働いているらしい。鈴木くんは今日、諒子さんに頼まれて、今日仕事になってしまった旦那さんに代わって夕方まで買い物の付き添いを頼まれたんだそうで、だからここに来ていたみたいだ。

「すまん、話し込んでしまった。なんか急ぎだったか?」

「ううん。仕事も終わったし、もう少し買い物してから帰ろうと思ってただけ」

「そうか。じゃあ、俺は戻るから、またな」

「あぁ、うん……またね!」

鈴木くんの事を拝めただけでも嬉しかった。


それだけで十分のはずだったのに、




気付けば私はその手を掴みに走り出していた。


「鈴木くん!!」



「!?」



「夜から……空いてたりしない??」





という事で、鈴木くんと急遽2人で飲むことになった。相変わらず鈴木くんの方が聞き手側だけど、鈴木くんも昔より口数が増えたので、大学でどんな経験を積んだとか、椎名教授とは今どんな感じだとか、そんな話もちゃんとしてくれた。

合間合間で時折笑顔も見せてくれるようになった。

だからそんな鈴木くんにドキドキしている自分がいた。


たくさん話して、


たくさん食べて……



たくさん飲んで…………














「ファッ!?」







次の瞬間、起きたら見覚えのない場所に寝ていた。窓から朝日が差し込み、この広いベッド。モノトーンなシックの部屋。私今、どこにいるの!?

動こうとするも頭が痛くて動けず……周りを見たくとも頭痛の影響で首すら動かせない。

昨日の事を整理しよう。

私、ショッピングセンターで仕事を終えた後、鈴木くんに会って、その後鈴木くんと飲みに行って………


え!?ここ、ラブホ!!!??


……な、訳ないか。


冷静に考えて、この部屋には生活感が物凄くある。もしかして、鈴木くんが今一人暮らししている家なのかな!?

私は頭痛と戦いながらゆっくり起き上がろうとした。すると……


「起きたか。おはよう」

目の前に鈴木くんが。

「すすす!鈴木くん!!」

と仰天するも、頭が痛くて何も出来ない。

「大丈夫か?とりあえず白湯だ。これ飲んでもう少し寝ときな?」

そう言って鈴木くんは私に白湯の入ったマグカップを渡してくれた。

「鈴木くん……ありがとう」

鈴木くん曰く、あの後私が酔っ払い過ぎて歩けなくなり、今私が1人で住んでいる場所も知らなかった為、ひとまず家に連れて来てくれたんだそうだ。

「吉田があんなに酒癖悪いとは知らなかったわ。焦ったよ」

と言って鈴木くんは苦笑いを浮かべる。

「ほんとーーにすみませんでした」

私は布団に頭を付けて彼に謝った。

「それは良いけど、仕事は今日休みって事で良いんだよな?昨日確かそんな事言ってたろ」

と尋ねられ、私はゆっくりと頭を上げる。

「あぁ。幸い今日と明日は休みです」

「そうか。なら良かった。俺も今日まで休みだから、ゆっくりしていくと良い」

「そ、そんなそんな!鈴木くんにこれ以上は迷惑掛けれないよ」

と慌てて返事をするも、

「はいはい。そういうの良いから。俺も別に今日は予定無いし、良いよ。ここに居てくれて」

と冷静に返してくれた。とても大人な対応だなって感じた。

「はあ……ありがとう…」

申し訳ない気持ちでいっぱいの私は、自分への呆れからため息が出た。すると鈴木くんが、

「吉田、腹は減ってるか?」

と聞いてきてくれた。でも、

「いや……」

残念ながら今の私の胃に余力は無い。むしろまだ少しだけ気持ち悪さがあった。

「だよな。もし食いたくなったら鍋に今、野菜スープあるから、後で食いな?」

ん?スープがお鍋に入っている!?私はその言葉に耳を疑った。

「え!?鈴木くんが作ったの?」

「あぁ」

「えぇ!?あのカップ麺の鈴木くんが?」

そうだ。鈴木くんは高校生の時はカップ麺やらカップ焼きそばやらコンビニ食やら、とにかく添加物取りまくり生活を送っていたような人だ。その鈴木くんが自炊とか、驚きしかない。

私は鈴木くんの言葉に目がとび出そうになった。

「おい、俺の存在がカップ麺みたいな言い方すんなよ」

「だって……カップ麺ばっかりだったんじゃないの?」

「まぁそうだけど……。とにかくお前は今は寝とけ」

「はい……。あ、白湯ごちそうさま」

私は飲み終わって空になったマグカップを鈴木くんに手渡した。

「あぁ」

すると鈴木くんは、私の頭を軽く撫でてくれたのだ。


何?もう、こんなの反則です。



ダメだ、鈴木くんといるとあの時の感情が再熱する。



鈴木くんに恋をしていたあの時の感情が、だんだんと蘇ってきてしまった。


それから数時間。今度目を覚ますと夕方になっていた。

鈴木くんはソファーでスヤスヤと昼寝をしていた。鈴木くんの大事なお休み、邪魔しちゃったなぁ。
だいぶ頭も痛くなくなって、トイレまで移動できるようになった。

「トイレ借ります…」


トイレから出た後、鈴木くんの寝顔を拝んだ。鈴木くんの寝顔がとっても愛おしい。

「可愛い……」

すると、鈴木くんが目を覚ました。

「ごめん、起こしちゃった!?」

「……いや……大丈夫」

鈴木くんはゆっくり起き上がって、

「お前、体調は?」

と聞いてきた。

「うん。だいぶ良くなったよ。だからそろそろ帰ろうと思って」

と言ったら、

「本当に平気か?あんなに夜中、ゲーゲー吐いてたのに?」


なんだと、


私、吐いたの!?


え、まさか鈴木くん、私が吐いてる時ずっと横で介抱してくれてた感じですか??

「え!?」

「覚えてないのかよ。俺が隣でずっと背中さすってやってたっていうのに」



私と鈴木くんの再会、印象最悪じゃないですか!?





「最悪!!私そんなに!?」

「あぁ、あれをマーライオンと呼ぶのかって思った」

鈴木くんはそう言って私をからかってきた。恥ずかしい!!穴があったら入りたいとはこの事だ!!信じられない。よりによって鈴木くんに見られるなんて……

「あぁ…最悪マジで。あーー。本当にヤダヤダヤダヤダ!!ごめんなさい」

「良いって。一緒に飲んだ相手が俺で良かったな」

「はい、本当に感謝してます」

「面白い。年齢重ねても結局“ドジ田”なんだもんな」

と言って鈴木くんは笑い出した。
このシチュエーションで反論なんて出来ないので、ただただ「はい」と返事をしていた。

「とりあえず、急いで帰ろうとしなくて大丈夫だから。そこは体調優先で」

「いや……でも……」

ただでさえ十分休ませてもらったというのに、

「……なんなら別に、俺が明日朝8時に家を出るから、それまでここに居てもらっても構わない。どうする?」

とまで提案してきてくれた。でも、

「鈴木くんにこれ以上甘える事は出来ないよ」

と言って私は首を横に振った。

「……別にそこは気にしなくて良い。本当にもう体調が万全って言うなら、この後駅まで送る」

鈴木くんの紳士さに戸惑いながら、私は手を前に出して鈴木くんを止めるようにして

「そんなのも良いよ!!ググって帰れるし!」

と言った。

すると鈴木くんは私の頭を撫でて、

「吉田、遠慮すんな」

と言ってくれた。



まただ。こんな事されて、またドキドキしちゃった。

少し、自分の顔が熱いや。



「いや……でも……」

「俺が心配だから」

鈴木くんはそう言って、私の目を真っ直ぐと見てきた。本気で心配してくれているのが伝わってきた。

こんなに優しくされたら、勘違いしちゃうよ。私は鈴木くんに甘えることに決めて、

「じゃあ……朝まで休んでいっても良い?」

と尋ねた。

「了解。お前、そろそろなんか食える?」

鈴木くんはそう言いながらソファから立ち上がり、キッチンの方へ向かった。

「あ……うん。今朝より全然体調良いから、油っこいものとかじゃ無ければ。あ、スープはまだある?」

「あぁ。あるぞ。じゃあ、夕飯にそのスープと、あと何か適当に作るよ。休んで待っとけ」

休んでばかりではさすがに悪いと思った私は、

「そこは私にも手伝わせてよ!買い出し行く?それとも私が1品作る?」

と提案をしたのだが、

「吉田。お前は今日は病人みたいなもんだ。そんなに俺に気を遣わなくて良いぞ」

と鈴木くんに苦笑いされてしまった。

「あ、ごめん……本当に申し訳ないことばっかりしてるからさ」

鈴木くんは私の発言に腕を組み、

「そう思うなら、頼むから今はちゃんと休んでくれ」

と言った。

「うん……」

そういえば、昨日の夜からお風呂にも入ってない。服もこのままで汚い。私、汗臭いんじゃないかな!?そこが心配になった私は、

「鈴木くん……あのさ、もし良かったらお風呂貸してもらえたり出来る?」

と聞いた。

「あぁ、それもそうだな。そしたら、お風呂沸かすから待っとけ」

と言って、鈴木くんは風呂場の方へと向かった。

そして鈴木くんのスウェットまでお借りして、その後私たちは一緒に夕飯を食べた。

「鈴木くん、美味しい!」

鈴木くんの作ったスープも美味しいし、白身魚のトマトソースソテーもおいしい。横についていたブロッコリーのサラダも美味しい。まさかいつの間にこんなに料理が出来るようになってたなんて。

「そりゃ良かった。でも、緊張すんな。クッキングスタジオのスタッフとか、所謂料理のプロだろ?そんな人に振る舞ってるって思うと、なんかな」

「あぁ、私そういうの特に気にしないし、美味しいもんは美味しいから良いの!鈴木くんが作ってくれたってだけで十分なの」

「……はあ、そうか」

鈴木くんは照れている感じに吹き出し、そのまま私に微笑んでくれた。







なんかこれ……まるで一緒に暮らしてるみたいじゃないですか!?









それから就寝時間。

「鈴木くん、お休み」

「あぁ、お休み」


鈴木くんは律儀にベットではなく、ソファで布団をかけて寝ていた。

一緒のベッドで寝たいな…と思ってしまったけど、さすがにそこは我慢した。





そして翌朝の家を出る時、鈴木くんが微笑みながらこんな事を言ってくれた。


「またいつでも遊びにおいで」


あのー……マジで彼、最強なんですけど!!!!



ごめん、鈴木くん。







やっぱり私、あなたが好き。










私はこの日4年越しに、もう一度鈴木くんに恋をすることを決めた。










この日を境に、私たちはまたちょくちょく会うようになった。


時に、飲みの場で仕事の愚痴を聞いてもらった。

「SVのチェックのおばさんマジでウザイの!ホント、鼻につくような言い方してくるし…」

「そういう人の言葉は真に受けちゃダメだよ。軽く受け流すくらいの方が良いと思う」

なんて、優しく寄り添ってくれた。


ちょくちょく鈴木くんの家に泊まりに行く事が増えて、ソファーに座って一緒にテレビ見ながらお酒を飲んだり、流れで一緒のベッドで寝ちゃったり、


2人で映画に行ったりもしたなぁ。


水族館に行ったりもして、


時に鈴木くんが私の家に遊びに来てくれて、そこで料理を振舞ったりして、



4年分を埋めるかのようにたくさん会って、たくさん一緒に笑って過ごした。



そして半年の月日が流れ、


私の誕生日を迎えた。


「誕生日おめでとう」

「え!!ありがとう鈴木くん!!」

夜景の楽しめる綺麗なステーキビュッフェを予約してくれて、そこに連れてきてくれただけでも満足なのに、ブランド物のハンカチまでくれた。

鈴木くんが紳士すぎて泣きそうです。

高校の時はあんなに無愛想だった鈴木くん。でもいつか恭平くんが言っていたけど、彼は本来なら明るい人だったんだ。
今のこの鈴木くんの姿があるのは、過去をしっかりと乗り越えられたからって事なんだろうな。

時々言い合いになって凄くウザイ存在でもあったけど、高校生の時の鈴木くんも、十分に素敵な人だった。

でも、そんな鈴木くんが更に素敵な青年になって、私の誕生日までこんな風に祝ってくれて、

鈴木くんの事が益々好きになっていった。


その帰りに通った臨海公園から、海と夜景を眺めてしばらくそこで2人でたくさん語り合った。

あぁ、鈴木くんが好きだ。

このあどけない爽やかな笑顔が、

紳士的な鈴木くんが、

時にからかってくるけど、その後にフッと笑ってくれる鈴木くんが、

とっても大好きだ。


次の瞬間、私たちはたまたまお互いの手が触れ合った。


このまま、彼の手を繋ぎたい。



もっと彼に近付きたい。



そんな事を思いつつ緊張してしまった私は、彼の手を握れずにいた。







しかし、その手は鈴木くんによって繋がれた。


びっくりした。


まさか鈴木くんがそんな事してくれるなんて思ってなかったから。


鈴木くんは言った。


「吉田といるの、楽しい」


そう言って、鈴木くんは大人っぽい笑顔を見せる。その言葉にすかさず私も、

「私も、鈴木くんといるの楽しい!」

と返した。

「そうか」

すると鈴木くんは目の前の風景を見ながら、


「なぁ、吉田?」


と私の名前を呼び、こんなことを言った。




「今のこの俺なら、吉田の事をそうやって笑顔にし続ける自信がある」







「え…………?」





鈴木くんは私の目を見つめてきた。
何を言われるかと思ったら……



















「好きだ」














驚きすぎて、時が止まったような感覚になった。



「吉田が好きだ」






本当?




本当に!?



本当に今、私のことが好きって言ったよね?




確認するかのように、何度も何度も言われた時のその描写を頭でループさせる私。




私は本人に尋ねた。





「それ……本気で言ってる?」





と聞くと、





「あぁ。俺は本気だよ」





と返してくれた。






もう二度と、鈴木くんの口から聞けると思っていなかったその言葉が、4年越しにやっと聞けた。驚きのあまり私は口を手で押えた。

更に鈴木くんは衝撃的なことを言った。



「吉田のことは、ずっと好きだったんだ」



「え!?」


「高校卒業直後に、恭平から吉田と別れたってことは聞いてた。でもその時の俺はまだ、ちゃんと自分に自信を持てていなかった。だから告白するつもりもなかったし、吉田が俺じゃない他の人とこの先幸せになってくれればそれで良いって思って、吉田への気持ちに蓋をしてたんだ」


まさか鈴木くんが、卒業した後も私の事を好きでいてくれてただなんて。
てっきりもう、私の事なんてどうも想ってないんだとばかり思っていたから、こんな言葉をここでもらえるなんて、1mm足りとも思っていなかった。

「でも、またお前に会ってから思ったんだ。やっぱり吉田が好きだって」


何回もそうやって、“好き”という言葉を口にしてくれるのが嬉しかった。

瞬きをすると、私の目から自然と涙が零れ落ちた。




「お前は……??」



と、鈴木くんはとても優しい表情でそう尋ねてきた。


「お前の返事が聞きたい」


鈴木くんのその言葉に、私はポロポロと涙を流しながら、先に首を縦に振り、自分の素直な気持ちをぶつけた。





「私も……鈴木くんの事が好きです!!」





だらしない男と別れた時も、年上の人と別れた時も、すぐに吹っ切れて前に進めていたのに、鈴木くんの事だけはそうじゃなかった。



自分が思っていた以上に、鈴木くんは私にとっての特別な人だったんだ。




鈴木くんは私に微笑んでくれた後、手をギュッと握り直して


「付き合おう。俺たち」


と言ってくれた。


「はい!!」



鈴木くんは私の髪を優しく撫でて、愛おしそうに私の事を見つめてくれた。



高校の時のような両想いだけの関係じゃなくて、



今度こそ、鈴木くんの彼女になれたんだね。





もう鈴木くんと離れるなんてこと、しなくていいんだ…!!



「鈴木くん……大好き……」



私は鈴木くんに抱きつき、そのまま嬉し涙を流し続けた。

鈴木くんはギュッと抱き寄せてくれて、


「あぁ。俺もだよ。今度は絶対に吉田のこと大切にする」


と言ってくれた。


「うん!!私も……鈴木くんの事ずっと大切にする」

「あぁ」


それから私の涙が収まって来た頃、私達は目をそっと閉じ、







とろけそうなくらいの甘いキスを交わした。




私達、やっと本当の意味で両想いになれたんだね。やっと結ばれたんだね。


「鈴木くん、嬉しいよ」

「あぁ、俺もだ。めちゃくちゃ嬉しい」



私達は笑い合った後、もう一度キスをした。


鈴木くん、離れてしまっていた分、これからはずっと一緒に居ようね。


鈴木くん、大好き!!

















あの日から1年が経ち、私達は同棲を開始した。

実は私達、結婚を前提にお付き合いをしています♡

1ヶ月程前に同棲を始めてから、時に喧嘩をする事もあるけど、お互いの価値観を受け入れ合いつつ、今の所順調に生活を送れていた。

時々、和彩達もこの家に遊びに来てくれるので、その時は鍋パをしたりして、

2人でまったりテレビを見ながらお酒を飲んだり、

調理器具を一緒に見に行ったり、

ラックを買ってみて一緒に組み立ててみたり、

ベッドで2人で寝転がりながら、寝落ちするまで話したり、


時にそういう雰囲気にもなったり……



そうやって彼と一緒に過ごせる事がこの上なく幸せだった。

そして今日も、2人の1日が始まる。


「拓?起きて」

ずっと名字で読んでいた私だったけど、付き合ってからは呼び方を変えたのだ。

「ヤダ。まだ眠い」

この日は買い物に行こうって話をしてたのに、彼は全然起きてくれない。

「えー!?買い物行こうよー!」

「……無理、まだ寝たい」

さすがは寝起きの悪い奴め。
私はペットであるうさぎのコロンを手に持ち、彼の上に乗せた。

「起きろー!!うりゃー!!」

と言って私もベッドの上に乗った。

すると彼は機嫌悪そうに唸り声を上げ、

「おい、コロンをそんなふうに使うな!可哀想に」

と言ってきた。

「可哀想なのは私ー!拓が起きてくれないと買い物行けないー!!」

「それよりコロンの方が可哀想だ」

「ヒドイ!!私はうさぎ以下なの!?」

と言うと、

鈴木くんはグッと私の手を引いて、

私の唇に強引にキスをしてきた。彼は優しくもありつつちょっとSっ気も混ざったようなそんな顔で私にこう返してきた。





「バーカ。一緒だ」




と。それを聞いてニヤニヤしてしまった私は、彼の鼻を人差し指でツンと触る。


「あ、格上がった?」


と言うと、彼は鼻でフッと笑いながら、

「だな」

と言った。

それから私はコロンをゲージに戻し、もう一度ベッドに戻り、布団の中に潜った。

じゃれ合うようにして抱き合った私達。そしたら彼に不意打ちで、




「里奈、大好きだよ」




と言って貰えた。



「うん、私も大好き!!」




私は彼の頬にキスをすると、今度は彼から唇の方に倍返しをされた。



どうやら私は、うさぎ以下ではなくなったようです。







「私はうさぎ以下ですか!?」 fin.


これが本当の最終回🥰❣️❣️

最初は恋愛短編集に書いた作品で、
それがリクエストの声がありこうして小説としてしっかり形となりました。

応援してくださったファンの方々
フォロワーさんのお陰です‼️‼️‼️

本当にありがとうございました✨✨

2人はここからがラブラブな生活を送るので
こんなことしてる2人がみたい❣️❣️
など、また何か言って貰えたら書きますので
リクエストお待ちしております😍😍


本当にありがとうございました‼️‼️‼️

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